迷宮のダイイングメッセージ 1
青い空が広がり気温は朝から高く30度を超えていた。
天埜天加は汗を搔きながら通う大学の門のところで親友の花畑友視を待っていた。
今は夏季休暇で泳ぎに行こうという話になったのだ。
が、友視と共に現れた人物を見ると上げかけた手を止めてピシっと固まった。
「何故、的場……」
探偵が、と天加が言葉に出す前に友視が前に立つと
「あのさ、的場がプールなら一緒に行くって言ってんだけど、いいか?」
と告げた。
天加は友視をジッとみて
「花畑は的場……探偵を知っているのか?」
と聞いた。
的場哲二はそれに苦笑しながら
「的場で良いぜ、天埜」
と告げた。
友視は驚きながら二人を交互に見て
「え? 的場と知りあったんだろ? 的場からお前が仕事のとき教えてくれって言われたから現場で出会って仲良くなったのかなぁって思ってたけど」
と笑った。
「俺ん家は母さんが的場の母さんの知り合いだったんだ」
天加は「おぅ」と思わず声を零し
「だからこの前の現場にほぼ到着直後に来たのか! 同じ大学のご近所だけじゃなかったんだ!」
と内心呟き
「俺は良いよ。行こうか、花畑に的場」
と都営プールへと向かった。
夏休み真っ最中の7月の終わり。
人々の多くがあちらこちらへと活動的に動き回る時期である。
だが、区営プールはスライダーや波のあるプールなどはなく。ただ25mの変哲のない普通のプールと浅い目のプールが二つあるだけの簡易な作りであった為に人気がなかった。




