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異界の欠陥魔法師  作者: 木崎 咲
四章 ラルバの危機
35/111

三十話

何とかできました。一安心です。


誤字脱字があったらごめんなさい


追記

サブタイトル修正しました。

メモのままでした。すみません

 カンカンカンカン・・・


 町のあちこちから鐘の音が聴こえる。


「・・・」


 ミカはもぞもぞと毛布を被ったまま起き上がり、窓の向こうを見つめる。


 そこでは、真夜中の町なのに人があわただしく走り回っていた。


 ミカは視界を横に向ける。


「「・・・んにゅ」」


 鐘の音が響いていても起きる様子のない二人がベッドで向き合って同じような寝言を呟いている。


「・・・あふぅ」


 自分の意思ではなく、別のものに起こされると眠く感じるもの。


 ミカは小さなあくびをしたあと、再度寝転がる。


 周りの音を少しでも遮断するようにして毛布を頭まで被り、


「・・・Zzz」


 幸せそうに二度寝を開始した。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 バタバタ!ガチャ、バタン!バタン!


 近くでそんな音が聞こえた。


「・・・んん~」


 ミカは毛布の温もりから名残惜しそうに抜け出し、伸びをする。まだ日は昇っていない時間帯。


 バタバタ!ガチャ、バタン!バタン!


 次の音は隣の部屋で聞こえた。一部屋ずつ誰かが開け閉めしているようだ。


 バタバタ!ガチャ、バタン!


「なっ!」


「あ、おはようございーーー」


「鐘が聞こえなかったの!緊急事態よ。荷物を早くまとめなさい!」


「・・・んぅ。どうしたの?」


「・・・ふぁ。何かあったのか?」


 扉から出てきたクロアの驚愕した表情を見ても、特に何も思わずミカは挨拶をしようとしたのだが、クロアの怒鳴り声にかき消される。


 そして、その怒鳴り声でリリィ達二人が目を覚まし、声のほうにゆっくりと視線を向ける。手で目元をくしくしと擦りながら。


 その緊張感のなさにクロアがイライラを募らせる。


「どうしたの?じゃないわよ!緊急事態って言ってるじゃない!」


「落ち着いてください。その緊急事態の内容は?それによっては対応を変えないといけませんから」


 ミカは彼女を落ち着かせようと手を前に出しながら質問する。この時、一緒に理由を言うのも忘れない。


 このように興奮している相手には、ただ質問するだけだと反発することがある。理由を言ったのはそれを避けるためだ。


「この町は今魔物に襲われているの」


 クロアは少し落ち着いた様子で話し始める。その一言を聞いて、ミカは彼女を中に入れ、背後の扉を閉める。


 開いている扉から魔物が入らないようにするためだ。もちろん気休めにしかならないが。


「魔物は大群?それとも、強力な個体?」


今は(・・)複数の群れ程度ね」


 ミカの質問に彼女はもってまわした言い方。


「今は、ですか。今後の予想は?」


「出ればわかるわ」


 その言葉にミカは窓から外を見る。


 街中にフォレストウルフがいた。他にも茶色の小人みたいな者 (ゴブリンっぽい)や大剣を持った三メートルくらいの猪みたいな頭をした生物(おそらく、オークだろう)もいた。


 そんな魔物たちが町の人々に蹂躙されている(・・・・・・・・)


「・・・緊急事態?」


 ミカは首を傾げる。現状がそんなに切羽詰っている状況に見えなかったのだ。


 現にちょうど視界にいた武器店のギウルなんかは、雰囲気の違う大物っぽいオークを羽虫でも払うかのように手を振って吹き飛ばしている。


 彼に逆らわなくてよかったと心の底から思った瞬間だった。


「これが緊急事態だったら大抵のことは緊急事態になりません?」


「この町で何が行われてたか覚えてない?それにこの町は最前線の隣町よ。大抵のことは緊急事態になり得ないわ」


 ミカは首を傾げながら思う。


 おかしい。会話が噛み合ってない。


「先程、緊急事態と言っておらんかったか?」


 ミカの疑問はリリィが聞いてくれた。


「ええ。言ったわ。あの夜中の鐘はそれを知らせるものなの。この程度の事であの鐘が鳴ったりはしないわ。元凶は魔物の群れじゃない」


 クロアはそう言って、ミカの見ていた窓を開け、顔を出す。


「・・・スライムが町の近くにいるの。多分、二体。この町に向かってるわ」


 あっちの方から。と彼女はミカ達が入ってきた方とは逆の門を指さしながら言う。


 ミカは彼女の話を聞いてどうするべきか考える。


「・・・情報が足りない。ギルドに向かうよ。念のため荷物は持っといて」



  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「おや?ミカさん。ここに泊まっていたんですか?」


「ええ。そちらこそ、どうしてこんなところに?」


 外に出てすぐにギウルと遭遇した。もともと近くにいたのでおかしくはないのだが、どうして鍛冶師がこんなところにいるのか気になった。


「この近くにぼく個人の倉庫があるんです。そこに向かっていたんですが、攻撃されまして。とりあえず邪魔なのを消しておこうかと」


 危ないですからね。


 にこやかに物騒なことを彼は口走る。


 返り血を浴びた様子はない。それだけ彼にとっては楽な掃除なのだろう。


「・・・余裕そうですね。僕たちはとりあえずギルドに向かいますが」


「僕のことはお気になさらず。そこいらの冒険者より強いですから」


 お気をつけて。ギウルはそう言って立ち去った。


「この町にギルドいらないんじゃない?」


 ミカは純粋にそう思ったそうだ。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ミカたちは細い道を抜けて、大通りに出る。


「被害はそれなりってところかな?」


「やっぱり、緊急事態にはあまり見えないわね」


 建物はそれなりに傷ついているし、半壊のものもあるが、死体は見当たらないし、全壊の建物もない。


「ここで考えてもしょうがないし、行くよ」


「うむ」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 魔物に襲われた回数は少なかった。


 ギルドに向かう道のりで三回ほど、どれもリリィたちの魔法で消し炭になった。


 途中にあった高級ホテルの前では、執事のネヴィアが魔物の山を築いていた。


 彼はミカたちを見つけると、丁寧に一礼をして、現れたフォレストウルフの頭部をつかみ、握りつぶした。


 一瞥(いちべつ)すらせずに。


 リリィたちは感嘆の声を上げていたが、ミカは苦笑いしか浮かんでこなかった。


 また、教会の前でも似たような光景を目にした。


 こちらは三人がかりだったが、うち二人のことはよく覚えていない。


 一人の印象が強すぎたのだ。


「えーい!」


 かわいらしい掛け声とともに舞う鮮血。


 振るっている武器は錫杖(しゃくじょう)である。


 その錫杖で、自分より大きいオークの頭部をつぶしたのだ。


「やっぱり戦闘っていいわよね。はぁ。どうして私はギルドに入っちゃいけないのよ」


 女性は前半の言葉は幸せそうな顔で言い、ため息の後は心底残念に思っているように呟く。


 彼女の外見は、どこか整いすぎているように見えるものだった。


 白く長い髪に、白い肌。顔は小さく、目がパッチリと大きい。プロポーションも整っており、一部が大きいとかではなく、全体の対比が理想的なもののように見える。


 着ている服は真っ白で露出の少ない修道服、だったもの。それが、所々裂けて白い肌が覗いている上に、背中の部分以外はほぼ全て真っ赤な返り血に染まっている。


 周りは魔物の死体で溢れている。


 整いすぎた外見も相まって、むしろ恐怖を誘うような状況だった。


 周りの者が言うには、彼女が聖女さんらしい。


 とりあえず、聖女という言葉の意味を調べろと言いたかった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ギルドにもう少しで着く、問題が起こったのはその時だ。


「「「あ」」」


 端から見たら、人が人を襲っているシーン。


「ひどい!」


「やはり、魔族は!」


 襲われているのは二人組、襲っているのは四人組。


 問題は二人組が不利になっている現場に居合わせたことではない。


 ボロボロの服を着た四人組の方だ。


「奴等・・・何処かで?」


「こ、これ、妾のせいかな?」


「・・・さすが異世界(ファンタジー)。死体処理しなかったらゾンビになるのね」


 この近くの裏路地で襲いかかってきた四人組がゾンビとして復活していたのだ。


「・・・どうする?」


「・・・妾がやるわ。これは妾の責任だもの」


 普段ならミカは無視して行くのだが、今回ばかりは自分達の責任だ。


「手伝う?」


「大丈夫。一撃で終わらせるから」


 ミカの提案にシャーリィは首を振って必要ないことを示し、周りに無数の火球を生み出す。


「そこの二人!離れなさい!」


「え?」


「わっ!ちょっと!」


 二人組が慌てて逃げ出す。


 それを確認する前にシャーリィは火球を放った。


 四人組がとっさに動く。ゾンビとは思えない、生前と似たような動きだった。


 火球は四人組の足下に着弾。


 外した?


 ミカがそう思った瞬間、着弾点から火柱が立ち上がり彼らを焼き尽くした。


「念のため!」


 更に彼女は上からも火柱を落とす。


 炎が消えた場所には灰しか残っていない。


 魔法はイメージ。その炎はゾンビと地面以外を焼くことはなかった。


「・・・二撃じゃん」


「あ、あれは念のためよ。ちゃんと一撃でも終わってたんだから」


 ミカの呟きに、シャーリィが慌てる。一撃で焼き尽くせた自信が無かったのかもしれない。


 現に、前回の死体がほぼ綺麗に残ってたのだから。


「・・・凄い」


 それを見ていた二人組が呟き、その声を聞いたリリィがその方向を見る。


 フォレストウルフが二人組を狙っていた。


「あーーー」


 危ない!と声を出す暇もなかった。


 フォレストウルフが二人組に襲いかかり、二人組が気づく前に切り裂かれた。


「え?」


「な、なん?」


 二人組は何が起きたか分からずにキョロキョロとしている。


「全く。今の状況を理解しているのですか?助けられたからといって油断すれば、簡単に死にますよ」


「あ、ありがとう、ございます」


 キラキラと銀髪を光らせながらフェルディナが忠告する。


 ミカはそのシーンを見て、何か漫画でありそうだな~などと思っていた。


 二人組のフェルディナを見る視線がどこか熱っぽく見えるのは気のせいではないだろう。


 きっと彼女は、他の場所でもこのようなことをしてきたに違いない。それが、彼女の人気を高くしている理由だろう。


 そんなことを思っている間にフェルディナが近づいてくる。


 彼女の背後では二人組が揃って自分の手をじっと見つめて赤くなっている。立たせてもらったとかそんなところだろう。


「詰めが甘いですね。今のを見逃すとは貴方らしくない」


 ミカを見て彼女は言った。


「はぁ・・・」


「私より強い貴方が気づかなかったとは思いません。何故、助けようとしなかったのですか?」


(いや、気づいてなかったんですけどね)


 彼女はミカのことを過剰評価しているらしい。


 ミカは内心でため息を吐いて、


「別に必要ないでしょ」


 何故、わざわざ他人を助けなければならないのか。そういった意味で言ったつもりだったのだが、


「・・・まさか、私に気づいて。そんな素振りはなかったはずなのに」


 フェルディナがショックを受けたような表情を浮かべる。


「・・・いいや、それで」


 彼女の勘違いにミカはめんどくさくなって小声で呟く。


「それより、僕たちはこれからギルドで情報を集めようと思うんですがーーー」


 彼女の表情がショックを受けたようなものから、スッと一瞬で真顔に変わる。


「すみません、私はこれで。逃げ遅れてる人がいるかもしれませんから」


 フェルディナそう言って、ミカの返事も待たずに何処かへと消えた。


 明らかに『ギルド』という単語に怯えていた。


「・・・変なの」


「どうした?」


「いくわよミカ」


 彼女を無視して三人はギルドに向かって再度移動する。


 と言ってもすでに見えているのだが。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ギルド内はいつもより多くの人で溢れかえっていた。


「皆さんこちらにゆっくりと移動してください!」


「大丈夫です!皆さん入れます!スライムの移動もゆっくりとしたものです!時間もありますから押さないでください!」


 ルルとナナが受付の上に立って叫んでいる。他の受付穣達もそれぞれギルド内で散らばって誘導をしている。


「うわぁ。入りたくない」


 それを見たミカの最初の感想である。


 リリィ達は気にした様子なく、ルル達に手を振っている。


 それに気づいたルルは手を振り返して、仕事に戻ろうとしたところをナナに落とされた。


 そのままナナは足下 (ルルがいるところだろう)に何かしら言って仕事に戻る。


 しばらくして、ルルが人混みから出てきた。


「・・・蹴落とされてましたけど、大丈夫ですか?」


「あはは。大丈夫です。それより、ミカさん達もお怪我はありませんか?」


「はい」


 何処かで舌打ちが聞こえた気がした。


 ミカは音の方を見据えるが、そこには人混みとナナの姿があるだけで誰が発したのか分からなかった。


「・・・まぁ、こんな中で舌打ちが聞こえるとか無いか」


 人混みからガヤガヤと言った会話がずっと聞こえているのだ。その中でたまたま舌打ちがあっただけだろう。


「どうしました?」


「いえ、なんでもありません」


 ミカが突然遠くを見だしたことに疑問を持って振り返っていたルルは首を傾げる。


 ミカはそれを適当に誤魔化しつつ、話題逸らしのため本題に入ることにした。


「それより、今回の問題はどうして起こったんですか?この間のスライムの件は関係ありますか?」


「この間のスライムの件と関係あると思われています。あのスライム以外にもいくつかの目撃情報があったんです」


「それで異常だと判断を?」


「いえ。正確には、目撃情報が多すぎたんです」


「・・・え?スライムって複数いることが結構あるんですか?」


 ミカは最強の一端を担う魔物が複数で行動するというのは考えてもいなかった。


「スライムが分裂して増えるというのは話したであろう?」


 ミカの問いに答えたのはリリィだった。


「うん。言ってたね」


 ミカは首肯して続きを促す。


「その際、二匹になったスライムが素早く移動して行く、ということはないのだ」


「方角が大きくずれることも稀だから、一体見た後に二、三体見ることはままあるの」


 補足のようにシャーリィが続ける。


「へぇ・・・。...ボスクラスなのにふざけてるね」


 ぼそりと呟いた声は誰にも聞こえなかった。


「多すぎたって言いましたけど、大体何体ほど見かけたんですか?」


「二十強です」


「わお」


 あまりの数字にミカはそんな声しかだせなかった。顔もひきつっている。


「あくまで目撃情報が、ですので、もしかしたらもっと多いかもしれません」


「それは・・・」


「町を捨てることを視野に入れねばならんな・・・」


 シャーリィとリリィも表情を曇らせる。


「幸い、スライムは高い知性を持っていませんので地下に逃げ込めば安全だと思うのですけど・・・」


 ルルの言葉には自信が欠如していた。今回のことはそれだけ異常なことなのだろう。


 しばらく沈黙が場を包んだのだが、


「ん?二十?」


 ミカが首を傾げた。


「ここに向かってるのって二体って聞いたんですけど?」


 宿でクロアが言った言葉を思い出してミカが尋ねる。


「はい。二体です」


「ほかは何処にいったんですか?」


 ルルの解答にミカは違和感を覚えた点を尋ねる。当然、誰もが思う疑問だと思っていたのだが、


「え?知らないんですか?」


 ルルは微妙に傷つく言葉を言って首を傾げ、


「あぁ、そういえば、ぬしはスライムについて全然知らんかったな」


「スライムに攻撃するような人だったものね」


 リリィ達はミカに優しい視線を向けてきた。


「・・・知らないって何をですか?あと、シャーリィ、攻撃はしてない」


 文句を言いたそうに三人を睨みながらミカは問いかける。


 その態度にばつが悪そうにしたのはリリィだけ。


 ルルは気づかず、シャーリィは「攻撃は、ね。攻撃()」と面白そうにしている。


「スライムは合体するんです」


「は?・・・あ、そういうことですか」


 ミカは一瞬、ロボットアニメを思い起こしたが、幸いにも変なことを言う前に自力で勘違いを解くことができた。


「つまり、スライムがスライムを吸収することでより大きな個体になるってことですね?」


「はい」


 ミカの確認にルルは頷いた。


「でも、スライムは魔力を限界まで蓄えると分裂するんですよね?おかしくありません?」


 ミカは尋ねる。この疑問はリリィから聞いたことから個人で勝手に予想していたものだ。


 魔法を受けて分裂する。イコール、魔力を多量に蓄えたから分裂していると考えたのだ。


 実際、この考えは外れているものではない。


「そうです。スライムは魔力を蓄えると分裂します。ですが、スライムは魔石が魔物化したものです。スライムがスライムを吸収しますと蓄えられる魔力の容量が増えるんです」


 だが、何事にも例外が存在する。


「計算はわかりますか?魔力の吸収は足し算で、魔石の吸収による容量の増加はかけ算といったら分かりやすいんですけど・・・」


「つまり、スライムがスライムを吸収すると魔力が増えるけど、その増える量よりも大きく容量が増えて分裂をしにくくなり、より強力な一個体に成るってことで間違ってませんか?」


「はい。合っています」


 ミカの解釈にルルが頷く。


「本来、スライムには意識がなく、ほぼずっと進み続けるだけで、他のスライムとたまたまぶつかった場合のみこの合体現象が起こるんですが・・・」


「今回の合体は不自然で、何者かがどうにかしてこれを起こしたと考えられる。でしょ?」


 ルルの濁した言葉をミカが言う。


 それが意外だったのか、ルルが驚いた表情でミカを見つめた。


「・・・なんですか?間違ってました?」


「ギルド長と同じ事を言うんですね」


「いや、これだけ聞けば分かりますよ。なんですか?バカにしてます?」


「いえ!そんなことありません!・・・私は言われるまで考えもしなかったのに」


 ミカのじと目がちな問いにルルは手も首も振って否定する。


 その後に呟いた言葉は誰にも聞こえなかった、と本人は思っていた。


「・・・意外と抜けてるんですね」


「この場合、前知識が邪魔をしたようね。頭が固いんじゃないかしら」


「・・・」


「・・・へ?」


 ミカは微笑ましいものを見る目でルルを見つめ、シャーリィはちょっとバカにしてるように小さく笑う見下し視線。


 そして、リリィはばつが悪そうに視線を逸らす。彼女もルルと同じで分からなかったのだろう。


 ルルもこれは聞かれたと理解し赤くなる。


「ち、違います。私だって考えてますよ!この話を聞いたときだってーーー」


 ここから約十分間にもわたる、彼女の論理的なようでいて論点のずれている『自身がしっかりとしていた』証明が始まるのだった。



フェルディナがギルドに怯えていた理由は、前日にギルドに寄ったから。ミカ達が来た後に。


あの時、ファンが集まっていました。


あとは、わかりますよね?


来週は裏切りです

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