第76話 魔界のチンピラ エリカの手がかり
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「ブっっ、どけええええええ!!!!!!!!!」
マリエッタに後頭部を踏んずけられたままの若い冒険者の剣士は怒りをまき散らしながらうつぶせの状態から起き上がった。
マリエッタは高く飛び上がり、空中で一回転して5メートルほど間合いを開けて路地の硬い石畳に着地した。
元の姿とは違うとはいえ、華奢な少女であることに変わりはない彼女に3人の殺意が集中する。
「なめやがって小娘!!」
「あなたたち誰?」
「ちょっくら俺らにつきあってもらえないかなあ、お嬢さんよおお!!!!」
「ゲスが!」
カッ!!!
狭い路地裏にマリエッタの手のひらから強烈な光が放たれた!
「なああっ!!!!!????」
3人の冒険者風の男たちは一斉に目が一瞬見えなくなった。
光が収束していくと、路地には禍々しい存在が3匹いた。
「ゲエッ!!アニキ、変化の魔法が解けちまった!!!!」
「バカな!!!!俺らの魔法はクソ人間どもとは出来が違うんだ!!!!なぜ人間なんぞよりはるかに上位のフェーズにいる魔族の魔法をなぜ破れる!!!!?」
「小娘ええ!!やっぱ検問所の連中の報告はホントだったんだ!こいつただもんじゃねえ!!!!」
「やっぱ魔界の連中だったか?この世界では表向き活動しちゃダメなんでしょあなたたち?こんなとこで冒険者に化けて私を付け回すなんて理由をお聞かせ願いましょうか?」
マリエッタは亜空間から魔法の杖を取り出した。
杖は帝国軍魔導士の時と同じ立派な銀色の金属製だ。
さらに腰のホルスターからもう片手でチェコ製CZ・P10オートマテックピストルを抜いて魔族3匹に銃口を向けた。
「くっ、結構業物の杖を持ってんじゃねえか!オイお前ら本気で仕留めるぞ!!!!」
「合点!!にしてもなんだその妙なオモチャは!?」
「そうこなくちゃな!!!!!どうせ魔導具の一種だろ!人間風情が作ったもんごときが魔界の我々に通用ると思ってんのか!」
「義勇兵に志願するあたり少しはできるようだが、これに耐えられるか!!!!亜空間マジック・深淵の魔手!!!!」
デーモンは四角い箱のような物を取り出し念じた。
するとその箱は黒く輝きはじめ、黒い手がマリエッタに伸び始めた!
「あ~こわ~い~、たすけて~(棒)」
マリエッタはそのまま箱の中に引きずり込まれた。
同時に手にしていた拳銃を地面に落とした。
「ひゃっひゃっひゃ!!!こりゃ傑作!案外あっけなかったなあア!!!!」
「こいつに引きずり込まれりゃお前は俺らがOKするまでこの亜空間から逃げられねえ!!!」
「どうする?このままブラディボロン大佐の元へ連れてくか?こいつ結構見た目も上玉だぜ!」
「そうだな、こいつは異常な魔法力と言い、“尋問”が必要だ!!」
「なあ、この小娘が持ってたこの妙な武器はどうする?これって?」
「ブラディボロン大佐に報告しよう。報告書で見た記憶がある。こいつは恐らくルナ・クロムシュタットを仕留めた帝国軍の元魔導士エリカ・ヴァールハイトが使ってた武器と同じだ。こいつももしかしたらエリカの関係者かもしれん」
「エリカと同じ!?そりゃ重要だぜ。それとアニキ、エリカとかいう元魔導士はホントにこのカーツに囚われてるんですかい?」
「間違いない。微弱だがブラディボロン大佐から渡されたエリカの魔力周波数の波形を増幅探知機に入力すると統合情報局と第一軍病院あたりから微弱な反応があるんだ」
「しかし、相手は帝国より弱いって言ってもあの白き魔女のウィラードと、狂兎のエルミアですぜ?魔界の俺らがビビるほどはないとは言ってもカーツの実力者がエリカとかいう娘とぴったり張り付いてるって情報は……」
ガタガタガタガタッ!!!!!!
地面に置かれた特殊アイテム・深淵の魔手が妙な音を立てて揺れ動き始めた。
「その情報を詳しく聞かせてもらおうかしら!」
「!!!!!!!???????」
封印された亜空間キューブ・深淵の魔手の中からマリエッタの声がした!
やがてキューブにヒビが入り始めた!
「アッ、アニキ!!!!やばい!深淵の魔手の表面にひびが!!!!」
「嘘だろ!!まじい!!亜空間が破られるぞ!!!!」
「ひいいいいいいい!!!!!!」
ドグアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!!
派手な音と共に四角いサイコロ上の黒いキューブは爆散し、中からマリエッタがさっそうと現れて静かに地面へと着地した。
衝撃でデーモンの一人が落としたP10を回収してスライドを引き、手を放した。
スライドが元に戻り、チュンバーに第一弾が送り込まれた。
「白き魔女と狂兎が何ですって?」
「おっ、お前!?何者だ!!!在野の魔法使いごときが俺らの亜空間封印マジックを破れるわけねえ!!!!」
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