12 芋虫大行進
次は、出来れば明日の7時、無理な場合は12時になります。
今日は真面目に依頼をこなすぞ。オレは心の中で拳を握った。前回は碌でもないパーティーでおもんない結果になってしまった。少しでも面白い所が有れば良かったけど、笑える事が無かった……。
分裂してしまえ。
唯一の救いはレベルが上がった事か。
Fランク
レベル5→6
スキル
・ファースト・エイド
・ヒール
・ファイアー
・クリーン
・ガード
ギルドの依頼ボードとにらめっこして、冒険者証と見比べながらモヤモヤしていると、後ろから声がかかる。
「あれ、センパイじゃないですか」
後ろから声をかけて来たのは、天界での後輩、シシリアだった。
「自分、親しく話しかけてくるなって言って無かったっけ?」
「そんな事言ってましたっけ? それはともかく困ってまして」
小声とは言え人前なので、猫かぶりした様子で話しかけてくる。
「ちょっとアイテム狙ってるダンジョンが有るんですけど、うちクレリックが居なくて……この間までは居たんですけど、ハーレム思考だったんで追放したんですよね」
「それはそれは……」
「そんな訳で、ウチの子達も男性を怖がってるし、センパイなら絶対地上の民に手を出さないと信じてるんで助けてくれません?」
そりゃ、出さないけどさぁ、出さないけど! 妙な信じ方されてるな。
「そっち、レベルいくつだっけ?」
「10です」
レベル6がレベル10に付いて行くと、流石に寄生扱いされる。流石にそれは格好つかない。
「せめて8まで待ってくれん? いくら何でもパワーレベリングが過ぎる」
「あ、センパイの場合、レベルとか宛てにならないから忘れてました」
「せめて1週間待ってくれ、レベル上げとくから」
「リョーカイです、連絡はここの宿屋までお願いします」
オレは宿屋の名前が書かれた紙を受け取る。
「一応、頑張るわ」
今度は依頼ボードに真剣に向き合うと、常設依頼で割の良さそうなものを片っ端から取っていき、受付に持って行く。
「ルドヴィカさん、こんにちは。随分依頼を受けるんですね?」
「ちょっと、急にレベルを上げる必要が出てな」
「そうなんですか。レベルも6ですし、街の近くの依頼でしたら大体大丈夫だと思いますよ。ダンジョンにさえ潜らなければ」
ほほう、良い事を聞いた。それはダンジョンに入れば、逆にレベル上げには丁度良いと言う訳だ。
「気を付ける」
そう言って、オレは依頼を受ける。
少し行った森の境目の小さいウルフである、ホビット・ウルフの毛皮5枚。
草原から少し入った森の、巨大芋虫のキャタピラの角5個。
この間オレが倒した、イノシシであるレッド・ボアの毛皮と同じくボアの肉一体。
この依頼を受けて この依頼を受けて、更にダンジョンに潜れば、速攻でランクもレベル上がるだろう。
まずは荷物にならないキャラピラの角を取ってから、ホビットウルフの毛皮だな。
ボアは重いので、他の依頼と一緒にこなすのは無理だな。
二日に分けよう。
まずは嵩張らない方のキャタピラーからだ。出現場所に着くと、ギルドから借りて来た、虫を寄せる笛を懐から出した。
この笛の音はモンスターが嫌う音で、興奮して出てくるそうだ。オレがソロなので、窓口では散々止められたが、浅い所で使うと約束して借りて来た。
仕舞いには、危うくギルド長を呼ばれそうになって焦ったぜ。
ギルドとしては、無茶ばかりしているように見えるオレみたいなヤツは、死に急いでいるように見えてギルドとしては、外聞が悪くなるからかも知れん。
一応、死とは対極に居る存在のつもりなんだが。
しかし、レベルアップの仕方を見ると、無理からぬ事かも知れない。
準備が出来たのでギルドで借りて来た笛を吹ーーーーく前に、吹き口を洗浄する。誰が吹いたか分からないものをそのまま使用するのはちょっと嫌だ。
「クリーン、クリーン、クリーン、クリーン」
こんなものか。これでもかと洗浄して水気を拭きとった後、今度こそ吹く。
人間には聞き取りづらい、「ピー」というよりは、「キーン」と聞こえる音が、辺りに響き渡る。
そうすると、普段は緑であるらしい体は、警戒色で毒々しい赤にさせた芋虫が6匹出て来た。角をゆらゆらゆらし、完全に戦闘態勢である。
やらいでか、こっちも既に戦闘態勢である。
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