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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
SNS探偵 天馬

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探偵塾最初の事件 5

 川原涼也は難波達夫に

「この調書で大間正明から連絡を受けた社員の方はその時の話については? 例えは携帯で実は声がおかしくなかったか? とか」

 と聞いた。


 つまりアリバイは犯人がそう装ったのではないかという疑念であった。


 難波達夫は手帳を出すと

「いや、それはない。元々9時に電話をすると言う話を退社時に受けていたそうだ。内容は翌日の仕事の指示で本人に間違いなかった。まあ携帯からだったそうだが何時も午後9時に流れるチャイムが流れていたから職場であることは間違いないと言っていた」

 と告げた。


 財前理人は周囲を見回し貴方の上の電子時計を見て、慌てて隣の部屋へと向かい中に入ると

「まさか」

 と呟き戻ってその電子時計を手にした。


 そして時計の時間を午後9時に合わせ、流れた音楽に目を細めた。

 難波達夫は首を傾げ

「それは」

 と呟いた。

「だが、そんな考えはおかしいだろ。殺された大間正明が会社にいたように見せかける必要はないと」


 財前理人は冷静に

「その証言をした社員の方に連絡をしてください」

 と告げた。


 難波達夫は頷いて社員に電話を入れた。

 財前理人はその電子時計を9時に合わせてチャイムを流しながら

「この音楽が後ろでなっていたんですか?」

 と聞いた。


 社員は携帯越しに

「ああ、そうです。先生は何時も始業と午後6時と午後9時に流すので」

 と返した。


 財前理人は冷静に難波達夫を見て

「大間弁護士事務所が入っているビルの防犯カメラで大間の映像を手に入れて午後9時前にチェックインした男と歩容認証してください」

 と告げた。

「大間自身、何か良からぬ事を考えてアリバイを作り呼び出した相手と落ち合ったが反対に相手に殺された可能性がある。そう考えるとチェックインした男が大間だったとしても説明がつくし出入りの分かりにくい階段側で且つ防犯カメラから離れたここにした理由もわかる」


 まさかである。

 難波達夫は蒼褪めて

「まさか被害者がアリバイトリックをしていたとか」

 と呟いたモノ頷いた。


 財前理人は更に

「後、各階の午後9時から10時半までの防犯カメラを見に行きます」

 と告げた。

「まさか20階を階段であがるとは思いにくい。だとすれば裏手から入って階段を使い何処かでエレベーターを利用して19階くらいで降りて20階まで階段を使うということも考えられる」


 財前理人は警備室へ行くと各階の防犯カメラを見て2階のエレベーターへ乗り込み19階で降りて階段の方へ行くアル・カヤの姿が写っていたのである。


 時刻は9時ちょうどであった。


 難波達夫はその推理に息を飲み込んだ。

 だが。

 だが。

 言われた通りの可能性が限りなく高いのだ。


 彼は直ぐに判断すると

「アル・カヤを抑えに行く」

 と警備に付いていた刑事に指示を出した。


 翔はそれを映像で見て安堵の息を吐き出すと

「よし財前は乗り越えたみたいだな」

 と呟いた。


 携帯で動画を流していた川原涼也もまた肩を竦めると

「俺じゃそのトリックに行き付けなかったな」

 と心で呟き

「よくやったな」

 と財前理人の肩を軽く叩いた。


 財前理人は笑むと

「いや、川原さんが連絡の事を言ってくれ無ければ……俺はもっと勉強しないと」

 と告げた。


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