一年のタイムリミット
「久しぶりだな、優」
「エレクトさん…」
「話は聞いたな?」
「はい」
王室では重苦しい空気が漂っていた
「エレクト様、ガルラ様が到着しました」
「うむ、通せ」
ガルラ達がやって来る
「久しぶりですね、ガルラさん、ブラッドそれにアーサー王子」
「王子は止めてくれ、今では村の警備隊の一人だよ」
「コホンッ、では始めましょうか」
レインが全員を席につかす
「エヴァンス王国から使者が来たことについては事前にお伝えした通りです。今日集まって貰ったのは一年の間、どうするか…です」
「Sランク級の魔物となるとそう相手に出来る奴はおらんしのぉ」
「サツマ様の言う通り我が国の兵力では何も出来ません、冒険者ギルドやガンミュウム王国にも協力を頼むことになるでしょう」
「冒険者ならSランク昇格依頼とすれば人は集まりますね」
「ガンミュウム王国とは特別、友好関係がない。しっかりと事情を説明しなくては駄目だろう」
アイデアが出ない
「今悩んだ所で始まらん、とりあえず使者が帰ってくるのを待とう。それより優、ミユ、光の神について話してくれ」
「あぁ、つい最近光の神殿に言って…まぁ見せた方が早いな」
俺が魔力を放出
「なんて魔力!?」
その魔力が集まる
そして………
「皆様、初めまして」
光の神が現れる
「美しい……」
「これが光の神……」
光の神は椅子に腰掛ける
「早速ですが…まず、今この世界には四人、私の加護を受ける人間がいます」
「それは?」
「ここにいる優とミユとアーサー、あと……だいぶ離れた所にいますがジョウカと言う人です。あっ私の加護を受けてる人の存在くらい一瞬で確認出来ますから」
「ミユは…後にしてアーサー?」
ミユはコール生存の知らせを聞いてから上の空である
「あぁ、俺の家系では王位の継ぐとそれまでの加護がなくなり光の加護を受けるそうだ…親父が俺を後継者に選んだ時点で俺は魔法が使えなくなった」
「加護が変わったので最初は勝手が違うのでしょう」
そう言って光の神はアーサーに触れる
「これで使えますよ、最も思い通りに使えるようになるのは、まだ修行が必要ですけどね」
アーサーが魔力を込める
「本当だ…」
「確かに先ほど優から感じた光の魔力と同じ加護を感じる」
光の神は微笑んで再び席につく
「では、本題に入りましょうか。数ヶ月前まで私は闇の神と共に自らを封印していた為、神界の狭間にいました。しかし…私と闇の神より一人の人間が選ばれ、この世界に落とされたことで封印が解けました」
「一人の人間?」
「えぇ、その人間は光と闇の加護を持ち、別の世界から来たことになります、そして……その者は神すら倒せるでしょう」
「光の加護を持っていると言うことは、さっきの四人の誰かか?」
「しかし、神を倒す…?」
「誰なんだ!?そいつは!」
光の神が俺に向かい頷く
「優」
「あぁ、俺だ」
「「「なにぃぃぃ!!」」」
はい、そうなりますね…すいません
「どういうことなんだ?」
「優は別世界の住民でした。しかし、私と闇の神から同時に加護を受け、この世界に飛ばされたのです」
「優?」
「俺は元々この世界の人じゃないよ、これを知ってるのはコールとミユ、銀、白だけだ」
「そうなのか…」
「優に今、私と闇の神の加護、そしてこの世界に来たことで火の加護を持っています。しかし、まだ思い通りに扱うことは出来ないでしょう。」
「ということ」
「なら今、出来る事は無いか…」
「ええ、残念ながら。……しかし私も動き出しましょう。何も出来ずに負けるのだけは御免ですから」
「あぁ、今出来る事をしょうぜ」
こうして話は進まないままこの日は寮に帰った
帰り道
ミユは未だに上の空だ
「おい、ミユ」
「ん~?」
「今日の話、聞いてたのか?」
「ん~、コールが生きてたんやろ…あいつに操られとるけど」
「はぁ」
学園の校庭に来た
「ミユ!」
「ん?」
俺はあるものを投げる
「これ……」
「コールがくれた武器だ」
俺はミユに斬りかかる
「!!!なんや!」
「お前、ふざけてるのか?」
「だから、なにが!?」
「コールが生きてたんだ!それなのにそんな上の空で良いのかよ!」
「なんやて…?」
「あの日、自分の弱さを知った、このままじゃ駄目だと分かった。そして失ってたと思ってたものが帰ってくるチャンスを得た!」
「……」
「だったら!次は絶対離さないって思わないのか!」
「……………」
「操られとるのがなんだ?それも含めて救ってやるんだろ!違うか!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
「考えちゃ進まないだろ!今日の話し合いで分かった筈だ!」
優は見たのだ別れ際にアーサーの掌を、幾度も豆が潰れたせいで固くなった掌を
(どんだけ素振りしたらあんなになるんだよ?)
なのに俺達はどうだ!この学園での生活を楽しんでるだけじゃ無いか!あの時の悔しさを忘れたのか?
「ミユだって思ってたろ!?俺達はあの日から今まで一歩も進んでないんだ!」
コールが死んだと思ってた、それを自らの責任だと責めた
前に進むのを止めた
もう失いたくないから…
「でも今日分かった!時間は一年…そこでコールを助けるんだ!今度こそ足手まといにならないんだ!あんな悔しい思いはもうしないんじゃないのか!」
「優ぅぅぅぅ!」
ミユの魔力が放出される
「うちは決めたで、もう時間がない!次は絶対!絶対にあんな思いはせん!」
薙刀を空に突き上げ、己に誓う
「もう、後ろは見ぃへんで……前進あるのみや!」
「……………」
「優、ありがとうな…」
夕日が沈む
しかし、校庭では金属音が鳴り響く
エヴァンス王国
コールがふと空を見る
心なんて今は無いのに…
どうしても空を見なければならない気がしたのだ…




