↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
183/195

第183話 外の朝


百八十六日目。


直人は目を覚ました。


見慣れない天井ではない。昨夜、自分で戻ってきた学校の部屋だ。


廊下から足音がする。水の入った容器が床を擦り、窓の外では朝日が校庭へ伸びていた。


洗面台へ行くと、高校生が歯を磨いている。


「おはようございます」


「おはよう」


「帰ってきたんですね」


「昨日言っただろ」


高校生は口をすすいだ。


「朝いると、なんか違うなって」


「何が」


「分かんないですけど」


校庭では見張りが交代し、端では洗濯物が揺れている。車の前で森田が箱を確かめていた。


「おう。積んであるぞ」


「あとで見る」


直人は門まで歩いた。


道路の端で空き缶が風に転がる。遠くには一体、歩く影があった。


距離を見て、門の内側へ戻る。


廊下の掲示板には今日の予定がある。


《午前 配送》

《屋上 水確認》

《西棟 窓補修》


配送の欄には、直人の名前が書かれていた。


「おはよう」


美咲が子どもを連れてくる。


「昨日、延長しなかったんだって?」


「うん」


「どうだった?」


直人は少し考えた。


「寝た」


美咲が笑う。


「そりゃそうか」


鍋の蓋が鳴った。湯気が漏れる。


直人は空いた椅子を引く。


高校生が隣へ座った。


「変な感じします?」


「何が?」


「朝、店にいないの」


直人は校庭を見る。誰かが洗濯物を干し直している。子どもが廊下を走り、美咲に呼び止められた。


「別に」


端末を開く。


利用時間の表示はない。


代わりに、午前中の配送先が三件並んでいた。


「できたよ」


器が運ばれてくる。


直人は端末を伏せ、椅子を鍋の方へ寄せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。