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異界の欠陥魔法師  作者: 木崎 咲
三章 ギルド
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閑話四

ストックが、ストックがなくなる・・・。


毎日投稿してる人ってどうしてるんですか?

『・・・ただいま』


『・・・遅かったな』


 大蛇は帰って来た兄に声をかける。父も亡くなってからしばらく経ち、自宅での会話も暗いが行われるようになった頃だ。


『・・・ちょっと、ね』


 兄の返事はいつも通り。お金の事や親族のことは基本的に兄任せだった。


 だから、大蛇は疑問を持たなかった。


 よく見れば、彼の体幹が少し、ほんの少しずれているのに気づけただろうに。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 それから数日後。


『・・・ただいま』


『襟立ってるぞ。それで帰って来たのかよ』


 互いにファッションに興味が薄いとはいえ兄の間の抜けた姿を見て、大蛇は小さく笑う。久々に見せた、友達に見せているような作り笑いでない自然な笑み。


『ったく。ほら、直してーーー』


 大蛇が兄の前に行き、襟に触れようとしたところで兄が下がる。


『それじゃ、僕が子供みたいじゃん。自分でやるよ』


 そう言って、兄は大蛇の横を通ろうとし、


『誰がやった』


 大蛇が止める。


 兄の首に絞首の後がくっきりと残っていた。


『・・・気にしなくていいよ。自分でやる』


『・・・あぁ、そうかよ』


 笑った自分を殴りたかった。


 その日、これ以降の会話が一切無かった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



『・・・はは、おい。なにやってんだよ』


 翌日、学校で兄を尾行した。誰にも気づかれなかった自信がある。あの、兄にすら。


 現に、目の前で驚いた表情を見せている。


 縛られた姿で。


 兄を攻撃したものは三人。


 内一人は、自身と友人の関係にあたる人物だった。


『おろーーー』


 その友人が口を開いて何かを言おうとしたようだが、大蛇は一瞬で距離を詰め、人差し指と中指をそれぞれ両目の前に突きつける。


『黙れ。失せろ。抵抗しても構わない。竜兄がなにもしないから生かしてはやる。が、俺は短気なんだ。その場合、その腐った目玉はもらうぞ』


 大蛇はその姿勢のまま他二人も睨み付ける。


『お前らもな』


『ひぃぃ!』


 友人だった(・・・)男は悲鳴を上げて逃げ出す。大蛇の表情はそれほどまでに鬼気迫るものがあった。


 が、二人は逃げ出さない。一人は怯えて動けないだけのようだが、もう一人は


『はっ!美しい兄弟愛ってか?・・・てめぇをボコればこの生意気な奴も考えを変えるだろう、な!』


 殴りかかってきた。


 その上級生の腕を大蛇は全力で蹴りつけ、叫ばれると厄介なのですぐさま顎に向けて裏拳を放ち、バランスを崩して前に倒れようとしたところに後頭部へ踵落とし。


 気絶した上級生の腕はあり得ない方向に曲がっている。


『ふふっ。竜ちゃんの弟君()容赦無いのね』


 唐突に女性の声が響いた。


 大蛇は声の方向。怯えて動けなかった男の方に、バッ!と振り返る。


 男は気絶していた。が、他に誰もいない。


『はい、約束の映像』


『ありがとうございます』


 大蛇は驚愕で目を見開く。


 いつの間にか兄の近くに女性がいた。


 この距離で全く気づけなかった。男を気絶させたということは何かしらの攻撃を行ったということ。その音も一切聞こえなかったのだ。


『誰だ』


 長い黒髪と小さく整った顔立ちをした女性で背は兄より少し高いくらい、165㎝くらいだろうか。長袖長ズボンにスニーカーと動きやすい格好をしている。が、正直、似合っていない。


『竜ちゃんと同じ道場で主将をやってる(くれない)愛奈(あいな)です。よろしくね』


 大蛇の誰何にウインクをして答える女性。


 大蛇は彼女の言葉づかいや雰囲気に意外感を覚える。


 彼女の外見は静かに佇んでいれば絵になるようなという表現が似合いそうな程の美人だったのだ。


 ・・・胸は無いが。


 大蛇はそこで彼女のことを無視して兄の方に向かう。


 別に彼女から逃げたわけではない。兄に聞きたいことがあったのだ。彼女の笑顔に黒いものを見たとか、そんなことはない。


『・・・僕、自分でやるって言ったよね?』


 大蛇が声をかけるよりも先に兄が口を開いて問いかける。


『言ったな。それで?俺がなにもしないとでも?』


『・・・あぁ。そういえば、そうだった』


 兄は大きなため息を吐いて立ち上がる。


『・・・大丈夫か?』


『問題ないよ。材料も揃ったし』


 大蛇は心配して言うが、返って来たのは意味のわからない言葉。


 それがわかったのか、兄は小さな笑顔を見せながら説明する。


『学校に言えば解決だろうけど、できればお金を取りたいよね~。あー、学生じゃなければ確実なのに』


 その笑顔は、黒いものだった。


 いつの間にか手に市販のボイスレコーダーも持っている。


『容赦ねぇな』


『兄弟だからね』


『・・・あぁ、こいつが言ってたのはそういう事か』


 こいつ、と紅愛奈を示しながら大蛇は呟く。弟君()と彼女が言ったのを覚えていたのだ。


『じゃあ、先帰っとくよ。・・・今日は大目に見とく』


 兄はそう言って去っていった。バッグを取りに行ったのだろう。


『サンキュ』


 大蛇は笑って逆方向、友人だった(・・・)男の逃げたほうへと向かう。


(・・・父親のせいだな)


 裏切ったことが許せなかった。


 だから、向かう。後で自分がどうなってもいい。あれは、消す。


 兄も今日は構わないと言ってくれた。


『何処に行くの?』


 だが、それを紅愛奈が止める。


 無視して進みたかったが、腕を捕まれた。


『・・・お前には関係ねぇだろ』


 その答えに紅愛奈は笑った。


 その笑顔に背筋が凍った。


 ほとんど同時にパトカーと救急車のサイレン音が響いてきた。


『いやいや、行っても意味無いってことを教えとこうと思って』


 明るく、楽しそうで無邪気な声。


 だが、大蛇の寒気は止まらない。


『私が竜ちゃんに手を出したやつらをただで済ますわけ無いじゃない』




 ーーー知ってる?






















 ーーー意識の誘導って簡単なのよ?

















 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 アクリアを誘拐してはや二日。


 太陽が頂点に差し掛かろうとする頃にアキラ達は隣町に到着した。


 最も近くにあった大きめの町ではなく、王都から見て森を挟んだ向こう側にある、田舎のような、外との繋がりの薄い町だ。


 大きな町では既に誘拐のことは広がっている可能性が高いと考えたからだ。


 ここでも長居するつもりは無い。


 一日だけ滞在し、噂がこのような町にまで広がってしまっているかの確認と大事な用を済ませるつもりだ。


「店主。今日の分、部屋二つをお願い」


「・・・ニ千リカだ」


「二千ね。銅貨二十」


 アクリアは、無愛想な宿屋の店主に財布から銅貨をニ十枚渡す。


「・・・」


 店主は無言で鍵を二つ取り出して渡す。


「ありがとう。私たち、ここに来たばかりだから色々と情報が欲しいの。何か、そうね、噂話程度でもいいから、何かないかしら?」


 アクリアは鍵を受けとる手に隠しながら銅貨を二枚、店主に見せる。


 どう見てもお姫様の行動ではない。自由に生活できなかっただろうにどこでそんなことを覚えたのか、アキラは疑問を持った。


「・・・」


 アクリアの言葉に男は無言を貫く。


 アクリアはさらに銅貨を一枚取り出す。


 が、男はちらりと銅貨を見ただけで動かない。


 さらに二枚、合計五枚の銅貨を見せた所で男は口を開いた。


「最近、魔王の娘を討伐しに何名もの強者が、ギルド、騎士問わず出ていったが、その討伐は失敗したらしい」


「・・・嘘。生き残りは?」


 アクリアはいきなりの情報に戸惑い、一瞬言葉に詰まる。


 この討伐事態は地球に行く前に聞いていたので知っていたが、結果の方は城でのいざこざがあったせいで聞くことができなかったのだ。


「ゼロだ」


「ゼロ?じゃあ、誰がそれを知らせたんだ?」


 アクリアの疑問に店主は答えたが、その答えにアキラが疑問を持つ。


「知らん。大方、通信の魔道具らへんだろう」


「あっそ」


 店主の言葉に適当に頷いて、アキラは考え込む。


『信じるべきは自分が見て聞いた一次情報だけ。それ以外は別のものや脚色とかが混じるから話し半分で聞くのがいいよ』


 兄の言葉だ。


(ならこれは、わざと流されてる可能性があるってわけだ)


 アキラが考えている間も話は進む。


「魔王の娘も恐ろしく強いのね・・・」


「さぁな」


「え?」


「所詮は噂。本当かは知らん」


「・・・そうね。ありがとう」


 アクリアは銀貨を一枚置いて部屋に向かおうとする。


「待て」


 それを店主が止める。


 アクリアは首を傾げ振り返り、店主の手招きに従って再度近づく。


「攻撃的な魔族が増えてきている。魔王の娘を攻撃したせいだと思ったが、その魔族共は何かを探しているらしい。

 それと、ここから離れているが、ラルバの町で不審な行動をする魔族の目撃情報が多い。何かしら起こるだろう。

 ・・・俺が知ってるのはこの程度だ。報酬に銀貨は多い」


「大変貴重な情報でした。ありがとうございます。銀貨はもらってください。私共からすればそれだけの価値があります。それでも、お気にされるのでしたら、当店のサービスに少々期待でもしておきます」


「そうか。では、助言を少々。こちらを」


 店主はアクリアにフード付きのマントを渡した。


「これは?」


 何故そんなものを渡されたのか分からず、アクリアは首を傾げていたが、


「顔くらいは隠せ。アクリア皇女」


「・・・!?」


 店主の一言で顔を強張らせ、警戒する。


「サービスだ。追っ手が来ても誤魔化そう」


 その反応を見ても店主は表情を変えずに言ったのだった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「っだぁ~。疲れた」


「えっと、その、ごめんなさい。はしゃぎすぎちゃった、かな?」


「別に、普通だろ。女の子の買い物は長いもんだ」


 申し訳なさそうにたたずんでいたアクリアにアキラはぶっきらぼうに返す。


 時間は既に夕方。


 今の今までずっと買い物をしていたのだ。


 保存の効く食料、水、そして、初日で兄達と同じ問題を経験したため調味料をいくつか、他にも旅に必要になりそうなものを買い揃えていたのだ。


 途中で、ウィンドウショッピングをしたり、食べ歩きをしたり、服をそれぞれ買ったりもしていた。


 特に服が長かった。


 一般の服を買う機会などなかったアクリアがかなりの量、試着したのだ。


 その全てをアキラは評価した。


 似合ってるとか、綺麗だとか、さっきのよりいいなとかだけでなく、それは変だとか、おかしいとかマイナスの評価も思ったままに言った。


 似合わないと言っても彼女の表情が曇ることはなく、ずっと楽しそうにはしゃいでいた。


 アクリアはプラスの評価を貰ったもの全てを購入した。店員のホクホク顔が印象的だった。


 荷物は全て彼女の持っているアイテムバックに詰め込まれている。


「それはいいんだが、金は平気か?」


「・・・」


 アキラの純粋な疑問にアクリアは無言で目をそらした。


 自分でも買いすぎたと思っているのだろう。


「おい」


「だ、大丈夫よ?まだ七・・・六割くらい残ってるわ。六割と言っても私は皇女よ?一般の貴族より多いわ。多い、はずよ?」


 ものすごく不安になるような、自信なさげな声でアクリアが言った。


 彼女はアキラと目を合わせようとしない。


「・・・はぁ。何かしら金を稼げる方法がいるな」


 アキラはそんな彼女の態度にため息を吐く。


 彼にはアクリアがこれから先、節約生活を行えるとは思えなかった。


「この世界にギルドとか無いのか?こう、この魔物を討伐したら金が貰えるとかそんなの。別の町で報告ができればなおいいな」


「冒険者ギルドね。ただ、別の町で報告できるのは護衛の依頼くらいしかないわ。道で薬草とかを拾っていけば、別の町でその薬草とかの依頼が達成できるかもってところかしら」


「・・・それでも、無いよりかはマシだろ。明日の朝に行くか」


「そう?なら、魔法が使えないとね」


「実力だけじゃダメなのか?」


 ギルドの登録は実力者との戦闘だけで決まると思っていたアキラは首を傾げる。


「ダメじゃないけど、測定項目にあるから登録ランクはどうしても低くなるわよ?」


 彼女の言葉にアキラは考え込む。どうせなら高いところを目指したいが、どうしても必要というわけではない。


「・・・低いランクの依頼はどんなのだ?報酬額は?」


「ランク一の依頼は基本的に採取とか雑用ね。報酬額は、一番安いわ。ぎりぎり生活が可能かどうかって聞いたことがあるくらいね」


「それだと減る一方か・・・」


 アクリアの答えを聞いてアキラは決断した。


「アクリア、魔法を教えてくれるか?」


「もちろん」


 アキラの問いに、アクリアは即答する。


「ありがとう。よろしくお願いします」


「ちょ、ちょっと、そんなに畏まらないでよ。教えるって言っても魔力が分かるようにすることくらいしかできないんだから」


 アキラは家の道場、ベルン流で剣技を教わってきた身。教えを乞う言葉と態度が自然とでてきた。


 むしろ、そんなに丁寧にお願いされると思っていなかったアクリアが慌てている。


「コホン。えっと、今から私が貴方に魔力を流し込むわ。その魔力を感じたら自分の魔力を探して。個人差はあるけど、似てるはずだから」


 アクリアは咳払い一つで気持ちを切り替え、アキラの背後に周り、その背中に手を当てる。


「じゃあ、行くわよ?」


「ああ」


 アキラの返事を聞いて、アクリアがゆっくりと魔力を流し込む。


 アキラも集中してその感覚を探る。


(・・・これ、か?)


 体内に入ってきたものをアキラは何となくではあるが理解した。


 そして、そのまま自分の中を探る。


(・・・なるほど。もしかしたら無いかもと思ったが、そんなことはなかったな。少し違うがこれか)


 自分の魔力を見つけたアキラは小さく笑う。


「OKだ。何となくだが、わかった」


「そう?」


 アクリアは魔力の供給を止める。


 一瞬だがアキラは不快感を覚え、眉をしかめる。


「どうしたの?」


「・・・いや、何でもない。それより、魔法はどうやって発動すんだ?」


 アキラの変化に気づいたアクリアは問いかけるが、少しの間のあとにアキラは首を振って別の問いを発する。


 少し気にはなったのだが、彼が言わないのならと聞くのは止めておいた。


「・・・いいわ。魔法は魔力を使って発動するの。想像に魔力で形を与える感じかしら?いきなりは難しいから少しづつやっていきましょ」


「簡単そうじゃねぇか」


「なら、一回やってみれば。炎とか危ないのは止めてね」


 言われてアキラは想像する。イメージは剣。属性は氷だ。


「・・・嘘」


「できたぜ?」


 アキラは氷でできた剣を見せる。それはもう、最高のどや顔で。


「え、ええ。そうね。一発なんて・・・すごい」


 それをアクリアは少し尊敬しているような目で見返していた。


 彼女にとってアキラは、魔法なしで自分より強い上に魔法の才能もある超人のように写っているようだ。


「他は後日でいいとして、ギルドに登録した場合のメリット、デメリットをまとめておく必要がある」


「デメリット?何か良くないところってあったかしら?」


 アクリアは顎に指を当てつつ考え込む。


 その様子をアキラが呆れた表情で見ている。


「・・・あ。命の危険がーーーって、何?どうしたの?」


 しばらくして、デメリットを思い立ったアクリアだが、その言葉の途中でアキラから見られていたことに気づいて問い返す。


 恥ずかしかったのか、頬が少し赤い。それを隠すかのように、何か付いてる?とアクリアは自分の頬に手を当てている。


 が、アキラは彼女の態度に頭を振りつつため息。


 そのアキラの態度にアクリアが不満顔を浮かべるが、


「自分の状況、分かってんのか?」


 文句を言う前にアキラが問う。


「え?」


 アクリアは本当に分からないのか首を傾げ、


「あ」


「分かったか?」


 思い立ったような声をあげる。


 アキラも彼女が自分の状況を理解したと思って小さく笑ったのだが、


「あ、う。その、えっと・・・」


 彼女はアキラの予想と違う反応を見せた。


 顔を先程よりも赤く染め、わたわたと手を振って慌てだしたのだ。


 その視線がチラチラと飾りもなにもない、簡素なベッドに向けられている。


「・・・へ、部屋に男と二人きり、です」


「いや、そこじゃねぇよ」


 アクリアの言葉にアキラは呆れた表情でつっこむ。


「お前は今、誘拐されて行方不明。で、その犯人が俺。登録の際に目立つことはタブーだ。俺の外見は周りに知られてないから・・・知られてないと思うから服と武器を変えるだけで何とかなるかもしれんが、お前は王女。要するに、お前は登録の時、ギルドに来んな」


「ええっ!」


 アキラの言葉に、楽しそうだから自分も、と思っていたアクリアはショックを受けたように声をあげた。


「ギルドに登録することによるメリットは、金が得られる。情報が得やすくなる。そして、恐らくだが、町に入りやすくなる。鍛える場所が得られるってのも大きいな」


 が、アキラは彼女の反応を無視して続ける。


「デメリットは登録されることによって記録が残ること。足取りが追いやすくなること。パッと思い付いたのはこのくらいか?王女が登録したら、当然話題になる」


「なら、変装して、偽名を名乗ればーーー」


 諦め悪く、アクリアは提案しようとしたが、


「髪の色、目の色、体格、声、癖。これ等を変えることが、永久的にできるなら構わないが?」


 アキラの返しに言葉を詰まらせる。


「・・・それはできないけど、登録の時に変えておけばーーー」


 それでも、なお、諦めなかったのだが、


「唐突に現れて、町では見かけず、登録したのに依頼をおこなわない。その上、一緒に来た俺とも行動していないどころか、俺が別の女と行動しているってな状況になるわけだが。目立たないと思うか?」


「・・・思いません」


 ついに、何も言い返せなくなったアクリアは項垂れながら呟く。


「まぁ、明日は顔を隠して町の散策でもしておけ。俺はもう寝るから、お前も部屋に戻って寝ろ」


「・・・わかった」


 彼女は顔を伏せて少し渋ったものの、頷いて部屋の扉に向かう。


「お休み」


 アキラの言葉に返事もなくアクリアは部屋を出た。


 それを確認してアキラは手を開き、しばらく見つめ、


「ん?」


 首を傾げた。


 再度、じっと手を見つめる。小さな炎が出て一瞬安堵したが、しばらくして頭を抱えだした。


(ヤベェ・・・。炎と氷しか出ねぇ)


 雷や水、風など思いついた魔法を発動しようとしたのだが、何も起こらなかったのだ。


 アクリアに宣言する気はない。あんなどや顔を見せた後に、魔法がろくに使えませんでした。なんて言えない。


(どうする?)


 アキラはベッドに体を横たえながらしばらく悩み続けていたが、買い物による疲労のせいで、そのまま眠りについてしまうのだった。


















(いいわよ、諦めるわ。私の登録は(・・・・・))


 ベッドに寝転がってアクリアは思う。その表情は諦めている者のそれではなく、何かを楽しみにしているような表情だった。


・・・あれ?主将の性格何か怖くなってしまいました。


弟は兄と違い、魔力を貰っても気絶しませんでした。違いはなんでしょう。


次週は、緊急事態?です。(まだ、完成してません!頑張ります!)


後書きってこんな感じで大丈夫ですよね?


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