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天界からバカンスで降りて来たオレ、チートな冒険者になって世界を満喫します!~バカンス先なのに、何故か後輩がいるのですが~  作者: 夢咲みやと


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26/32

26 とりあえず爆発

お昼の他に、更新できる時は他の時間もします。(固定はお昼です)

 結局、スピネルスネークは何も落とさず、収穫が有ったのは匂いだけという始末であった。しかし、この階層って生垣のような木ばかりで、進んでいるのか進んでいないのか全く分からない。

 

 しかし、幸いな事に直線系なので、マッピング自体はしやすい。……合ってたらだけど。


 その後、結構な回数を戦闘したが、一向に何も落とさないし宝箱にも行きあたらない。


「シシリア、本当に8階層なのか?」


「センパイ、私を疑うんですか? ちゃんとギルドで聞き込みしましたよ!」


 何やら、だだっこのようにジタバタしているが、それは見ない事にする。大人げないよ。


「うーーーーーん……」


 しばらく歩きながらマッピングしていると、足元の葉がカサカサ揺れた。しかし、木がざわざわするだけで、敵が見えない。全員戦闘体勢をとった所で、目の前の木が、ミシミシと立ち上がった。


 木が膝を曲げるように地面から根を出し、二足歩行のモンスターへと変化する。擬態してたのか。

 周りにも似たようなモンスターが居るかと思って見まわすが、どうやらこの一体だけだったようだ。


 敵は枝を手のように動かして、こちらを絡めとろうとしてくる。ぐわぁと口を開けているので食べる気だろうか。オレは思わずぶるりとする。この木の養分になるのはごめんだ。


 バックステップをしながらウィリスへ指示を出す。


「ウィリス、サーチ」


「『サーチ』!

 ・木人 レベル13

  耐火 耐物理です」


 覚悟はしていたけれど、このフロアに来たばかりの時に、木が自己修復して火も効かなかった事からして、予想通りでも有る。しかし、弱点が出ないとなるな……。


 オレも一応魔法を唱えておくか。


『ブレッシング・アイズ』

 サーチ魔法の上位互換だ。本来なら、何事も無ければウィリスにさせるんだが、分からない事にはな。


・木人 レベル13

 耐火 耐物理 弱点・風魔法


 流石に本人のレベルより上は看破出来なかったか。


「ウィリス、風魔法撃ってくれ。木だから水も雷も効かなさそうだ」


「はい、ウ、『ウィンド』!」


 ウィリスは木人に向けて、風魔法を撃った。やはり、レベルに対して威力が強い。本来は風が巻き上がって渦を立てるくらいなのだが、ウィリスが唱えたウィンドは、幹を巻き込んで幹まで切り刻んでいる。


「やっぱりだ、ウィリス、付与魔法!」


「『エンチャント・ウィンド』!」


 風を纏ったオレとパティの武器が、木人が腕のように使っている枝に切りつける。


 ザンッ!!


 と音がして幹が丸裸になるが、すぐに葉に覆われてしまう。


「うそっ!?」


 完全復活したように見える。

 見えるが。


 枝の一部が綻んで見えた。


 どうやら100%物理が効かないという訳でもないらしい。


「効いてない訳じゃないぞ!一点集中で攻撃と魔法でダメージを与え続けろ!」


「「はい!」」


 しばし攻撃し始めたが、再生スピードに対して物理も魔法も弱い。これじゃジリ貧だ。


「はいはーい、敵から離れて離れて」


 後ろからシシリアの呑気な声がした。お前の武器は弓だからこいつには効かないだろ!?


「ほい」


 シシリアが投げた何かが、オレの頭上を飛んで行った。それが地面にぶつかった所で、音と光と足元の揺れで一瞬目を瞑る。


 それが収まってから木人の方を見ると、体……らしき幹がなぎ倒されて、ひっくり返っていた。


「……何をしたんだ?」


 オレの質問に、シシリアはあっけらかんと答える。


()()()()()()()()()んです。体を支える地面が無いとなれば、立っていられないでしょ?周りに燃え移らないから出来た事ですけどー」


 木人は起き上がれずにジタバタとしている。それが虫の足の様で若干怖くなるが、見ない事にする。


「ウィリス、今の状態で根を燃やせるか?」


「はい、や、やってみます」


 ウィリスは焦点を根に定める。


「ファイアー!!」


 ちょろっと種火でも付いたかのように見えたが、それは他の根に広がって行った。

 

 ぷすぷすとした音が止んで動かなくなるまで待っていると、木人は燃え尽きて、通路をショートカット出来るようになっていた。幹と生垣の隙間を歩いて行くと、全く木が生えていないエリアに出て、唖然とする。


 それは、単に迷路が途切れたという事では無く、フロアの中心であろう場所に、大人が10人手を繋いでも手が届かない程の太い幹を持った、広く枝を広げた木が見えた。


「わーい、お宝ありますかねえ!?」


 シシリアが止める間もなく、大木の方へ走って行く。周りに怪しい影も無いので、のんびり着いて行くと、追い付く頃には3人がきゃっきゃと喜んでいた。


「センパイ、これ! これ!!」


 両手の手のひらに乗るほどの宝箱を差し出してくる。


「幹のところに落ちてたんです! これってもしかするともしかしますよね!!」


 そうして、こちらへ当たり前に差し出してくる。オレ、シーフじゃないんだが。


 針金を突っ込んで開けるフリをして呪文を唱える。


『アンロック』


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