捜査立会人への誘い プロローグ 3
「天加、こいつ俺と同じ経済学部の中津川和夫っていうんだ。友達になったんだ」
そう言って天加の正面に座る中津川和夫を見た。
中津川和夫は両手を強く組み合わせて顔を歪め深く頭を下げた。
「海津を、俺の親友なんだが海津を助けてほしい!! あいつは絶対にやってない! 警察と……Vチューバー野郎に冤罪を着せられたんだ!!」
天加は目を見開くと表情を変えた。
「……冤罪、か」
冷静に考えて今はそれが本当かどうかは分らない。そもそも何があってどうなってという情報がない。
天加は息を吐き出して中津川和夫を見つめると
「じゃあ、詳しく話してもらえますか?」
と告げた。
「今は貴方の感情論だけしか聞けてないのでそれが冤罪かそうで無いのかの判断が出来ない。出来るだけ詳細に、事と次第を話してもらいたい」
少し離れた場所で3人を見守っていた浅見慎二はチラリと天加を一瞥すると口元に笑みを浮かべた。
「イヤよ、イヤよと言いながら……天埜君が断ったことがありませんね。私が知っているだけで3件目。そろそろ頃合いかもしれないですねぇ」
そう心で呟いて黙って耳を傾けた。
中津川和夫は頷くと唇を開いた。
「事件が起きたのは一週間前の土曜日だ。俺の高校時代からの親友で海津隆夫って言うんだがあいつが中学時代のクラブの友人4人と一緒に多摩川上流のキャンプに参加してロッジ内でバーベキューをしていて全員一酸化炭素中毒を起こしてあいつだけが助かったんだ。警察が事故だって言っていたのにそこに現れた探偵チューバ―野郎が……事故じゃなくて事件で犯人は生き残った海津だって……あいつはそんな奴じゃない! 絶対に違う!!」
……あいつの無実を晴らしてもらいたい……
天加はそれを聞いて
「なるほど、それで警察の方は? 本当に警察も彼を犯人だと? 事件だと?」
と聞いた。
その事件についてはニュースで流れていたのである程度の内容は把握していた。
先週の土曜日に事件が発生した。




