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魔道士の挽歌 その照準は魔法の世界に何を見るか!  作者: Wahrheit2026


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第89話 魔導拳法使いのオーガ マリエッタの前に立ちふさがる!

いつも応援いただきありがとうございます。


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悪魔貴族との戦いに気を取られていたマリエッタは共和国魔導士と敵兵力が接近していることを見落としていた。


聞き覚えのある声と共にエルフ出身の共和国魔導士エルミアがマリエッタの前に立ち札がった。彼女の丁度後ろには先ほどまで戦っていて倒れこんだまま動かないルスベルクの在野が仰向けにあられのない姿で倒れている。


「これはこれは共和国魔女エルミア!エルフが大層な出世をしているのね!」

マリエッタはわざと皮肉めいた口調で言う。


彼女の口調にエルミアの額にわずかにしわが寄った。


「あなたですね!義勇兵に成り済ましてギルドに侵入していたという賊は!?」


「共和国魔女に説明してやる義理はない!そこをどけ!」


「相変わらず他種族を見下すその態度……。帝国貴族の出とお見受けします!」


「勝手に言ってろ、エルフ魔女!」


マリエッタが攻撃魔法を展開しようとして時、エルミアの前に巨体が立ちふさがった。


エルミアと同時に現れた見慣れない巨体の化け物。


身長3メートル以上。

筋骨隆々の肉体に白いマントを羽織ったところからカーツ共和国軍の所属であることは明らか。

頭から牛のような曲がった角が生えた外見からオーガ族の戦士とすぐわかる。

胸に着いた記章から見てカーツ共和国の魔導系部隊の所属か?


「エルミア中尉殿!あなたは別の任務中では!?」

強面に似合わず丁寧な口調。

四股を踏んだような地響きが歩くたびに地面を揺らす。

周囲にはおそらく彼の部下であろう巨体の部下と思われるオーガたちが約10名以上。


「帝国の賊が侵入とあってウィラード大尉に加勢しろと言われましてね♬まさか帝国の大魔女がノコノコと我が国の首都に侵入するとは屈辱ですねえ♬」


「ヴィタール少尉、ここは帝国魔女の足止めをお願いします。私はいかなければならない要件があります!」


「了解いたしましたエルミア中尉殿。どうぞご武運を!」


同時にオーガたちがファイティングポーズをマリエッタに向けて構えたのと同時に、エルミアはそそくさと気絶している全裸のルスベルクの魔女に瞬時に取り出した毛布を掛け、そのまま亜空間へと突っ込んだ。


「それでは。私はこの義勇兵さんを病院へ送りますので帝国魔女への対処は任せますよ」


「了解しました」


オーガたちが一斉に応答すると、エルミアがそそくさと箒に跨り、飛び立った!


「まて、エルフの魔女!」


「待てい!お前の相手はこの俺だああああ!!!!」


マリエッタの前に立ちふさがるオーガたち。


その中の隊長と思われるオーガがマリエッタを見下ろす。

「我が名はヴィタール。南方随一の魔拳使いとはオレ様のことよ!」


「ほおう?共和国はあんたみたいなデカブツオーガまで飼ってるの?初めて見た~(棒)」


「我が祖国、共和国を侮辱するとは……」


「許せええええええんんんんんんんっっっ!!!!!!」


マリエッタは突きをかわす。


が!?


突きの直後に繰り出された中段まわし蹴りが彼女に襲い掛かった!

さらにその蹴りにはすさまじい電撃を帯びていた。


マリエッタはバックステップで引きつつも防御魔法を展開して防ぐ。


だが、若干電撃を帯びた衝撃を感じた。


マリエッタの身にまとうローブは軽くて通気性がよく、冬には保温性の高い優れものであるうえに、攻撃魔法や状態異常系の魔法、即死魔法にも耐性がある高級防具でもあるが、それでもやや電撃のしびれを感じた。

自慢の防御魔法とブルーメントリット家伝来のローブによる防御をわずかとはいえ貫通してダメージを与えてきたオーガの一撃に痛みよりも激しい怒りがマリエッタの中で燃え立つ。


速い身のこなしといい、筋肉ダルマらしからぬ魔力の高さ!

こいつは一体!?


「デカい筋肉自慢だけの脳筋野郎ってわけじゃなさそうね!」


「いかにも、忌まわしき帝国魔女よ!我が雷鳴流魔導拳法は魔法力と闘気を合わせた魔闘気による拳法を極意とするものなり!」


「その雷撃魔法の周波数どこかで見覚えがある。さしずめ白い魔女ウィラードにでも習ったのかしら!」


マリエッタのカマかけにヴィタールは臆することなく叫ぶ。


「よくぞ見抜いた帝国の魔女よ!いかにも我が魔法の師はエレン・ウィラード魔導大尉殿なり!」


両手に電撃魔法を凝縮させ、その上からさらに格闘家の闘気をプラスして攻撃力を高めていく!


この世界において魔法力と闘気はある程度区別されて扱われている。


魔法力は脳内にイメージした事象を現実(リアル)に具現化する能力で、ある程度生まれ持った才能とそれを引き出す教育訓練によって才能が発現する傾向が強い(無論、厳しい鍛錬も当然必要だが)。


一方、闘気は鍛え抜かれた戦士や武闘家、冒険者が持つ戦闘力から派生する気の力で、魔法力とは違い後天的であっても修行によって得られる傾向が強い。

ただし、闘気は精神エネルギーという面では魔法力に近似するが、より物理的な力に近いため、帝国軍の魔導士の卓越した防御魔法にはごくわずかなレジェンド級の戦士や武闘家しか対抗できないとされている。


「我を迎え入れてくださった我が共和国随一の雷撃魔法の使い手。その恩師より下賜されし雷撃と我が闘気を組み合わせた魔導拳法の前には……」


「地上に立ち向かえる生物なぞ存在せんわああああっっっっ!!!!!!!」


マリエッタの前に両手に電撃を帯びたオーガの拳が迫る!



執筆の励みになりますのでよろしければブクマをよろしくお願いいたします。

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