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天界からバカンスで降りて来たオレ、冒険者になって世界を満喫します!~バカンス先なのに、何故か後輩がいるのですが~  作者: 夢咲みやと


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18/29

18 非・ハーレムパーティー

明日はお昼です。

 おはよう朝日。陽がようやく昇って来た頃に三人は集合場所にやってきた。


「あれ? センパイ早いですね」


 只今、時刻は20分前。早目に着いておかないと、体裁が悪いからね。


「男はそんなに準備に時間かからないからなー。そりゃ、そっちより早くもなるでしょうとも」


 ただの偏見である。身だしなみに気を使いまくっている男も、いるっちゃいる。

 ーーーーオレがその部類に居ないだけであって。身ぎれいにして清潔にしていれば良いだけだと思っているのだが、どうなんだ。


「働いてた時とは顔つきが違いますね!」


 そりゃ、死にそうな業務の量だったからな。


 って言うか、おい、一緒に働てたって言っていいのか。


「え、リアちゃん働いてたの……?」


 案の定パティから質問が帰って来る。


「えー…あ! バイト! バイトだよ、カフェの!」


 シシリアは、こっちへ「上手く言わないと殺す」と言うような目で見てくる。

 そんな目をしてくるのなら、ウッカリ発言をするなと言いたい。


「そうだよ。それで先輩、後輩って仲な訳だ」


 オレは適当に誤魔化す。


「そうなんだ、知り合いって言う割に親しそうだって思ったけど、バイト仲間だったんだね、それなら仲が良いのも納得」


「うん、オーナーが結構良い人で! 店内の雰囲気も良かったの」


 雰囲気……大抵の人間は目の下にクマが出来てたぞ。仲が良くも悪くも、なりようが無かったと言うか。

 ーーーその為のリフレッシュ休暇か。天界の人間だと言え、魂がすり減れば輪廻の輪に帰ってしまうからな。


 それはそれとして、わざわざ訂正する必要も無い。この設定を忘れないようにしよう。


「ね、セ・ン・パ・イ?」


 シシリアは肘で『ドゴッ』と鳩尾を殴って来る。痛い痛い!


「お、おう、結構助け合ってたぞ」


 何せ、助け合わないと一向に仕事が終わらないからな。連帯感も生まれると言う物である。


「それじゃあ、馬車に乗るか」


 オレがバッと馬車に飛び乗ると、パティとウィリスがまごまごしていて、シシリアはと見ると、ぷぅと頬を膨らませている。


「あ……」


 荷台まで高さが有るから、飛び乗るのに躊躇してるのか。冒険者で鍛えているから筋力上は問題無いとは言え、大股で乗るからな。


 オレが手を出して捕まる様に促すと、最初にパティが、次にウィリスが手に掴まって脇を支えながら乗り込ませる。


「ちょっとちょっと、センパイ、私は!?」


「え。シシリアは、支えいらんくない?」


 オレが本気で訳が分からなくて聞き返すと、シシリアは地団太を踏んで悔しがる。


「そりゃ出来ますけど! 出来ますけど!! 差別しないで下さい!」


 えー……出来るんならいいじゃん……と思ったけど、端から見たら依怙贔屓みたいに見えるか。仕方ない、オレは世間体を取る事にした。


「ホレ」


「わぁい」


 思ったとおりに、ちょっと手を引いただけでヒラリと荷台に乗って来る。オレはため息を吐いて、馬車の椅子に座る事にした。


「オイ、お前って『火炎の蕾』のパーティーメンバーなの?」


 椅子に座ると、横の男が聞こえるか聞こえないかの声でオレに話しかけて来た。


「『火炎の蕾』?」


「おい、シシリアちゃん達のパーティー名だぞ! 何でそんなに無関心なんだよ。って言うか、この間パーティーメンバー追放したって聞いたぞ? 何で男が一緒に居るんだ?」


 質問攻めである。しかし、シシリアのパーティーが男を追放したって言うのは有名なのか。しかも、パーティー名は初めて聞いたわ。


「シシリアと故郷が一緒だから、たまたまだな。オレは一時的だし」


「ほー」


 女子だらけのパーティーという事も有り、やはり有名なんだな。ハーレムパーティーに見えないように、用事済んだらサッサと抜けよう。


 でも、これで抜けたら追放者ナンバー2に見られるんじゃないか?

 オレはむむむっと唸ると、帰った後の事を考えて憂鬱になった。


「へぇー、どちらにしろ羨ましいよ」


 そう言って男は前に向き直った。

 三人は、小声でキャッキャウフフしながら話に花を咲かせている。


 確かに一般的に羨ましいパーティー構成かねぇ。

 せいぜい妬まれないように気を付けよう。


 一晩馬車の揺れと尻の痛みに耐えると、目標のダンジョンに着く。


「うぅあーーっ」


 馬車から降りると、伸びをしながら関節をバキバキといわせる。

 女子の方はと見ればストレッチをしていて、オレほどダメージを受けてい無さそうだったので、体力の低下を感じた。近場ならともかく、遠出すると、毎日モニターと向かい合っていて体がなまっているのがバレそうだ。


 これでは、フォローするどころかされてしまう立場になってしまう。戻ったら体力作りしないと、冒険者として致命的だな。


 ま、まあ、シシリア達もレベル10だし、そこまでハードなダンジョンへは行かないだろう。

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