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異界の欠陥魔法師  作者: 木崎 咲
六章 紅き都市の城
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五十七話 お城探索

大遅刻ですごめんなさい!


全くもって間に合いませんでした。


しかも、短めです。重ねて謝ります。すみませんでした。

 リリィが魔王の娘。それを知ったミカは今すぐここから逃げたくなった。リリィを守れなかったどころか結構自由に扱っていたと知られたら、魔王の性格いかんによっては、殺されてしまう。


 リリィの親が魔王でなかったとしても魔族は人間に敵対している種族なのだからリリィの親に殺されるだろう。と思うかもしれないが、『貴族』という単語から戦闘が苦手な魔族だと思いこみ『護衛が襲ってくるかもしれないが、足手まといのいる護衛から逃げるだけならなんとかなる』と考えていた。神月流は撤退を苦手としているが数人程度なら大丈夫だろうと。


 そもそも、『魔族の貴族』が戦えないというところから勘違いなのだが。


 しかし、それが王となると話は変わる。


 国を支える存在だ。護衛が弱い何てことは無いだろう。それに、王、つまり王政ということは命令一つで処刑が簡単に行える。逃げても軍等が出てくる可能性がある。そうなればミカの、正確には個人の技量では死一直線だ。


 もうなりふり構わず逃げたいというのがミカの偽らざる本音である。


 だが、既に逃げるという手は目の前のエルフに禁止されている。屋上にいるエルフの仲間がミカ達を狙撃拘禁しているのだ。


 日本人なら誰もが知っている。


 ―――魔王からは逃げられない。


「玉座の間は最上階にある。そこへ行け。話は以上だ」


 エルフはミカ達への興味を失ったかのように無視して片付けを始める。


 その音でミカの思考が現実に戻ってきた。


「・・・わかりました。すでに行くしかない状態に追い込まれているので逃げるのは諦めます。それで、玉座の間へはどのように向かえば?」


「・・・」


 ミカは深いため息を吐きたいのをこらえて目の前のエルフに問いかける。が、エルフは何も答えない。ただ淡々とコップを洗っている。


「僕たちの所持品は?あなた側の目的は?」


「・・・」


「無視ですかそうですか」


 ミカはほかにも聞きたいことがあったがエルフの態度を見て諦める。問いかけても無視をするその態度にイラつかなかったと言えば嘘になるがため息を吐くだけでこらえる。


 今回わかったのは玉座の間が上にあること。第三勢力があること。そして、その第三勢力のボスはリリィの父であり、リリィはすでにその父のもとに行っているであろうことだ。


 最後のは予想だが、リリィが無事でなかったら『娘を助けた(・・・)』にならないだろう。少ないが何も情報がないよりはましだ。


 と、その時の会話を思い出したミカは首をかしげる。


「ん?今の主には従っていない?現魔王がリリィのお父さんでそれに従っているはずのエルフが今の城の主、今の魔王に従っていない?んん?」


 エルフの言葉がおかしいのだ。このことは結構重要だと思ったミカは顎に手を当てて考え込む。


「・・・ご、ご主人様」


 タマモのどこか怯えたような声。それとほとんど同時にミカは目を開ける。


「あ、もしかして―――」


 目が合った。


「・・・」


「・・・」


 地面と。


 正確には木製の床板にあるなんか気味の悪い瞳と。


「・・・」


 その瞳、いや、眼球といったほうがいいかもしれないが。とにかくそれはミカ達をじっと見ていた。大きさは直径二メートルちょいといったところか。黒目の部分だけで人が寝転がれそうな大きさだ。


(んん?)


 そこまで認識してミカは内心で首をかしげる。ちょっと現実が理解できない。


 そのままたっぷり三秒近く見つめあう。


 その眼球には瞼のようなものはなくただただミカ達をその視界に収めている。絵みたいに床に平面に広がっているのだが、平面なのに肉感があるような光沢を放っている。


 すぅ~、とミカが視線を逸らす。吸い込まれそうで気味が悪かったのだ。


「…っ」


 顔が引きつるのを止められなかった。


 視線を逸らした先、その壁にも同じ瞳があった。


「いつまでここにいるつもりだ?」


 声のほうを見ればエルフが睨んできていた。この眼球はこのエルフと関係があるようだ。


 ミカは引きつった表情を浮かべたままつい思ったことを口にする。


「もしかしてせっかちなんですか?」


 直後、無数の太い植物の根のようなものが襲ってきた。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「し、死ぬかと思いました」


「でも、おかげで一時的に動きやすくなった。まぁ、今は警備が厳重になってるから収支だとマイナスなんだけど」


 ミカ達はエルフの部屋が破壊された音で集まってきた警備の魔族たちを隣の部屋に入ることでやり過ごし、その視線がエルフの部屋に固定されている間に窓から外に出てまた別の窓から侵入したのだ。普通に開いていたことからやはり換気のためだろう。


 入った部屋に誰もいなかったのは運が良かっただけだ。選ぶ余裕などなかった。


「さて、まずは階段を探さないと」


「最上階・・・ここ、何階まであるんでしょう?」


「・・・デカいよねー。エレベーターないかなぁ」


 タマモの問いにミカのやる気が少々そがれる。が、いつまでもここにいるわけにはいかない。


「ん~~~しっ!」


 一度体を伸ばして気持ちを切り替える。


「タマモ。ここからは索敵が大切だからよろしく」


「はい!」


 当たり前のように帰ってきた返事に少々心配になる。


「本当にわかってる?見つかったら仲間呼ばれてアウトだからね?」


「一回でもですか?」


「もち。相手に気づかれる前に気絶させるのも手だけど。これは正直難しいし」


「が、頑張ります」


 タマモは少し緊張した面持ちになった。ちょっと言い過ぎたかな?と別の方向に心配をしながらミカ達は玉座の間を目指して行動を開始した。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 明りのない真っ暗な洞窟。一寸先も見えないような闇の中三人分の足音が響く。


「こんな道が・・・」


 リリィがきょろきょろと周りを見ながら言う。闇になれたから見えている、というわけではなく、暗視の魔法によってこの暗闇でも周囲を見えるようにしているのだ。闇属性魔法が扱えるのであればこのくらいは簡単にできる。


「ここは代々の魔王様しか知らない隠し通路の一つらしいわ。リリィもここがどことどこに繋がっているのか覚えておいた方が良いかもしれないわね」


 ククルは優しい口調で言う。彼女は普段リリィにこのような口調で話している。先ほどまでの堅い口調は仕事の一部だったからだ。


 ちなみに彼女は闇属性の魔法で視界を確保しているわけではないはずなのだが普通に歩いている。


「やはりそういう通路は必須なのか?」


「全てに勝利すればよいと余も思うが、物事に絶対はない。ここはもしものためのものだ」


 リリィの問いに答えたのは三歩ほど前方を歩いている魔王、いや今は元・魔王ラーグだ。


 本来なら守られるべきはずの存在だが、彼は当たり前のように先頭を歩いている。リリィとククルも特に疑問を持っている様子はない。


「ここだ。ククル」


 何も無いところでラーグが立ち止まり、ククルに呼び掛ける。


「はい」


 一言。それだけで景色が変わる。


 と言ってもそこまで大きな変化ではない。通路の壁に扉が現れた位だ。


 周りを見れば他にも同じような扉が現れているのだが、突然近くに現れた扉に驚いていたリリィは気がつかなかった。


 その扉にラーグが手をかけ押し開ける。しばらく使われていなかったからであろうか、扉はガギギギッと不快感を感じさせる音を響かせた。


「魔王様。この扉の点検を最後に行ったのは何時ですか?」


「余は行ったこと無いな」


「・・・今度手入れを行っておきます」


 ククルはため息を堪えるようにして話しながら魔王と共にその扉を潜って行く。


「・・・覚えても見つけられんではないか」


 リリィがそう愚痴りながら少し遅れて扉を潜る。すると誰も触れていないのに扉が再度けたたましい音を響かせて閉じていく。完全に閉じる直前、すべての扉が見えなくなった。


 普通なら響くであろう扉の閉じる音がこの通路に響くことはなかった。



 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 カシャン。カシャン。カシャン。…カシャン……カシャン。・・・。


 ミカの耳には何も聞こえないほど離れたようだがまだ出ない。


「・・・・・・大丈夫です」


「…了解」


 タマモが言うと同時に音もなく飛び出す。


 それにくっつくようにしてミカも走る。残念ながら、タマモのようにほとんど無音でダッシュするなどという芸当はできないので足音が少々響いている。


 現在地は既に最上階だと思われる。


 速いと思うかもしれないが、階段は日本のビルやマンションのように一ヶ所から上るようになっていたのだ。


 しかも、階段は階と階の間に広場があり、そこをUターンする形で上っていくという形のもの。そのため上からは下の階が見えないようになっている。


 見張りも三階と四階の間の広場にいた一人しか居なかった。


 その魔族は現在眠っている。魔法で加速したミカによる砲弾のような跳び膝蹴りで呻いている隙にタマモが腹部を全力で殴り付けるという方法で。


 また、階毎に通路へと出るであろう扉があり、最上階ではその通路側に警備が居たことから恐らくその扉毎に警備がいたのだろう。が、こちらは警備を見直すべきだと思う。


 タマモが『扉の前に居ます』と囁き、速攻で片付ける為に作戦まで考えて準備をしたというのに、力を込めて扉を開けた瞬間に警備は扉と壁に挟まれるようにして気絶したのだ。


 肩透かしにも程がある。


「というか、最上階の警備(たる)みすぎじゃない?一階の方が厳しかった気がするんだけど」


「そうですね。巡回兵も少ない、というか二人しか居ません。ここまで来ることを想定していないって感じですね」


「はぁ~。バカなのかね?」


 王のいる玉座の間を守らずしてどこを守ると言うのか。


(いや、王が常に玉座の間にいる訳じゃないか。自室のあるエリアとかが厳しいのかも?)


 そんなことを考えている間に次のT字路に差し掛かった。


 ミカ達は一度立ち止まり、左右を見渡す。すぐに左の道を選び再度移動を開始する。


 迷わず左を選んだのに理由はない。強いて言えば勘だ。玉座の間がどこにあるのかわからない為勘しかないのだ。


 それから数分。


「見つけました」


 ミカ達は大きな扉の前に到着した。見張りは居ない。


「他とは違う扉です」


 ミカ達は部屋の情報が最上階にあることしか知らないためそもそもどの扉が玉座の間のものか分からなかった。


『玉座の間、何て言う仰々しい場所なんだから扉から普通とは違うはず。明らかに他とは違う扉を探そう』


 階段を上っている途中で最上階に他の部屋がある可能性を考えていなかったミカ達はとりあえずそう決めて行動していたのだ。


 階段にいる警備の数が分からなかった時点だったため仕方ないとは思っているのだが、あの警備から話を聞かなかったことが悔やまれる。


「さて、ここは玉座か否か」


 ミカは内心で玉座だったらいいなーという思いと玉座に行きたくないなーという思い、全く逆の二つの事を願いながら扉に手をつける。


 前者はここでの用事を早く終わらせたいという思いから。


 後者は単純に魔王であるリリィの父に合うのが怖いから。


 ミカは腕に力を込める。カチャ、と小さな音だけを鳴らして扉が開く。


 その先にあったものは―――



内容もちょっと雑ですよね。ごめんなさい。


今後は不定期更新になると思います。リアルが忙しくなってしまいました(泣)


本当にすみません。

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