リュージュ、友人に連絡する
グワイラル領から戻ってきた僕達は改めて自分達の風景を見た。
「やっぱり圧倒的に緑が少ないよなぁ……」
「そうですね、野菜が出来るのであれば植物だって育ちますよね」
「木を植えてみるかな」
「どうやって苗を手に入れるんですか?」
「手はあるんだよ、数少ない知り合いに当たってみよう」
僕は知り合いに連絡を取ってみることにした。
連絡を取る方法は通信水晶を使ってみる。
正直、この辺境の地で使えるかどうかはわからないから今まで使って来なかったんだけど、とりあえず水晶に手を当ててみる。
「レイアス、聞こえる?」
『おぉ、リュージュ!」
水晶から元気そうな声が聞こえてきた。
僕が連絡をとったのはレイアス・シュデンという商人である。
彼は元々公爵家の次男坊なんだけど家の跡を継ぐ必要はないから独立して商売をしている。
どういう伝手があるかわからないけど独自のルートを持っていて欲しい物を手に入れる事ができる。
『いやぁ、お前が辺境の地に飛ばされた、と聞いて心配していたんだよ』
飛ばされた事になってるんだ、僕は。 まぁその方がこっちとしては都合がいいけど。
「こっちはこっちでなんとかやってるよ」
『だろうな、お前はこんな事では潰れないもんな』
そう言ってカラカラと笑う。
「で、実は木の苗がほしいんだけど」
『あぁ、それぐらいならお安い御用だ。 辺境でも育つ丈夫な木を送ってやるよ』
うん、相変わらず頼りがいのある男だ。
「ところで王都はどんな感じ?」
『お祝いモードだよ、何せスカウドが正式に王太子として発表されたからな』
あぁ、正式に発表されたんだ。
『ただな、婚約者のエルゼなんだけど……』
「えっ、エルゼに何かあったの?」
エルゼ・マイールは僕の婚約者だった公爵令嬢で彼女も数少ない理解者の一人である。
ただ、婚約が決まった時は公爵は不本意みたいでブツブツ言っていたんだよね、まぁいくら王族と言っても平凡と呼ばれている僕には旨味が無い、と思ったんだろう。
『実はエルゼ嬢が行方不明なんだよ』
「行方不明っ!?」
僕は驚きの声を上げた。




