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天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第六部

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第337話 Bar派遣所5

「えぇ……ほ、本当に連絡するんですか?」

「大丈夫です。今のところ電話で人を殺傷する天恵は確認されていませんから」


 越田さんの笑顔が刺さる。


「しかし驚きました。【命謳(めいおう)】に山井殿がいるにしても、西の【インサニア】代表の連絡先を入手しているとは。流石は伊達殿」


 俺が番場(ばんば)さんの連絡先を手に入れたのは、ほとんど偶然なんだけどな。


「だ、伊達さん、無理しなくていいですからね……?」


 御剣さんの心配が俺を後押しする。


「だ、大丈夫です。今のところ電話で人を殺傷する天恵は確認されていませんから」

「ど、どこかで聞いたような……はは」

「くくくく……」


 苦笑する御剣さんと、ニヤリと笑う越田さん。

 胃がキリキリするが……仕方ない。

 俺は覚悟を決め、彼に……関西の巨大クラン【インサニア】代表【番場(ばんば)(あつし)】に電話を掛けたのだった。

 コールする事二回半……電話が繋がる。


『何の用だ?』

「あ、いつもお世話になっております。(わたくし)、クラン【命謳(めいおう)】代表の伊達と申しますが、【インサニア】の番場様の携帯電話でお間違いないでしょうか?」


 そんな俺の言葉に、越田さんが噴き出した。

 何故か御剣さんも小刻みに震えている。

 おかしい、何故笑われたのだろうか……?


『……合ってる。番場だ』

「ありがとうございます。今ですね、とある会議室で【大いなる鐘】の越田さんと一緒なのですが、スピーカーフォンで話しても問題ないでしょうか?」


 流石に、ここで御剣さんの名前を出す訳にもいかない。

 俺は御剣さんに対し、口元に人差し指を持っていくジェスチャーをし、黙っておくようにと合図を送った。

 御剣さんはそれに同意したようにコクリと頷き、俺は番場さんの返答を待った。


『越田がぁ? ったく、しょうがねぇな。ちょっと待ってろ』


 電話越しに物凄い風切り音が聞こえる。

 おそらく、人気(ひとけ)のない場所まで移動しているのだろう。猛スピードで。


『よし。いいぜ?』


 そう言われ、俺は会議室のテーブルの上にスマートフォンを置き、スピーカーフォンへ切り替えた。


「やぁ番場殿、【天武会】以来だね」

『越田……てめぇ、伊達と共謀して一体何を考えてやがる?』

「いや何。いくつか番場殿に質問があってね」

『あぁ?』


 番場さんの疑問に俺は正直に言った。


「実は、現在七海建設の事を調べてまして、七海建設と警備契約を結んでいる【インサニア】さんにお話を伺いたくて」


 その発言に、番場さんは何も返してくれなかった。

 それどころか、御剣さんは勿論、越田さんまで何も言ってくれないのだ。何故だ。

 そんな疑問を最初に教えてくれたのは、電話口の人だった。


『おい越田、事前にこいつと打ち合わせはなかったのか?』

「……あったようでなかったような。まぁ、そんな感じだよ。伊達殿に腹芸が難しい事は番場殿も知っているだろう? まさかここまで正面から切り込むとは思わなかったけどね」

『……おい伊達?』

「はい、何でしょう?」

『【インサニア(ウチ)】はな? 七海と秘密保持契約も結んでるんだよ。それくらいはわかるよなぁ?』

「おぉ、ありがとうございます!」

『……越田、俺は今何で礼を言われたんだ?』


 番場さんの問いに、越田さんが震えながら答える。


「お、おそらく、秘密保持契約を結んでいるという情報を渡した事による礼だろうね……くく」

『……クソが、相変わらずやりにくい相手だ』


 番場さんの悪態は勿論なのだろう。

 だが、交渉はまだ始まったばかり。


「出来ればその調子で番場さんの知ってる全てを教えて頂ければ嬉しいんですけど?」

『ったく、調子狂うぜ……で、七海の何が知りてぇんだ? それによっちゃ、情報を渡せなくもない』


 なるほど、番場さんも乗り気のようだ。

 そんな事を考えていると、越田さんが忠告するように俺に言った。


「伊達殿、先に情報をもらった際の対価を聞いておくべきかと」

『ちっ、後から釣り上げようと思ったが、越田がいるなら仕方ねぇ。そうだぜ、伊達ぇ? 情報には対価だ』

「では、【命謳(ウチ)】のメンバーが誰か一人でも第六段階に上がった場合、その詳細なレポートと交換……という事でどうでしょう?」

「『っ!?』」


 俺の言葉に、御剣さんは目を丸くさせ、越田さんと番場さんは言葉を詰まらせた。

 そしてやはり、最初に言葉を発したのは番場さんの方だった。


『おい、越田。これも打ち合わせ無しか?』

「……やれやれ、していたら止めていたよ」

『何故しなかった? てめぇの事だ。伊達の性格くらい知ってるだろう?』

「そちらの方が上手く転ぶと思った……では回答にならないかな?」

『ちっ、回りくどい言い方だぜ……! 伊達ぇ』

「はい、ここにいます」

『さっきの言葉、嘘はねぇだろうな?』

「そもそも、まだあるかもわからない話ですけどね」

『答えろ、嘘はねぇか?』

「ありませんよ。この件に関しては、特に」


 そこまで言うと、番場さんはしばらく黙ってしまった。

 その時間は、俺の未確定な情報に対し情報を売るかを考えているよりかは、番場さんが言葉を選ぶために使っているかのようだった。


『……何が知りたい?』

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