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魔道士の挽歌 その照準は魔法の世界に何を見るか!  作者: Wahrheit2026


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第87話 魔界貴族、空間をねじり切る!

お読みいただきありがとうございます


よろしければ評価、ポイント、感想、ブックマークをよろしくお願いいたします。

「アシュタール・デデルート。魔界貴族の中でも10本の指に入る名門貴族。そんな絶大な魔力を持つ化け物がなぜルスベルクの三下などに憑りついている?」


マリエッタは魔法の杖を構え、意識の中ですぐに銃火器も取り出せるように気持ちを整える。


「この子の強くなりたい、出世したいっている波長が私を呼び寄せた。だから戯れに召喚に応じてやった。ただそれだけよ」


胸元から流れる汗がぴっちりスーツに流れ、テカリが強調される。


「それだけだと?」


「あ~、それとこの子、低レベルだけど結構レアなものを感知する能力は長けてたのね。だから恰好利用価値あるって思ったりもしたっけな~」


「それはそうとあなた、たしかエリカとかいう魔導士の女の子をさがしているのよねえ?」


「・・・・・・」


「黙ってても無駄よ。この体の子は別の国で傭兵やってた時にそのエリカって子に会ってるの」


「何っ!?どういうことだ?」


「アポログラスの傭兵ギルドでエリカって子を見つけて執着したの。けれどこの子は自覚してないけど~、実はエリカって子が気になったのは私なの♬」


「なぜ魔界の貴族がエリカに執着する?」


「しらばっくれないでよ、マリエッタ・ヴァ・ブルーメントリット侯爵令嬢様♬」

「エリカ・ヴァールハイトは伝説のラグナロク鋼をこの世に再び完全な形で復活できる力を秘めし者。その力を解放した時、彼女はこの世のすべてを思いのままにできる」


「何を言っている……」


マリエッタは否定するそぶりをしてぎこちないにらみ顔になった。


それをみて上級悪魔はニンマリと自己満足の笑みを浮かべる。

「私も伊達に何百年も魔界に封印されてたわけじゃない。影を使って表の世界のこともずいぶん勉強したわ。その中でも、数百年前、ヴァールハイト一族が編み出した秘伝の魔法から生まれたラグナロク鋼の存在。これは当時から魔界の貴族の間でのみずいぶん話題になってた代物よ」

「そして、時を同じくして魔界の貴族と共にその力に目をつけ、そして恐れた連中がいた」

「それがあなたたちヴァーンズハイト魔導帝国の帝国貴族たちよ」


「……」


「ブルーメントリット侯爵令嬢。あなた、あのエリカってことずいぶん仲良しみたいだけど~、あなたのホントの目的は何?」


「親友を救出するのに理由などいるのかしら?魔界貴族だからってうざいんだけど!」


「あ~ら、こわ~い、こわ~い♬でも~、ラグナロク鋼をわがものにできたらこの世界、いや下手したら私の故郷の魔界も全部支配下に入れられちゃうかもしれないしねえ~♬そんなことができるヴァールハイト一族の末裔は今や平民階級のはず。そこに帝国貴族の中でもとびきりの名門のブルーメントリット侯爵家の御令嬢様がこれまた魔導兵学校卒業の立場で大卒の士官課程卒のエリカと仲良くってもしか……」


ターンッッッッッッッッッッッッッッ!!!!


マリエッタの右手に握られたCZ・P10から9mmパラベラム弾が放たれ、意気揚々と話す妖艶なぴっちりスーツの魔界貴族の右耳をかすめた。


右耳の先からわずかに青いものが流れる。


「へ~え。それ、エリカも使ってた“異世界”から召喚した武器ね?油断して防御魔法展開するの忘れちゃってた♬直撃すると確かに死ぬわねえ~」



「でもお遊びはここまで」


アシュタールの表情が急に真剣になった瞬間、マリエッタは瞬時に防御魔法の出力を80%まで引き上げた!


直後、彼女のいる空間がグニャリと歪んだ!


「重力自在陣・シュヴェアープンクト!!!!!」


直後、マリエッタのいる空間が雑巾が絞られるようにねじられた!


その場にあった街路樹や自転車、市場の人間が使う打ち捨てられたリヤカーなどが宙に舞い、ネジり切られていく!


マリエッタもそのねじり切られていく空間に巻き込まれていく。


「ポンッ!!!」


アシュタールの叫び声の後、その場には絞られた雑巾そのものの街路樹や屋台の骨組み、馬や動物の残骸などが空中に舞い上がった!


スコールのような音と共にねじり切られた残骸が石畳の道路につもり、動物の血肉も混ざって異臭が立ち込める。


だが、空中からゆっくりまい降りる者が一人。


マリエッタだった。


地上に仁王立ちしたまま、それを上から地面に着地するまでぼーっと見るアシュタール。


「はああ、はあはあ!!」


「お~やあ?私の自慢の魔界呪術を逆方向へ全開に回転してかわすなんて~。風系統の攻撃魔法を身にまとって逆回転するなんて結構奇想天外なことするのね~え♬」


マリエッタは内心怒り狂っていた。


瞬時に防御魔法を出力最大近くにして体をアシュタールの魔術とは逆回転させてねじり切られるのを防いだとはいえ、腕に傷を負わされた。


防御魔法を部分的とはいえ破られたことに痛みより怒りが内心に充満していく。

アドレナリンが脳内に放出され、それが彼女の魔法力と闘気を高めていく!


だが、魔法力と闘気を高めていくマリエッタを見て、アシュタールの顔からもまたおチャラけた表情が消えた。

「遊びはホントおわり。お前、ブルーメントリット家だろうと魔界をなめすぎなんだよ!」


執筆の励みになりますのでよろしければブクマをよろしくお願いいたします。

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