探偵塾最初の事件 2
翔は固唾を飲み込み
「カヤ土建の社長のアル・カヤはいま」
と聞いた。
彼が殺したと言う訳ではない。だが、カヤ土建の不法滞在者関連の二人が死んだのだ。まして、これまで松田貴子に山形優一の事件を考えれば彼が指示をしたということも考えられる。
津村清也はチラリと横に立つ秘書を見て
「アル・カヤについてはアリバイがあるのでこの件での事情聴取は出来ないが二課で派遣法違反などの裏取りを急いでしている」
固まり次第連行する予定だ、と告げた。
秘書は頷いて
「今は自宅で海外へ出立する準備をしているようです」
と告げた。
正に時間との勝負ということだろう。
警察庁長官の岩尾としおは自宅で待機をしている状態であった。逃亡の様子はなくしないだろうとの判断で一応見張りだけがついている状況である。
翔はそれを津村清也から聞き
「では二人の現在の動向については警察に任せます。先の二件にSNS探偵を送ります」
と告げた。
先に呼ばれた4人は翔を見つめ緊張に息を吸い込んでいた。
その中の一人である財前理人は通話を切った翔に
「先生……大間正明の事件。俺にやらせてください」
と頭を下げた。
翔は彼の履歴書と身上書を思い出して
「冷静に真実を見抜く自信があるなら」
と告げた。
財前理人は頷いて
「あります」
と答えた。
翔は少し考えて
「わかった。大間正明の事件には財前理人と川原涼也。そして坂村美也子には穴吹芹と安積啓達が向かってくれ」
と告げた。
「他の面々は二か所からの動画が配信されるのでそれを見てこちらはこちらでディスカッションする」
全員が頷いた。
翔はフロアの前にある巨大ディスプレイに自身の携帯の画面を繋ぎ合わせて川原涼也と安積啓達に主に配信を行うように指示を出した。
探偵チューバ―塾生初めての出動であった。




