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GOD HAND  作者: ホムポム
第9章  あなたとの約束
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第181話 道化のしこう


「う〜〜ん。」


廃墟の周りをグルグル回る。

何周しようが悪魔達は姿を現さない。

こちらに気付いていないのか、

虫ケラが這いずり回っているだけと

無視されているのか。後者だろう。


木造の建物。

ニーチェは唸りながら廃墟を念入りに調べる。


「とりあえず……燃やしてみるッス!」


落ち葉や枯木を拾い集め、

丁寧に丁寧に廃墟を燃やせるように組み立てていく。

悪魔達はまだ来ない。


尖った枝を綿毛に刺すよう添え


「オリャァァ!超回転超回転!

必殺ニーチェ大回転ッスよーー!」


キリモミ式であっという間に火種を作る。


「20分ぐらいッスかねかね?我ながら

上出来ッス!」


種火を優しく掴み、酸素を送り

落ち葉に火を移し、火の手を大きく大きく


「育ったッス!術士さん達は

祈っただけで放火出来るとか凄いッスね〜」


松の枝を中心とした骨組みに火を移し。


「ん?待つ必要あるんスかね?」


パチパチと燃え広がる廃墟。

悪魔達が出てくる様子はない。


廃墟は業火に晒されていく


「………………やべ……。これ……って」


大黒柱を炭と化し廃墟は消え去った。


「こ……殺しちゃったッス…………。」


自らの行いに震えが走る。

考えても見ればニーチェが見た悪魔達は

簡単に殺されている。

噂だけが一人歩きして

本当は脆い種族なのかもしれない。


攻撃 極振り、打たれ強さ0の脳筋悪魔だ。


ダーク.ノヴァ曰くエリーと言う名の人間も

悪魔を殺せる力を持っていたそうだ。

ならば……


「龍神様のお手手ちゃんとお目々ちゃんを持つ

あっしが悪魔さんを殺しても

……不思議じゃないッスね。」


自らの眉間を叩きつつまたしても唸る。


「これ大丈夫ッスかねかね〜?…………

切り替えるッス!お前達の死は無駄にしないッスよ!」


パチパチと森を小さく焼き払う光景を

尻目にニーチェはその場を逃げるように走り去った。


このタイミングなら十分に間に合う。

悪魔がいないならアサミちゃんは襲って来ない。


正直、放火したぐらいで死ぬ訳がないとは思うが。

しかし何か変わっているかも知れない。

それを確認する。あわよくば、


「あっしが……ここで決める。」



……………………

………………………………



漆黒のローブで姿を消しながら向かう先。

魔狩人とシェリルのいる斡旋所。


大丈夫。時間はピッタリだ。

これ以上速ければアタシが先に着いていまう。

それはダメだ。アイツがいる。


ダーク.ノヴァ。

アタシに惚れてるセクハラ馬鹿野郎。

小龍の巣では不可抗力とはいえ

時間を戻り過ぎた。


詳細に当たりを付けられていてもおかしくない。

アタシに惚れてるから

アタシの全てを知ろうとする筈。


「まだ……平気ッスよねよね?」


カバンの中にある羽ペンを握りしめ、

呼吸を整え扉を勢い良く開け放つ。



「ウィー!ウィー!ニーチェちゃん登場ッス!」


目の前の広間に居るのは二人。


「ニーチェさん!」


「うげっ!?ニーチェ!」


魔狩人君とシェリル。

いつの間に二人は仲良くなったのだろう?

アタシが知る限りは

シェリルのアタックは尽く空振りをしていたが

遂に実ったのか。


「…………良かったね。」


小さな笑みが溢れる。

魔狩人君はアタシの姿を見るや否や奥へと引っ込み

一生懸命、珈琲をいれ始めた。


いつの間にか上達してる。

まぁ……豆ごと湯を注ぐ男臭い珈琲に比べれば……だが


「どうぞ。魔狩人スペシャルブレンドです。」


変わらない味……毎回同じ味。

それを出せるのは凄い事なのか。

同じ時間だから当たり前なのか……

アタシにはわからない


「……まぁ飲めなくはないッスね。

50点とナデナデをあげちゃうッス。」


特別に加点しておいた。本当なら40点なのだが。



魔狩人君の頭を……そっと……触れ……


強引にワシャワシャと撫でくり回す。



魔狩人君とシェリルと談笑を挟みつつ

頭では別の事を考える。

タイミングを計る。失敗は今までないが



「リア会長ー!カムバーーック!

あっしを一人にしないでくださいさい!」


ポンポンの底から大声をあげた。

この広間に留まらず奥の部屋まで届くように。

五月蠅い声が届くように。


扉が開いた。片眼鏡の男がが姿を現す。

小言を聞き流しつつコッソリと中を覗き、


居た。リア会長とエリザベス王女。

膝の上にエンハンス.ペイン。

少し見えないが奥にもう一人。


いつも通り。

後はシェリルにリア会長がいる事を伝えて、

……クソッ!仕方ないとはいえ

自分の胸を出汁に使うのは心が痛むッス!



早くリア会長と貧乳の良さを語りあいたい。


………………

…………………………


そろそろいいかな?

リア会長がいる部屋へと入り。

すぐさまシェリルがリア会長のフードを外した。


当然おかしくなっている。

…………アレなりにマトモとも言いたいが、

客観的に見たら異常者だ。


そしてエリザベス王女の膝上。


「…………生首がお茶飲んでるッスーー!

怖えぇ!飲んだお茶どこいってるんスかー!?

時空の彼方ッスかー!?此処は呪われてるッス!

呪いの館ッスよ!?」


今回も頼みます。お目々ちゃん!

右目に思いっきり力を入れて

殺すが如く睨みつける…………。

そして……気合の掛け声を一発!


「イ"ェ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"!

頑張ってお目々ちゃん。頑張ってお目々ちゃん。」


更に眼力を強める。今のアタシは

絶対不細工な顔してるけど

コイツを排除する為……やむを得ない!


「あっしも頑張ってるッスよ!ガンバ!」


お目々ちゃんの条件が全くわからない。

多分小龍と悪魔でだけ?

上位種族にだけ発揮されるのか……


龍神様に聞いてみたが

痛い子を見る目で見られただけ。

教えてくれる気がないようだった。


お手手ちゃんは小龍さんを斬り刻んで以来

使えた試しがない。多分、使い切りタイプ。


暫く生首を見つめていると

薄っすらと……姿を消し…………


「ハッハァ!流石はお目々ちゃん!

一昨日来やがれッス!」


今回も無事撃退完了!

……トルコマン相手の時も発動してほしい。



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