幕間 エルゼ、辺境へ向かう
ガタゴトと舗装されていない道を馬車は進んでいく。
車内は私を含めて数人が乗っている。
家を出た後、国王様から聞いた辺境の方面の乗り合い馬車に乗り込み途中町や村で泊まりながら3日が経過、もうすぐ終点にたどり着く。
(お父様が追手を出すかと思っていたけどここまで特にトラブルも無かったし良かったわ)
きっと国王様が圧力をかけてくれたんだろう、もしくは私を切り捨てたのか、まぁ切り捨てた方が楽ではあるんだけど。
強盗とかにも遭遇しなくて良かった、何せ女一人の旅は危険が付き物なのだから。
一応、対策として長かった髪の毛を短くして身なりも女性に見えない様に男性の格好をしている。
帽子を深く被り顔を見られない様に余り喋らない様に下をずっと向いていた。
おかげで誰にも話しかけられずに済んだ。
「お客様、もうじき終点のアルバイチに付きます。お降りの準備をお願いします」
長かった馬車旅もこれで終わりと思うとちょっと寂しくなる。
人生初の一人旅がまさかこんな事になるとは思っていなかったけどこれもリュージュ様に会いに行く為、と思ったら苦にはならない。
やがて馬車の停留所に付き私は馬車を降りた。
(ここから先は徒歩で行かなきゃならないのね)
まだまだ先は遠い、一番近いグワイナル領はここから歩いて1日はかかる。
(いくらお父様でもここまで来ているとは思わないでしょう)
まずは食堂で腹ごしらえをしましょう。
私は食堂に入って適当に注文をした。
その店は冒険者らしき人達が集まっている店だ。
「その話、本当か?」
「あぁ、あの荒地に人が住み始めたらしいんだよ。 しかも今凄い勢いで開発が行っているらしい」
「彼処は魔物も出るし草木も生えない所だろ」
「あぁ、でもこの間の大雨で状況が変化してるみたいだ、グワイナルにいる知り合いから聞いたら野菜も採れるみたいだ」
「マジか、その住んでる奴優秀なんだな」
その話を聞いて間違いなくリュージュ様の事だとわかった。
リュージュ様だったらそんな事が出来る、私には確信があった。
早速結果を出しているみたいで私はちょっと嬉しくなった。




