82 即落ち3コマ劇場
ちょっと短いです。
次は明日の昼更新です。
カポーン
風呂場特有の擬音が鳴り、もうもうと湯気が立ち上がっている温泉にやってきた。
速攻で頭と体を洗い、いざお湯に。
野郎の風呂の話なぞしても仕方ないので、以下割愛。
全力でお湯に浸かったとだけ言っておこう。
風呂から上がってくると、丁度晩飯が運ばれて来て、テーブルを埋め尽くしている。
「あ、セネカさん長かったですね」
「センパイ、時間ぴったりっスよ。今、帰ってきたトコ見ると、よっぽど風呂に飢えてたんですねえ」
そう。昼ご飯を食べてお腹が落ち着くと、早々に温泉に入り、晩飯まで出て来なかったのである。
それはふやけるまでお湯に浸かりたくなると言う物よ。
のぼせると水風呂に入り、またお湯に入ってを繰り返して、手がふやけて、ようやく出てきた。
地上の民の皆は、そこまでお湯に入っちゃだめだぞ!
ご飯を食べたら、速攻寝る。
そんな風に何事も起こらずに次の街を経て、火山にやってきた。
「あー、あそこですね」
トーリが火口の横にある巣穴で寝ている竜を指した。
竜は巣穴で「グルル……」と低い声を出しながら寝ている。しかし、観察しているオレ達に気が付いたのか、「ウォォォォォン!」と超音波のような衝撃を出しながら、大きな口を開けた。
「『デヴァイン・ドメイン 』」
これで衝撃や暑さから身を守れる。シールドはあくまでも攻撃に対する防御なので、暑さに対する防御は副次的な物だ。よって暑さが和らぐ、という程度である。
「なるべく手早く済まそうぜ、流石に暑い」
「もう、汗臭くなっちゃうっスよ。本当に早くして欲しいっス」
シシリアは弓を置いて、スティックを取り出す。何故弓を選択したのかは謎だが、シシリアの本分は、実は魔法だ。
「それじゃあ、いくっスよ!」
「『アイシクル・ダンス』!!」
氷の槍が辺り一面に浮いているそれが、ゆらっと踊ると、爆撃のようにそこここで爆発する。
「『ノモス・ドーリン』!!」
槍が天から雨のように降る。
逃げ場が無くなるように魔法で攻撃をする。
枷を外した魔法は、呪文が地上の民と同じでも、オレ達が使う方がずっと威力が有る。その魔法は、手加減しても、それだけで竜の動きを鈍らせた。
グワァァァァァァ!
竜がブレスの為に息を吸いこもうとするが、その前にトーリが竜に向かって走り出す。
「よっしゃああああああ!」
トーリが天にも届かんとする跳躍をした。そした気合一閃。
「天衝閃斬!!」
技名を詠唱すると、重力に逆らうように、縦一文字に切った。
竜のブレスは空を突き抜け、雲に大きく穴を開けた。
ギュオ……!?
竜が碌に叫び声も上げられずに絶命する。
ドォンンッと勢いを上げて、その巨体を横たえた。
多分、切られた認識すら無かっただろう。
「やったー!」
トーリはご機嫌で剣を掲げながら、くるくる回っている。
「ちょ、何なんですか、今の!? 即落ち3コマみたいな感じだったっスよ!?」
それには同意だ。オレ達何もしてないんじゃないか?
「はっはっ! 動き鈍らせてくれたら十分ですって!」
そこで、オレはもう一つの可能性に気が付いてしまった。
「まさか、コイツは無実の竜じゃないよな?」
「やだなー、セネカさん。ちゃんと人食いの竜ですって!」
そ、そうか。罪なき竜が倒されたので無ければ良かった。流石に罪なき者を遠足感覚で切られたら堕天である。オレ達もこいつを庇えないし、オレ達にも罰が下る。
良かった……のか?
カラカラと笑うトーリは、こちらを見て一言。
「この剣、記念にいります?」
観光地のお土産か!! ……すっごく要らない
ちなみに、作者は〇光で木刀とアクセサリー買いましたけどね。
あれには、浪漫が詰まってるんですよ。




