富士山
俺
「なんなん? さっきからやったとか肉体関係とか? 俺とお前が男と男の関係だったかどうかそんな気になるわけ?」
孫七
「そりゃ気になるに決まってんでしょう」
俺
「今の話の流れからわかんだろ? 俺とお前は義兄弟みたいなもんだ。友情以上の関係はねえよ。当たり前だろ」
孫七
「うそ!」
「あ?」
本当だよ。嘘じゃねえよ。
「じゃあなんでさっき私を襲おうとしたとき股間がデンジャラスだったんですか? 私のお尻をロックオンしてたじゃないですか?」
「でんんじゃらす? ろっくおん?」
「股間が戦闘態勢だったでしょ? お尻に狙い定めてたでしょ?」
「俺はいつもあんなもんだ」
「うそ! そんなんありえない! 常に戦う準備ができてるなんて無理! そんなに長持ちしない! …はず!」
「いやマジだって」
嘘である。
「じゃあ証明してみせてよ!」
「おう。いくらでも証明したらあ! 今もボッキしてんだからよ!」
嘘である。
「あ! ついにボッキって言った」
「回りくどい言い回しはめんどくせえ。やめだ、やめ」
「わかった。じゃあここに入ってボッキしてるとこ見してよ!」
やばい。嘘がばれる。
「おう、わかったわ。でも大きい方してんじゃなかったのかよ。終わるまで待ってやってもいいぞ」
時間を……稼げ。
「うんこ引っ込んじゃったよ! 話が気になって一寸たりとも出んかったわ!うんこ!」
「便秘になるからちゃんと出しとけ」
想像するんだ。助平なことを。今のうちに立ち上げるんだ。
やべえ……、全然ダメだ。こいつがウンコウンコ連呼するするから萎え萎えで全然股間が起動しねえ。
「見してくれたら出す」
「そこまで見たけりゃ見せてやるよ。鍵開けろや」
「かかってないからどうぞ」
あ、やばい。この流れ、もう逆らえない。
「おらあ!」
虚勢を張って勢いよく扉を開いたら、孫七郎は便器の横でちょこんとしゃがんでいた。両足を体の前で畳んで膝を両手で抱え込んでいる。
なんか立ち振る舞いが武将っぽくないんだよなあ。
ふんどしは付け直しているが他の衣服はない。当然だ。汚さないように小姓がいったん外に持ち出してる。
肌を隠したいのか体の露出を最小限にしているように見える。男同士なら体隠すようなもんでもないよな。初めてあった時にすでにちんぽ見てるし、風呂に一緒に入ったこともあるから全身だって初めて見るもんでもない。
今の孫七、なんだか、おなごのような。
頬もなんだか紅潮して艶っぽい。
「ま、まじだった…」
孫七がなにやら驚いている。視線の先は俺の股間を向いている。俺は下を見やった。
あっ。
ボッキしてる。
またボッキしてる。
袴の上からでもわかる。
富士山できてる。
いつから?
そこに?
なんでまたああああああ?




