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シナリオ『飛ぶ鳥を落として』②


「しゃがんで。見つけた」


草原を歩くこと約七分。

意外と近くにやつはいた。止まっている木の根に幼女の母親らしき人が転がされている。

見つけた瞬間に幼女に声を掛けると、素直にしゃがんでくれた。偉いね。


「ツクヨミ、牽制できる?」

「無理だ。レイピアホークのほうが我よりも速い。飛び出した瞬間にバレる」

「オーケー。ありがと。なら『レイピアホークよ、視界を閉ざせ』」


言霊が起動し、ほんの数瞬だが鳥の視界を奪う。

ツクヨミが飛び出し、母親を確保して安全な場所に引き剥がし、代わりに私が前に出る。


「キュルル!!」


視界を取り戻したレイピアホークが怒りの声を上げ、翼を大きく広げる。

その羽根は通常のレイピアホークのような羽毛ではなく、鉄のように硬質化した、まるで鎧だった。

目を凝らして見れば、鉤爪もより鋭く固く変化していて、今までの個体ではないと瞬時に理解する。


「『ブレイズ・インダクション』!来い!」


新作武器【反逆の獣剣】を取り出し、横薙ぎに振るう。

すると斬撃の軌跡から虹色の炎が溢れ出し、レイピアホークの目を引く。

インダクションシールドを使った複合スキル。優秀そうで良かった。


「キュルルラァ!!」


爛々とレイピアホークは目を輝かせ、炎に突進。

当然、炎に触れると


「キュル!?!?」


バァン!と爆音が響き、レイピアホークの翼とくちばしを焦がす。


「バカね!!かかったな!!」


【反逆の獣剣】は【神聖】属性の長剣で、片手剣スキルと大剣スキルを同時に扱えるサイズで作ってみたの。その分片手剣より振りは遅いし、大剣よりも攻撃力は低いけどね。


「『獣爪撃』!」


一気に距離を詰め、刃を振り上げる。

するとスキルの効果が発動し、斬撃が3つとなってレイピアホークを襲う。


「キュァァァ!!」


ガキンと鉄にぶつかったような音が響き、レイピアホークは少しバランスを崩す。

硬った!?なんでこんなに硬いの!?

鳥がバランスを崩した隙を見逃さず、魔術を起動する。


「『彼方に堕ちよ、我は執行者、世を暗い仄底で包み給え』【黒炎(ノワール)】!」


私の手元に泥のような黒色の炎が顕現し、レイピアホークに向かって飛び立つ。

それが触れた瞬間、レイピアホークが黒く染まる。

比喩ではない。そこに闇があるかのように『黒』は存在していた。


「gyajiaheushau!?!?!?!?!?!」


もはや断末魔とも言えぬ声を上げ、レイピアホークは地に落ちる。

といえども闇が静かにに落ちるだけだった。


とどめを刺そうと手を伸ばし、殺そうと刃を振り上げる。


「バイバイ。」


振り抜こうとした瞬間、暴風が吹き荒れた。

闇が吹き飛び、代わりに緑風を纏う。

そしてシステム音声も同時に鳴り響く


『特殊条件、特殊な魔術を受けて瀕死になる、風属性に適正があるを達成しました。レイピアホーク亜種は特殊進化します。』


とっても絶望的なニュース。ただでさえ厄介そうだったのに!!


そうして暴風の繭は開かれた。

レイピアホークの進化です。何が出るかな?

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