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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
捜査立会人 ~オブザーバー~

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もう一人の捜査立会人 8

 的場哲二は天加の話を聞きながら腕を組み

「俺の時はスッげぇきっつい言い方だったのに……優しいんじゃねぇ? まあ俺の時は杉尾って人が本当に逮捕される寸前だったからだけどな」

 と心でぼやき

「だが、この言い方は事件性を匂わせる何かをこいつは感じているということなのか?」

 と呟いた。


 財前理人もまた天加の言葉にチラリと坂本蒼矢を見た。警察は半分病死判定を出しかけているのだ。勿論、解剖結果にもよるのだが……8割病死と踏んでいるのが財前理人は見て取れた。

 

 飴から毒物は出ていない。いや、彼の近くにある全てのものから毒物はないし、彼が手を伸ばして握った刺身やダイコン、他の食材ですらどれからも毒物は出ていない。

 しかも全員の見ている中で突然死んだのだ。


 誰かが近付いて注射器などを利用すれば一目瞭然だろう。だがそう言う証言もない。


 ただ、財前理人もまた気になっている部分があったのだ。


 真中達也の姿であった。通常の病死であれば自身の胸を抑える。若しくはそのまま倒れ落ちるのだが、真中達也は死に際に必死に何故か隣の席の女性の食べ物に手を伸ばして亡くなったのだ。

 苦しい中を必死に手を伸ばして女性の食べ物に、である。


 普通はない。

 所謂、彼は死に際に何かを思い手を伸ばした。


 それもあり井上昭二は彼女に疑惑を持ち飴に毒を塗っていたのではないかという推理になったのだが、実際には飴に毒は塗られていなかった。


 総合的に考えて彼のこの行動はダイイングメッセージの可能性がある。


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