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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
捜査立会人 ~オブザーバー~

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もう一人の捜査立会人 12

 天加が井上昭二の後を追って的場哲二と共に真中達也の家へ行くと家宅捜索をした坂本蒼矢達が妻の部屋から瓶とカプセルに入った薬剤を見つけ真中由里を連行した。

 

 彼女は瓶とカプセルが見つかったことで観念し全てを自白したのだ。

「功一さんとの仲が見つかり夫から離婚話を持ち掛けられていました。家も土地も全てが夫のモノなんです。なのに……離婚なんてされたら」

 

 結局、財産目当てによる殺人であることが分かり、相続人から除外された。


 天加は事件が解決すると近場だという的場哲二と共に坂本蒼矢に送迎されて自宅へと戻った。

 的場哲二も天加の家の前で降りると

「俺の家はあそこだからな」

 と言い

「あ、それから。俺も大学は東都大学だから」

 と自宅へと戻っていた。


 つまり、ご近所様の上に同じ大学だったのだ。


 天加は目を見開き

「マジかよ」

 とアワワと蒼褪めながらぼやいて自分の迂闊さに驚きながら家へと入っていった。


 同じ頃、鑑識と共に残った財前理人は戻ってきた坂本蒼矢を見て

「坂本刑事……貴方のコールドケースになった彼女と彼女の兄の……あの事件……もしかしたら彼なら」

 と告げた。


 坂本蒼矢は目を見開くと

「あの、暗号を? 未だ誰も解けていない……あの暗号を……」

 と告げた。


 財前理人は静かに頷いた。

「あの人が追っていたのは政財界が絡んだ殺人事件の真相……暗号が解ければ黒幕が分かる」

 ……先のダイイングメッセージを一目見てわかった彼なら……


「それが分かれば貴方の恋人の死の真相も分るかもしれない」


 夏に似合いの入道雲が空に広がり薄暗い影と共に遠雷を響かせていた。


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