第50話 太陽の島
少女2人と魔狩人シェリル、リアは太陽の島へと下り立つ
アサミは金髪の少女に抱かれて……
1週間の旅の間アサミは目覚めなかった。
「あたしはアサミの両親に引き渡すけど
アナタ達はどうするの?オッパイはその木の枝を
好きな玩具と交換してきなさいよ。……これ島の地図と…家の鍵。
……鍵はあたしのだから失くさないでよ。」
木の枝とは神の遺産の事がだろう。
交換する気などないが興味がある。
神の声を聴ける者にとって興味無いはずが無い
「俺もシェリルと一緒に行って良いか?
俺も神の遺産を見てみたい。」
「え?私は嬉しいけど……あの……この人も一緒に……」
勝手について行って良いのか確認を取らなければ
「んー?良いわよ。この島に住めなかったら
お土産に玩具1個あげるから、精々好きなの見つけなさい。
……でも……ケモ耳!アナタは一緒に来るのよ!」
金髪の少女はリアを睨む。
理由は分かっている。リアはアサミと一緒に冒険を、
過去改変をしようとしている。まだ諦めていない。
「……ハイ。でも私も行きたい所が……」
「アサミの事を諦めたらいくらでも行けば良いわよ!」
5人は別れる。小さい島なので泊まる場所など限られている。
再開など容易な事。
…………
……………………
「何もない田舎って言ってたよな?」
「……私が来た時はそうだったのよ。」
魔狩人とシェリルは1番大きな街へと辿り着く。
確かに王国付近の街と比べると発展していない。
しかし活気に満ち溢れている。
人々に希望が満ち溢れている。
人間……亜人……魔物……怪物……
「あの子から聞いていなければ卒倒する自信がある。」
「何故……怪物達は人間を襲わないの?
何故魔物が姿を見せているの?」
二人がキョロキョロと街を見渡していると、
当然この異常な光景は初めてだろうと思われ声をかけられる。
「あんた等、観光かい?聞いてると思うけどこの島では
暴力行為はやめてくれよ。皆現状に満足して暮らしている。
何もない島だけど楽しんで行ってくれよ。」
そう。この島は何もないのだ。
争いの火種。種族の身分。人間達の身分。
何も無い。唯一あるのは……笑顔だけだった。
田舎町の生物達は幸せを満喫していた。
どんなに裕福な国でもここまでの笑顔は見られない。
街を出ると大きな田畑。
「ガガガァァ!」田畑を餓鬼が荒らしている。
「ゲキャ!ゲキャ!」大鬼が野菜を抜いている。
「お〜。その区域まで頼むよ〜。
そっちはまだ小さいから来週にしとこうか?」
怪物に向かって老人が優しい言葉をかけている。
「……。」「……。」
二人にはその光景がどう見えたのだろうか?
「私達がやっている事は……間違って無いのよね?」
「分からない。この島だけが……特別なんだ。」
怪物は滅ぼすべき種族。人間を襲い害しかもたらさない。
普通なら問答無用で討伐される種族。
当たり前の常識……それが太陽の島では通じない。
その怪物がこの島では共に生き共に笑う穏和な種族。
ーーーーーーーーーー
馬車が目的地へと向かう。
アサミを抱き抱えた少女は無言のまま妹の頭を撫でる。
隣に座るリアは時折アサミに目をやりつつも、
外の景色に興味を奪われる。
山に入ろうかという場所で馬車が止まる。
「到着致しました。ここでお待ちしてましょうか?」
「んー……いいわ!ありがとう!」
二人は馬車を見送り足を進める。
のどかな村。30軒程の古い民家。その中の小さな小屋の扉を
ガチャ ノックもせずに扉を開ける少女。
「ん〜誰〜?ノックしなきゃダメだよ〜?
神様怒っちゃうよ〜?」
妙にゆっくりした喋り方。
こちらを見ずに瞳を閉じたままで
祈りを捧げる肩ぐらいまである黒髪の女性。
リアと同い年か少し上……15.6歳女性。
少女はため息を吐き
「ミカお姉ちゃん!アサミを連れて来たわよ!」
アサミをベットに優しく寝かせ。
ミカと呼ばれた女性はゆっくりと瞳を開ける。
「おぉ〜ジェシカちゃん!久しぶり〜!
アサミも久しぶりだね〜。島の外は楽しかった?」
ミカはアサミの頭を優しく撫で慈しむ。
「……ミカお姉ちゃん。アサミ目が覚めないの……
もう1週間になるの。あたしのせいなのかな?」
金髪の少女は姉と慕う女性に不安を吐露する。
「ん〜?アサミ起きてるよ〜。
アサミ。ジェシカちゃん心配してるよ?それで良いの?」
頭を撫で続けられたアサミはゆっくりと目を開け。
「……おはようママ。お姉ちゃん……リアちゃん。パパも」
「アサミ!アナタ狸寝入りしてたわね!!」
金髪の少女の怒声が響く。
「あ……アサミさん。心配しましたよ。」
リアもアサミに駆け寄り手を握る。
「……アサミ。わたしとパパは島を出る事を
反対しなかったけど、皆に心配かけちゃダメだよ〜。」
「ミカお姉ちゃん!そんな事言うからアサミは間に受けて
島から飛び出したのよ!あたしは絶対反対だったわ!
島の外は危険しかないのよ!」
ジェシカがミカに詰め寄る。ミカはコメ髪を掻きながら
「う〜ん。ジェシカちゃんは島の外を
沢山見て来たけど、アサミの好奇心が勝っちゃったかな?」
全く意に返さずにアハハと笑い飛ばすミカ。




