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魔道士の挽歌 その照準は魔法の世界に何を見るか!  作者: Wahrheit2026


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85/92

第85話 妖艶なる悪魔

いつもお読みいただきありがとうございます。


よろしければ評価、ポイント、感想、ブックマークをよろしくお願いいたします。

「はあはあはあはあっっ!!!!」

肩から息をする暗い緑色の魔女帽子とローブ。


マリエッタの降り立ったところは通りから少し離れた石畳の通りだった。


道路の左右は大きな建物が規則正しく並び、主に会社と思しき石造りの重厚な建築が無機質に立ち並んでいる。


大都会のど真ん中であるにもかかわらず、周囲には驚くほど人気はない。

昨日までのにぎやかな喧騒は全く死んだように静まり返り、離れた義勇兵ギルドで起きている火災を消火しようとする消防隊の大声が響きわたっている。


マリエッタは脳内で通信魔法を共和国の魔導放送の周波数に合わせた。


“一般市民の皆様。現在、義勇兵ギルド付近で反政府ゲリラ・スパルタンによると思われるテロが発生しました。市民の皆様は最寄りの共和国軍、警察、民間防衛隊の指示に従い速やかに地下シェルターへと非難してください!”


やはりシェルターへ逃げたのかとマリエッタは納得した。

一般市民はすべて避難しているのは魔法力を使わずともマリエッタには直感だけですぐ把握できていたので聞く必要はなかったが、スパルタンなんて反政府ゲリラは帝国軍の共和国情報リストでも聞いたことがないから共和国の適当なでっち上げだろう。

共和国としても帝国軍魔導士が首都に潜入していたとなれば市民に与える動揺は大きいはずだ。意地でも隠し通すつもりで適当なゲリラが暴れてると市民へ行っているのがすぐわかった。そんな共和国の健気な捏造もぶっ壊したいと、いっちょ大暴れしたい衝動に駆られるのをマリエッタは必死にこらえた。


それよりも大勢の人間に見られることなく目の前の雑魚を片付けられるとマリエッタは逆に安堵する。


マリエッタの目の前に現れたのは最近路地で金を恵んでくれと言ってきたマライア・フローン

ルスベルクの魔導士上がりにして現カーツ共和国義勇兵。

みすぼらしいくたびれたウール地の暗い緑色をした魔女帽子とローブはもはや物乞いといい勝負としか言いようのない見っともなさを感じる。


マリエッタを重力魔法で強制的に空中から地上に引きずりおろした彼女だが、その様子がおかしい。

戦う前から息を切らすマライア。


ただでさえ帝国や共和国の魔導士にはるかに劣るはずの微弱な魔法力しかない3流のルスベルク上がりの在野魔女ごときは本来、帝国軍第一級魔導士のマリエッタを飛行中に地上に引きづり下ろすなどまず不可能。

そのありえないことをやったこと自体が異常な上に、戦う前からすでにマライアの体力、魔法力ともに相当消耗しているのが探知魔法で丸わかりなのが薄気味悪い違和感をマリエッタに感じさせた。



「あんた、戦ってもいないのにもう疲れてるわけ?ドーピングでもしているのかしら?」



「だまれ!私はこの時を待っていた!帝国軍の‥‥はあっ……、第一級魔導士……を仕留めれば……、ワタしゃ認められる!」


「あんたと私じゃ力の差は歴然。素直に引けば命は助けるって普段なら言うとこだけど、私の姿を見られたからには生かしちゃいけないわ」


「それに……」


「お前ごとき三下が私を空から引きづり下ろすなんて絶対ゆるせないい!!!」


脱兎のごとく突進するマリエッタ!


同時に亜空間から取り出した銀製の魔法の杖を伸ばし、先端に強力な攻撃魔法を込める!


薙刀のような氷の刃が杖先端から空に向かって伸び、マリエッタが間合いを詰めたその時、ルスベルクの在野魔女の疲れ切った顔を映し出した!!


ガギッッッッ!!!!!!!!


「!?」


マリエッタはすぐさま後方に飛んで下がった!


マリエッタの魔法の杖先端に薙刀状に展開された氷の刃は間違いなくマライアの首を両断していたはずだ。


だが、その氷の刃が折れた。


魔法力で強化され、業物の鋼の刃をもしのぐ切れ味と強度を持ち、物理、魔法、補助いずれの防御魔法をも貫通するマリエッタの絶大な魔法力を背景にした刃が折られたことにマリエッタは焦り以上に怒りが増していく。


「魔力周波数が異常に乱れてる!魔力急上昇中!?バカな!?辺境国ルスベルクごときにこんな魔力数値の魔導士はいなかったはず!?」


「暗黒の大地よ!!!!!!!まが・・・・まああっだだだだふぁdふぁえええfせふぁえふぁcだdcdcdsかdsかdかsdふぁdsふぁえcふぁsかふぁdsふぁs!!!!!!!!!!!」


意味不明な叫びを挙げた瞬間、マライアの足元から黒いタールのようなスライムのようなものが彼女の全身を包み、全身を覆った。


黒いスライムのような中でマライヤの帽子やローブなどの服がすべて溶けるように消え、裸の彼女のシルエットが像のように浮かび上がり、プロポーションが妖艶さを増していく。


そして、顔の部分が裂けて現れたのは……。


「あはっ、‥・・・、あはっ・・・・。ん~おはじめえましてえ♬」


体のラインがあらわになった青紫と黒が混ざったぴっちりスーツは胸の部分だけが開いてまるでサキュバスのようなきわどさ。


“外見が変わった!?声も!?まさか憑依魔術か!?いや、これは……まさか!?”

平静を装いながらかすかに魔界の匂いを感じ取ったマリエッタの目の前でぼさぼさの黒髪から艶のある青いショートヘアへと変貌を遂げた“それ”は自信に満ちた妖艶な声を上げた。


「帝国の魔女さんに出会うなんて私ヒッさしぶりぃ!楽しませてくれるかしら?割とあなたかわいいし♬」



先ほどまでのみすぼらしい在野魔女とは似ても似つかぬエロテックな魔女がそこにいた。





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