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異界の欠陥魔法師  作者: 木崎 咲
六章 紅き都市の城
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五十六話:衝撃の事実

何とか間に合いました。


できた瞬間の即投稿です。


誤字脱字があったらごめんなさい。


以下雑談。


fategoではまさかのグダグダ続編の情報が出ました。そしてCCCコラボの情報も。


楽しみです。


え?ギリギリになった理由?・・・いいじゃろ~間に合ったんじゃから~

(新しく買ったゲームとfategoやりまくってたからです!ごめんなさい‼)

 矢に急かされること約一時間。途中で真横に落ちていたトマトのような物を正確に射抜かれ、破裂する瞬間を見せつけられる等の恐怖体験があったがミカ達は無事に魔王城の近くに隠れる事に成功していた。


 魔王城の門は巨人でもいるのかと思わせるほどに巨大で、その両端に見張りが二人いる。どちらも耳が尖っているがエルフではない。一目で分かる。


 身長約3メートル。がっしりした体型。と、既にエルフではないと分かる要素たっぷりだが、何より特徴的なのは大きな一つ目だ。サイクロプスという空想上の生物に近い外見をしている。


 そんなサイクロプス(仮)が二人、素手だが、両腕を組んで仁王立ちのように門の両端に立っているのだ。


 正直、威圧感が半端ない。


 そんな彼らに向けてエルフが二人駆け寄っていく。ミカには分からなかったがタマモ曰くミカ達が捕まっていた牢の見張りとは別人(別エルフ?)らしい。


「見つけたか?」


「いや、まっすぐ来た訳では無いようだ」


「そうか、中にいるやつらと交代してこい」


 と言っていたらしい。ミカには聞こえない距離だったがタマモが知らせてくれた。


 エルフもさすがに相手がエルフではない時はエルフの言葉を扱わないようだ。だが、ミカはそんなことよりも別の事が気になっていた。


「僕達を見つけていない?じゃあ、あの矢は何?」


 魔王城の警備をしている者達が普通に警備をしていたのだ。何を言っているか分からないかもしれないがこれはおかしい。


 そもそも、屋上から矢を放たれていたので既に自身の位置は相手にバレている。拘束あるいは始末のために待ち構えられているとミカは思っていた。正面突破をするしかないと思っていた。


 だから、待ち伏せ等をされている様子が全く見られなかった事にこれはおかしいと思い、様子見として一度隠れていたのだ。


 ミカの疑問も余所に、サイクロプス(仮)の片方が何やら門の横で操作し、その後開いた門をエルフ達が通り抜けていく。彼らがミカに気づいたようすはない。


「・・・どうしますか?」


「・・・いや、罠でしょ。別口を探そう。相手が正面から来て欲しいならまた矢が降ってくるだろうから上に注意しながらね」


 タマモの問いにミカは少し黙った後にそう答えた。おそらく大きな隙のように見せてきっと中には拘束部隊がいるんだ。と考えたのだ。


 タマモも彼らの行動に疑問を持っていたため何も疑わずにミカの指示に従う。


 パキッ。っと小さな音が辺りに響いた。


「…ぁ」


 ミカが木の枝を踏んでしまった音だ。上を警戒し過ぎ足下への警戒が疎かになっていた。


 ギョロリ!とサイクロプス(仮)の一つ目が二つこちらを向く。もはや草を揺らすことも許されない。


 なので、ミカは腰を屈めて歩いている途中という不自然な姿勢で停止する。タマモも見つからないように停止している。あのサイクロプス(仮)は強い種族なのかタマモの瞳は涙で濡れていた。


 近い方のサイクロプス(仮)が無言で迫ってくる。


(どうする?やり過ごす。どうやって?・・・無理。じゃあ奇襲?バレてるのに?いや、まだ行ける?相手の実力がわからない。失敗したら?・・・死ぬね。保留)


 緊張で時間が長く感じる。十秒近く考えていたと思ったが、サイクロプス(仮)はまだ一歩しか進んでいない。


 だが、時間もない。サイクロプス(仮)はデカイので一歩が大きく、また、それなりに距離があっても上から見下ろす形でミカ達を見つける事が可能なのだ。


 それに気がついたのは二歩目。ミカはまずいと焦り、三歩目で覚悟を決める。


(奇襲。次の一歩で斬る)


 ミカは手刀を作り、サイクロプス(仮)を睨み続ける。いつでも飛び出せるように。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 サイクロプス(仮)は物音が聞こえた方を振り向き、相方も気づいているのを確認。その相方に、自分が行く。と目配せを送ってからその方角へと歩き出す。


 警戒は最大限に。何せ相手が相手だ。油断はできない。


 一歩一歩ゆっくりと近寄り四歩目を踏み出す。―――直前ガサガサ、っと草が揺れた。


 サイクロプス(仮)は、バッ!とバックステップして構える。


「・・・何だよ」


 出てきたのはただの蛇だった。


 サイクロプス(仮)は安堵の息を吐いて振り返る。


「・・・笑っただろ?」


「・・・いや」


 そこでは相方が肩を震わせてこちらを見ていた。



 ★★★★★★★★★★★★★★★★



 唐突に揺れた草木にミカ達は心臓が止まるかと思った。声を出さなかった自身を誉めたいと思ったし、実際に後で誉めた。


(何てタイミング。でもありがとう。さすがはヘビ)


 ミカは草から飛び出した後からじっとこちら側を見てきているヘビに内心で感謝の念を送る。


「タマモ。一旦ここから離れるよ」


 今のは危険だった。ミカはそう思いとりあえず距離を取ることにする。


 タマモは涙目で何度も頷きミカについて行った。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ミカは離れると言った。が、それは城から離れるという意味ではない。


「警備居るからって窓フルオープンですか。・・・換気扇が無いのかな?これは、罠か判別ができない。どうしよ?」


 門から離れる。という意味だ。警備を恐れて少しだけ距離は離しているが、城の窓が目視できる程度の距離である。


 ミカ達は草木に隠れながら城の周りを回っているのだ。


「タマモ。あの窓の側に誰かいる?」


 ミカは草の隙間から見える正面の窓を指差す。


「いえ、居ませんが、残り香があります。恐らく誰かが居たのだと思います」


「じゃあ上の階は?同じように残り香、或いは誰かが居たりする?」


「・・・はい。残り香があります」


「なるほど。巡回してるだけ、か。じゃあ今がチャンスかな?・・・残り香ってどのくらい前に居たとか分かる?」


「・・・たぶんですが。つい先程まで居た、と思います」


 潜入するなら今が絶好のチャンスだろう。巡回しているコースによっては次に見回った通路が最後で、そこから戻ってくるという危険もあるのだが、そんなことを言っては何時まで経っても入ることができない。


 そこから移動してしばらく経っている方が危険なのだから今が一番マシな筈だと信じて。


「…あの窓から行くよ」


「…待ってください!」


 今しかないんだ、行け。と自身を鼓舞して飛び出そうとしたミカをタマモが呼び止める。


 心の中では行きたくないと思っていたミカはその呼び掛けにすぐさま止まり振り返る。


「…足音です。伏せてください!誰かが通ります」


 ミカは彼女の言葉を聞いて再度身を草に隠す。ほとんど同時に先ほど門を通ったエルフの片割れが通路に現れた。


 そのエルフの男は何の迷いもなく、真っ直ぐにミカのいる草むらに視線を向ける。


(っ!気づいて―――)


 とっさにそこから離れようとしたミカだが、グッと何かに足を掴まれる。下を向いて正体を確認するが、誰も居ない。引っ張ったのは動物ではなかった。


 植物だ。いつの間にかミカの足下は草に絡まれていた。


 ただの草だと思い力の限り引いてみるが、その足はたったの一歩下がることすら叶わなかった。


 ミカはタマモを呼ぼうと視線を向けるが、彼女も同じように捕まっていた。


『話がある。こっちの三番目の部屋に来い。もし来なければ・・・』


 エルフの男はこっちと顎で自身が歩いてきた方向を示し、不穏な言葉を残して戻っていく。足下の草もいつの間にかほどけていた。


 大声を出したような感じではないのに声が普通に届いてきていたのは魔法で声を届けたとかそんなところだろう。


「どうしますか?」


 タマモがミカに聞いてくる。


「行くしかないよ」


 そう。行くしかないのだ。既に彼には見つかっている。もし行かなければ、魔族の王、略して魔王とかそういうのに報告されあっという間に捕まってしまうだろう。


 というか、人間と敵対している種族が人間を捕まえて生かしておくとは考えづらい。あの男が切った言葉も恐らく殺すとか消すとかの物騒なものだろう。


 ミカ達は半ば諦めの境地で思い、男の指示に従って窓から魔王城へと侵入するのだった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 指示に従って入った部屋は何の飾り気もない、結構狭いが普通の部屋だった。―――城の外壁が石造りっぽかったのにこの部屋は木造のそれっぽい感じだったが。


 部屋にあるものはテーブル、椅子、小さなタンス、ベッド(全て木造で一人用)、部屋の隅っこに苗木のようなものがあるだけだった。


 男はガラス製のコップ二つをベッドの近くにあるテーブルに置き、紅茶のような液体を入れている。恐らくテーブルは(あらかじ)め動かしていたのだろう。


「ここに座れ」


 罠はないと示す為だろうか、ポンポンとベッドを叩き自身は椅子に座る。


「痛い」


「話とはなんですか?」


 ミカは正直に座ろうとしたタマモを軽く小突いて立ったまま話を進める。


 男は残念そうな顔をして一瞬紅茶のような液体を入れたコップを見た。座られなかったことにではなく飲んで貰えなかったことを残念がっているようだ。


 その視線に気づいてタマモがコップに手を伸ばすがそれをまたミカがはたき落とす。ちょっと焦った。何か盛られてたらどうするつもりなのか。


「お前達にはここの玉座の間を目指してもらう」


「何故?」


 ミカ達のやり取りを無視して男が言う。当然それだけではわからないため、ミカが問う。


「言えない」


「断ったら?」


「これは強制だ。俺はなにもしないが、死ぬぞ?」


 男は瞳を閉じてゆったりと紅茶らしきものを飲みながら言っているが、その表情とは裏腹に声が本気だと分かる程強いものだった。


「俺は、ね。・・・弓兵は貴方側の者ですか?」


「そうだ」


「じゃあ、逃げることもできない、と。予想ですが、貴方達はこの城の主とは別の思惑で動いてますよね?」


今の(・・)主とはな」


「今の、ねぇ。…はぁ。権力争い的なのに利用されようとしてるわけね。僕達」


 男の言葉にミカは嫌そうな表情でため息を吐く。今の、を強調して言うということは魔王の継承権が低い魔族の中の王族的な誰かを担ぎ上げたクーデターをしようとしていると予想したから。


「それについては知らん。俺が受けた命令は『お前達を玉座の間に導け。ただし、手助けをするな』というものだ」


「・・・その命令に僕が殺される要素が無い気がするんですが?」


「娘を助けた男の実力が知りたいんだと。『逃げるようなら自作自演で味方を演じているグズだ。殺せ』と仰せつかっている」


「娘を・・・助けた?」


 ちょっと男の言っている言葉が理解できなかった。ミカは首をひねって固まる。そんな重要人物(重要魔物?)を助けた記憶など無いからだ。


 そんなミカの袖をタマモがクイッと引っ張り、反応したミカに言う。


「ええっと、ご主人様?知らないのですか?リリィ様の事ですよ?」


「・・・あ、そういえばリリィって苗字あったね。人間で言う貴族的な存在の魔族って言ってたっけ?苗字があるの。リリィって継承権的なの持ってたのか~」


 ミカは彼女と自己紹介する流れになった時の事を思い出す。そして、あれから一週間程しか経っていない事にちょっと驚く。


「様を付けろ。リリィ様だ」


「あ、はい」


 男の威圧に屈するミカ。そんなミカにタマモが驚きながら呆れているという器用な表情で告げる。


「ご主人様は聞いていなかったのですか?リリィ様は現魔王、ラーグ・サタン・クラウン様の娘、だそうです。シャーリィ様が言ってました」


「・・・は?」


 ミカはタマモの言葉に首を傾げる。内心で、君たち日本語喋ってよ。と思うほど混乱している。


「リリィ様はこの都市サタンを統べる四代目サタン様の娘だ」


 ミカがこの言葉に反応するまで十秒近く要した。


「・・・・・・は?・・・はぁ!?」


 この世界に来た初日から、ミカはこの騒動に関わっていたのだ。


 こんなことなら知りたくなかった真実に、しばしミカは開いた口が塞がらなかった。


読者の皆様にとっては今さらですが主人公にとっては衝撃の事実なのです。


触れたのは回想と、ミカが居ないときのリリィ、シャーリィ、タマモ三人でのやり取りだけですから。・・・そのはずですから!

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