57 幕間2
女子会です
短いのでもお昼更新予定です。
「ねぇ、リア、セネカさんと付き合ってるの?」
「ぶっはっっ」
突然のパティの発言に、シシリアはレモンティーが器官に入って、盛大にむせた。
「もー、センパイ後輩の仲だって言ってるでしょ!」
「でも、一緒に居るの結構見る……」
「ウィリスまで!」
「いやー、私のよく行く雑貨屋さんのお姉さんが、セネカさんの事いいなーって言ってたよ。パーティー組んでる私の事が羨ましいって」
パティがポニーテイルを揺らしながら小首を傾げる。
シシリアの脳がちょっと宇宙へ行ってしまい、復帰に時間がかかった。天界の人間と地上の人間が心を通わせた例が無い訳では無いが、原則は禁止だ。
「センパイは、故郷ではちょっといい所の出だから、こっちでの恋愛は無理かな……」
セネカは一応は公務員だ。世間一般的に見て恵まれていると言えよう。中身を見ると、とてもでは無いが、ホワイトとは言いがたいが……。
「何だぁ。教会でもたまに見るって噂だから、会えるとラッキー的な話もあるよ。宗教画みたいで奇麗だって、目の保養で女性に超人気」
カフェオレを飲んでいるパティのストローの先から、ポタポタと水滴が落ちる。
UMAか!
シシリアは心の中で、盛大に突っ込む。
「でも、やっぱり恰好良いしなー、同じパーティーでもドキドキしちゃうよ。指示も的確だし」
「頼りになる……」
しかし、二人に恋愛的な意味は無い。
芸能人が近くに居るような、非日常的な気分を味わっているだけである。
確かに、低レベル帯の頃のおっかなびっくりだった旅よりも、今のパーティーは断然バランスが取れている。且つ、女の子に絶対手を出してこないのが良い。アイクも信用しているが、仮に、そういう人だとしてもセネカの手前、手を出しようも無い。そもそも、元のパーティーがハーレムパーティーが原因で出て来たので、そういう気にすらならないだろう。
要するに、今のパーティーはベストでラッキーだ。これ以上、どこかから人を探してきても、今ほどのパーティーバランスにはならないだろう。
端的に言うと、今のパーティーをシシリアは気に入っている。セネカを確保した利益は計り知れない。セネカ自体が他のパーティーに混じる事は難しいだろうが、他に取られる事が無かったのは僥倖だ。
「それにしても、セネカさんって何者? 冒険者にも教会でも解決出来ない問題を解決しちゃうなんて」
パティがストローのぐしゃっと潰した紙ごみに水滴を垂らして、うにょうにょする様を見ながら聞いてくる。ウィリスも追随して質問をしてくる。
「少なくとも魔法使いの魔法とも違うし、教会の人が出来なかったって事は、聖魔法とも違うんだよね?」
「うーんんんん~……」
苦しい。とても苦しい。シシリアには、この質問に対する回答を持ちあわせていなかった。
「数年離れてたから、その間に何が有ったか、私も知らないんだよねぇ。センパイ秘密主義だし」
こう言うしかない。
そもそも、顔見知りでは有るが、一緒に飲みに行ったり、サシで食事に行った事は無い。精々が部署飲みくらいだ。武芸の大会などで優勝したことが有るらしいと聞いて事が有るが、仕事がきつくなってから名前を聞く事は無くなった。輪廻転生課も、もっと人員を増やすべきである。
「そっかー、まあ彼女じゃないなら何でも知ってる訳は無いかー」
「そういう事」
パティがぐいっと伸びをするのに、合わせて頷いておく。
しかし、とシシリアは思う。
天界の人間は、目立ってしまうものだ。自分も目立つが、女子の冒険者と言うだけで目立つのは100も承知している。しかし、セネカの容貌で冒険者と言うのは目立ちまくりである。
冒険者の男と言うのは多少汚れているが、ウィリスが水の魔法を出してくれると言う事も有って、髪はともかくとして、顔が汚れているのはあまり見ない。流石に埃っぽいのは、どうしようもないが……。
顔を洗うだけで、受ける印象はかなり違うものだ。
アイクも同じ程度には奇麗にしているが、前衛なので自然と汚れてしまうので、比べるのも酷な事だろう。
「まあ、うちらはこのまま普通にしてればいいって事!」
シシリアは、強引にそう締める。
クエストも有る程度選べるレベルになってきた事だし、今後に期待だ。




