探偵塾最初の事件 6
一つの事件の真相が明らかになり、もう一つの事件もまた動き出そうとしていた。
スナック「レイン」のママである坂村美也子の事件であった。
彼女が殺されていたマンションに姿を見せた安積啓達と穴吹芹は顔を見合わせた。
穴吹芹は笑顔で
「今回、啓達が撮りしてくれない?」
と告げた。
安積啓達は「は?」と目を見開いた。
穴吹芹は笑みを深め
「だって、女は女の心理を知るのよ? 私の方が有利だもの」
と告げた。
どんな有利だ!? と安積啓達は心で雄叫んだものの元々真相の令嬢と言われるほどの美人で更にアイドル顔負けの綺麗な笑顔で言われ小さく息を吐き出した。
「好きにしろよ。けど、間違っていたら横から口出しするかな」
彼女は笑顔で
「了解」
と答え規制線へと向かった。
事件現場の高輪口ホレストマンションは高級マンションでセキュリティも高かった。自動ドアの前には部屋番号を押す台座がありそこにカメラがついている。更にエントランスへ抜ける手前に管理人室があり朝の7時から夜の6時まで常時待機している状態であった。
ただ坂村美也子の死亡時刻は午後11時から翌日1時までの間なので管理人はいない状態であった。
穴吹芹は管理人室の前に立ち
「すみませんが昨夜の午後6時から今日の7時までのこの防犯カメラの映像を見せてもらえますか?」
と聞いた。
それにちょうどエントランスに戻ってきていた品川西警察署の刑事課強行犯係の坂本蒼矢がヒョコッと顔を覗かせ警察手帳を見せると
「頼む」
と告げた。
穴吹芹は目を見開くと
「刑事さん、ありがとうございます」
と答え
「でも手加減しませんから」
とビシッと告げた。
坂本蒼矢はハハハと笑って
「いやいや、勝負している訳じゃないからな」
と告げた。
坂本蒼矢は既に防犯カメラを見ており怪しい人物は通っていないのだ。
しかも部屋の戸は閉まり窓も閉じられていたので密室状態であった。




