リュージュ、グワイナル領に行く
数日後、僕はトマスに招待されグワイナル領にやって来た。
グワイナル家は王都の貴族とは比べ物にはならないが貴族らしい家だ。
「リュージュ様、マリー様、ようこそいらっしゃいました」
メイドに執務室に案内され入るとトマスが歓迎してくれた。
「先日はお野菜を頂きましてありがとうございます。 非常に好評でみんな喜んでいます」
どうやら野菜が好評だったみたいだ。
「喜んでいただけたなら幸いです。 今は野菜を中心にしてますが果物や穀物もこれから育てて行く予定です」
「良いですね、リュージュ様でしたらきっと良い物がとれますよ」
「私もリュージュ様の力になりたい、と思いまして我が領地を見学していってはどうでしょうか?」
「そうですね……、王都にいた頃は庶民の生活を見る機会が無かったので是非とも」
僕達はトマスの案内で領内を見させてもらった。
「うちは農業もやっていますが主な収入源は鉱山なんです」
トマスが指差した先は大きな岩山があった、あれが鉱山らしい。
「そういえばグワイナル産の鉱石は質が良くて加工されてネックレスやイヤリングになっていて貴族に好評だ、と聞いた事があります」
「父が積極的に売り込んでいるんですよ。 でも、私は農業にも力に入れたいと思っているんです。鉱石は今は採れていてもいつ採れなくなるかわかりません。 将来を考えると農地の開拓にも力を入れないといけません」
トマスの言っている事は凄くわかる。
僕だって父上とは考え方の違いで議論になる事もある。
僕はトマスがいるのであればグワイナル領は安泰だと思った。




