探偵塾最初の事件 1
「二件同時の依頼だが」
津村清也の最初の言葉はこれであった。
天埜翔はその言葉の意味を正確に理解すると
「大丈夫です」
と答えちょうど講義のためにフロアに集っていた12名の生徒たちを見た。
年齢は31歳から16歳と幅広い面々だがそれぞれ高校生探偵やフリーライターなど調査などの能力が長けている人物が多く育成は順調に進んでいた。
翔はその中でも4人の人物を見た。
「安積、財前、川原、穴吹」
それにバラバラに座っていた4人は立ち上がり真っ直ぐ翔を見つめた。
誰もが笑みを浮かべヤル気満々であった。
津村清也は翔の言葉に
「わかった、一件は新宿駅から少し離れた場所にある東都新宿駅前グランドホテル2003号室で大間正明の刺殺体が見つかった。死亡推定時刻は昨夜の午後10時10分だ」
と告げた。
翔はそれに目を見開くと
「え!?」
と呟いた。
津村清也は前を見つめたまま
「そうだ、大間正明の遺体が見つかった。一応、警察は一連の事件からアル・カヤと……岩尾警察庁長官に事情を聞いてはいるがその時間に二人ともにアリバイがある」
と告げた。
翔は僅かに目を細め
「10時10分にアリバイ……ですか」
と呟いた。
津村清也は冷静に
「二件目は品川の高輪口ホレストマンションの402号室で坂村美也子という女性の遺体が見つかった。彼女はスナック『レイン』のママだ」
と告げた。
つまりカヤ土建に関わった二人が死んだということだ。




