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リュージュ、種をまく
「なるほど、じゃああの廃墟はその人達が住んでいた訳だ……」
「えぇ、その通りです。 この屋敷は監視役として派遣されていた役人が住んでいたらしいです」
だから、何処の家よりも大きかった訳だ。
「トマス、ありがとう。 僕が此処に来たのはある意味運命なのかもしれない」
「運命、ですか?」
「そう、僕もある意味彼等と同じだからね。 別に結果とか興味ないし他人の評価も気にしない。 僕は僕がやりたいように生きるだけさ」
「達観されてるんですね、そんな風に考えられたらどんなに楽でしょうね」
トマスはフッと寂しい笑みをした。
彼も彼で色々思う所があるんだ、と思う。
翌日、畑作りを再開する事にした。
「今日はいよいよ種まきだ」
「いよいよ、この地を再生する一歩ですね」
十分耕した畑は王都にある農場と変わらない。
気のせいだろうか、農場よりも土の色が良い。
丁寧に種をまき立て札を立てた。
勿論、魔獣避けの杖、それに柵をつけた。
柵には対策として触れるとビリビリするようになっている。
後、風雨対策として屋根をつけた。
屋根は取り外し可能だから晴れの時は外す事が出来る。
何せ、夜に吹く強風は流石になんとも出来ないからね。
「畑はこれで終わり、と」
「育つと良いですね」
「早くて1ヶ月はかかるからね。まずは芽が出るかが重要だから」




