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カジュアル転生

 ハッと目が覚めると見知った天井だった。見慣れた部屋。見慣れたベッド。私の部屋だ、ここ。


 いったいこれはどういう? 転生したの? してないの? どっちなんだい!?

 さて、どうしよう。部屋の時間を確認すると2時。外は暗いのでおそらく午前。じゃあまずはなんJするか。


 いや、違うな。絶対違うな。なんJでスレ立てて起こったことを報告してる場合じゃない。でも丸一日以上なんJ見てないせいで禁断症状が出てる。おもな症状として心の中の一人称がいつの間にワイから私になってる。そのうちエセ関西弁も使わなくなって女子高生に自然回帰していくのかもしれない。

 

 何も問題ない気がしてきた。


 よし、じゃあ、まずは部屋から出るか。そういえば前もドアノブに手をかけてそれ以降の記憶がない。

どうなっとんねんと思いながらドアノブに触れる。



 


 ハッと目が覚めると隣に美少年が寝ていた。でも朝チュンではない。やってない。未遂。さすがにやってない。


 あれから普通に抱きしめて寝ただけ。


 もう朝になってるみたいだけど、短い夢だったな。まあいいや二度寝すっか。彼を起こしたくないし、なんだか朝起きたら隣に美少年が寝ているこの奇跡にまだ酔いしれていたい。



 


 そして気づいたら、パソコン画面を前に自分の机にいた。

 

 あのさあ、なにこの高速リターンは? カジュアル転生なの? 気軽にバック・トゥー・ザ・フューチャーしてない?


 いい加減部屋出るわ、と私はドアノブに手をかけようとした。


 



 けど、かけない。ドアノブに手をかけない。かける振りしただけ。

 フェイント。これはフェイント。さすがにもうそのパターンは読めた。ドアノブ触ると転生すんだ、これ。


 ってことは窓から外出てみるか。もう朝じゃ~ん。私は窓の鍵に手をかけた。





 転生した。


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