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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
SNS探偵 天馬

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探偵塾最初の事件 7

 安積啓達は防犯カメラの映像を貰いながら穴吹芹が管理室を出て現場の部屋に向かうのについてエレベーターに乗り込んだ。坂本蒼矢も共に乗り込み

「さて、探偵チューバ―天馬の生徒のレベルはどうか? だな」

 と口出しせず見守るつもりであった。


 坂本蒼矢自身も扉の施錠や窓が閉まっている状態から確かに自殺に見えるがそれでも違和感がないとは思えなかった。


 つまり偽装されている気はしていたのだ。


 穴吹芹は坂本蒼矢に案内されて現場となる部屋に入った。扉は極々普通の二重ロックで鍵はピンシリンダー式ではなく管理人のみが発注できるディンプルシリンダー式で町の合鍵屋で出来るものではなかった。勿論、ネットでの作成も禁止している手の入れようであった。


 玄関口で坂本蒼矢は派遣された二人にそう説明した。

 穴吹芹は頷くと

「つまり、合鍵の線はないって事ね」

 と趣旨を理解した返答をした。


 玄関を入ると正面に洗面所とトイレ、風呂場へと続く扉があった。右手は下足箱とクローゼットで左手から中へと入り部屋を抜けて奥にリビングダイニングとその向こうに広いベランダがあった。


 そのリビングダイニングのソファの上で坂村美也子は服毒死していたのである。

 部屋には荒らされた様子はなくワイングラスもテーブルに一つだけであった。


 しかも扉も窓も全てに鍵が掛かっていたのだ。


 穴吹芹は窓枠を丁寧に見て回り

「窓が閉まっているトリックは分かったわ」

 と言い驚く坂本蒼矢の前を通り抜けて窓を開けて窓枠のレールの際についていた小さな点に目を見開いた。

「ベランダの指紋やゲソ痕は取ったの?」


 坂本蒼矢は目を開けて

「え?」

 と声を零した。


 彼女は腕を組むと

「もしまだなら取って頂戴。この窓枠も」

 と告げた。

「それから坂村美也子の遺体の写真をお願いするわ」


 坂本蒼矢は戸惑いながら

「わ、わかった」

 と応えつつ

「まさかベランダから犯人が飛んで出たと言う訳じゃないだろうし下に降りても住人に見つかるだろ」

 とぼやいたものの電話を入れると鑑識に連絡を取り、彼女に坂村美也子の遺体発見時の写真を数枚渡した。


 ソファに倒れていたが服装はそれほど派手なものではなく化粧もしてない状態であった。

 ただ床には吐血時の血がパタパタと付いていた。


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