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天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~  作者: 壱弐参
第六部

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第336話 Bar派遣所4

「でも、どうやってパラティア共和国の写真なんて手に入れたんですかね?」


 俺がそう聞くと、越田さんは指を折りながら案を出す。


「自身で持ち帰った、情報提供者がいる、高度なAI加工写真……まぁ様々な手口が考えられるね。しかし、私の見るところ、加工の痕跡は見受けられないが……」

「やっぱりそうですよね。それにもう一つ気になります」

「気になるって……どこがでしょう?」


 御剣さんの質問に、俺は彼女のパソコンに映るHP(ホームページ)を指差し言った。


「ほら、最後の更新……先週です」

「わ、き、気付きませんでした……! 私も眉唾な情報なので月に一回くらいしか覗かないので……」


 更新された内容は非常に簡素。

 ――今日のパラティア共和国も荒れてるんだろうな~。


 ただの推察でしかない呟きのような一言。


「【パラティアの日常】以降、ずっとこのHPを追っていますが、いつもこのような文章の投稿しかされていないんです。でも、これで気になる事って……?」


 御剣さんの質問に、俺ではなく越田さんが答えた。


「伊達殿はこう言いたいのだよ。パラティア共和国内部の写真を漏らしたというのに、この管理人はまだ生きている(、、、、、、、)

「た、確かに……」


 その通りだ。

 これまで、パラティア共和国の悪口やマイナスイメージに繋がる言葉を発した人間、アカウントはことごとく消されてきた。

 文字通り、この世から消えているのだ。

 しかし、この管理人は写真を投稿してから三年も生きながらえている。

 それはつまり、未だにパラティア共和国がこの管理人まで行きついていないという事。


「単純なHPで騙されがちだが、おそらく世界各地の無数のサーバーを経由してこれを投稿している。正義をかざすホワイトハッカー? なるほど、掘れば掘る程に面白い。伊達殿、この管理人……おそらく――」

「――えぇ、【パラティアの日常(あの写真)】は()。まるで自分を探し出せって言ってるみたいですね」

「はてさて、一体どちらに(、、、、)見つけて欲しいのか?」

「パラティア共和国をからかい、誘い出している……という線は弱いですね。相手が相手ですから、自ら命をベットしてまでやるのは考えにくいですね」

「だが、自らの命をベットしてまで呼びたい存在がいる。それ(すなわ)ち……パラティア共和国に対抗出来る者(、、、、、、)


 越田さんがそこまで言うと、御剣さんは緊張のせいかその身体をどっと椅子の背もたれに預けてしまった。


「そんな事……考えもしなかった……」


 ただそうぽつりと零し、自身の目頭をつまんだ。


「そもそも、パラティア共和国という国自体に反抗出来る者がいるなんて誰も思わない。勿論、希望もあったのでしょうが、どう考えても現実的ではない。しかし……見たまえ」


 越田さんは言いながらパソコンを俺に向けた。

 それは、ほんの少し前……20X0年10月10日の夜に投稿された内容。

 ――世界は広い。まさかこんな事が起こるなんて。彼と会いたい。会って話してみたい。それがいつになるかはわからないけれど。


 気付けば、俺の隣で御剣さんもそれを覗いていた。


「こ、これって【天武会】の団体戦の日ですよね? 私が司会した……」

「夜の19時に更新されている。つまり、団体戦が全て終わった後……」


 そう言って、二人は俺をじっと見た。


「だ、伊達さん……」

「伊達殿、呼ばれているよ?」


 ニヤリと笑う越田さんが、どこか恐ろしいが……確かに、俺はこの管理人に呼ばれているようだ。


「なるほど、長らく日本のトップにいた越田高幸を下した新生クラン【命謳(めいおう)】の代表――伊達(だて)玖命(きゅうめい)。確かに、パラティア共和国に一石を投じるにはうってつけの人物と言える訳だね」

「は、はははは……」


 俺が苦笑していると、御剣さんが心配そうな目で俺を見た。


「伊達さん……すみません。こんな事に巻き込んでしまって……」

「あぁいえ、そもそも俺が勝手に首を突っ込んだだけですし、そうじゃなくても、この投稿は既にあった訳ですし……」

「はい……でも……」


 御剣さんが口ごもると、越田さんがぽんと手を叩き話題を変える。


「さて、この管理人については私と荒神さんで追ってみましょう。パラティア共和国に対して共通認識を持ったところで、これ以上の情報がある訳でもない。ならば、建設的な話に切り替えた方が良いと思うのですが、どうですか、お二人とも?」


 俺はそんな越田さんの気遣いにくすりと笑い、一つ頷いた。

 御剣さんも、すっと背伸びしてから「はい」とだけ言った。


「パラティア共和国はあくまで大将。先鋒はあくまで七海……そういう事です」


 ニコリと笑う越田さん。

 俺たちは再び席に戻り、七海建設社長――【七海(ななうみ)総一郎(そういちろう)】について話を拡げる。


「七海総一郎……私立八王大学を首席で卒業し、語学も堪能。会社としての評判も良く、天才の人権も認める超人のような男。仕事も手広くやっていますね。本業の建設業だけではなく、流通は勿論保険、金融、天才事業など様々です。第二のKWNとまで言われる程ですから、その手腕も世界に認められている。そんな七海ですが、本拠地は関西にあります。そうですね、御剣殿」

「え、あ、はい」

「その本拠地の警護任務を受けているのは勿論――」

「――あ」


 思わず零してしまった。

 そうか、関西に拠点があるのであれば、警護任務にはあのクランが付くに決まっている。

 北の【ポ()ット】でもなく、東の【大いなる鐘】でもなく、西の――、


「そう、【インサニア】です」

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