表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GOD HAND  作者: ホムポム
第4章
51/184

第51話 許されざる言葉


「あの……アサミさんはまた島から出るんですよね?」

リアが恐る恐る質問する。



アサミさんのお母さん……随分若いな。

見た目だけは私と同じか……少し下かな?分からない。

アサミさんの事もあるし見た目なんか信用ならない。


私だってそうだ……


お母さんは島を出る事を反対していないし。

きっと許してくれ「ダメよ!」


金髪の少女が割って入る

「アサミは島から出さないわ!

ミカお姉ちゃんからもキツく言ってほしいのよ。」


「ん〜。アサミはどうしたいの?

このまま島にいたい?島の外に出たい?」


そうだ。決定権は当然アサミさんにある。

アサミさんが頷けばお母さんも配慮してくれる筈だ。



アサミは母と姉を交互に見ながらおずおずと口を開く。

「……出ない。お姉ちゃんの言うことを聞く」


「アサミ!良い子ね。お姉ちゃん嬉しいわ」

「ア……アサミさん?それでいいんですか?」


アサミさんに直に確認を取る。納得出来ない!

アサミさんはやりたい事があった筈だ。それを何も

成し遂げてはいない。そしてそれは……

この島では絶対に出来ない事だ!


「ごめんね。リアちゃん。お姉ちゃん絶対怒るもん。」


「怒る?怒らなければ……アサミさんは島から出るんですか?」



「出たいけど……もう絶対無理だよ。」

アサミさんの本心が聞けた。それで十分じゃないか。


アサミさんの手を強く……強く握りしめる。

「アサミさん聞いて下さい。魔法使いは少しだけ……

ほんの少しの可能性があれば

簡単に解決出来てしまうんです。

私の先生が教えてくれました。

そんな事ぐらいだったら……簡単に島から出れます!」



アサミさんが一瞬だけ笑顔になる。一瞬だけ。

スグに表情は曇り元気のない似合わない顔に変わる。


変わりに笑顔から怒りの顔に変わった人。

「あたしが悪者みたいに言うのは止めてくれない。

……でも……間違いじゃないわね!そうよ!

あたしが無理矢理 何度でも 力ずくで連れ戻すわ!」


「あー……ジェシカ落ち着いて。

この子怖がってるじゃないか?」

青年が少女を優しく諌める。



…………え?何時から居たんだ?

赤い髪の青年。なんて気付かなかった?

当り前過ぎて。当然過ぎて気付かなかった?



私が唖然としている間にも少女は喋り続ける。

怒りの導火線に火を付けてしまったのだ……私が……



「アナタがあたしに、力ずくで分からせなさいよ!

出来ないでしょ!?アナタ見てたわよね?

悪魔もどきにあたしがやった事を!」



勿論見ている。無理に決まっている。

アサミさんでも無理だと諦めている私じゃ絶対に……

本物の悪魔に対して《もどき》などと言った

上位種族に蔑みの烙印を押せる少女。


アサミさんの……お姉さん。



「…………それ以外の方法で……話し合いとか……」

お姉さんの顔が見れない……

目を合わせただけで…………怖い。怖い。怖い。



私の態度にお姉さんは私を大きく見下す。

そして怒りと愚弄の言葉を私にぶつけてきた。


「ハッ!何が可能性があれば簡単よ!?

あたしは解決策を開示したわよ!?

アナタには出来ないのよね!?可能性なんてないもの!


そもそもアナタの先生ってのは馬鹿なんじゃないの!?

詐欺師か何かの先生な訳!?

そしてそれを真に受けたアンタも大馬鹿よ!」



「ジェシカちゃん!言い過ぎだよ!謝りなさい!」

ミカが大声を出し金髪の少女を叱りつける。



…………ナンテイッタ?今……なんて……

「……れ……」


「ハァ?聞こえないわよしっかり喋りなさい!」


「先生に謝れ!お前に先生の何が解る?

先生の何を知っている!?許さない許さない!」


少女に掴みかかろうとするが……止められる。

アサミさんとアサミさんの母親と

赤い髪の青年に


金髪の少女は私に指を向けていた。

私は生命そのものを握られている錯覚をおこしながらも……


「お前は先生を馬鹿にした!虚仮にした!許さない!

イーディス先生に謝れ!土下座しろー!」



「……ッチ。そのケモ耳を離していいわよ。

あたしも我慢強い方じゃないのよ。

さっきも言ったでしょう?力ずくで分からせなさい!」


アサミさんの両親が私を押さえるのを止めた。

何かにビックリしながらも……同様しながらも……

特に赤い髪の青年。私の顔を真剣な眼差しで見つめる。



「ジェシカ……止めたほうがいいよ。後悔する。」


「後悔するのはそこのケモ耳でしょ?

あたしが後悔させてあげるわ!

全身穴だらけになって島から出て行きなさい」



「来なさいよ!広い場所でやりましょう。

家を壊しちゃうわ。アナタは何も出来ないけどね!」


バタン!勢い良く扉を閉める少女。


「リアちゃん。お姉ちゃんに謝ろ?」

アサミさんが不安な顔をしている。


少しだけ冷静になってわかった。

私はとんでもない事を言ってしまっていた。

今からでも……許してくれるのかな?

      


        でも……それは……



青年が真剣な眼差しを向ける

「君は……イーディスさんの弟子なのかい?」


「私の先生です。私の大事な……私の……家族です。

先生を……イーディス,ヘローを知っているんですか?」


赤い髪の青年は申し訳無さそうに頭を下げ

「俺はイーディスさんに何度も世話になっていた。

どれだけ感謝してもしきれない。

君は……君は俺の姉弟子だ。

俺が勝手にだけどイーディスさんの弟子だと思っているよ。


出来る事なら見せてほしい。君が……

イーディスさんの弟子だと言う証を……

彼は何でも出来るという安心感があった。


そして実際 不可能なんてなかった。

今の君からもそれを感じる。」



青年が私の手を握る。熱い。私の中に灼熱が入り込む。

私の身を焦がし 心を焦がし 魂を焦がし……



……先生。見ていて下さい。


      そして……力を貸して下さい。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ