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帝国に裏切られた最強魔導士は、異界の銃で反逆する  作者: Wahrheit2026


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第61話 カーツ軍病院の真実とエリカの揺らぎ

お読みいただきありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価、ポイントをよろしくお願いいたします。

【第61話から第62話】 エリカが軍病院内やカーツ共和国の首都を案内され、帝国との価値観の違いを知る回です。 異種族の医療、難民受け入れ、そして魔導士の不祥事裁判──エリカの常識が揺らぎ始めます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


目を覚ましてからの三日間、私は“自由”という言葉を一度も思い出せなかった。


意識を取り戻してから3日間、私はその部屋に軟禁された。


とはいってもトイレには自由に行けたし、食事は例のエルミアと名乗った共和国魔導士が運んできてくれた。


この少女はただものでないことは直感で分かる。

気をつけないと取り込まれる!

恐らく相当高度な尋問官としての資格持ちだ。


「は~い♬エリカさん、あ~ん♬」


昼食の時、ベッドの横で彼女は私に頼みもしていないのに食事の世話をしてくる。


「自分で食べられるわよ!共和国魔女!」


「ひっど~い♬せっかく看病してあげてるのにイ~♬」


こんな感じで馴れ馴れしく私の心を揺さぶってくる。


エルフは外見よりはるかに年を取っている種族だが、この少女も実年齢ははるかに上だろう。

狡猾な本性を隠し持っているに違いない!

こっちからも会話の主導権をとらないと!


「それはそうとエルミアと言ったわね?」


「はい♬魔女魔女って言ってたエリカさんがやっと私を名前で言ってくれましたね~♬」


「あなたはどこの出身なの?」


「ここカーツから北西にあるルミナスゼーラント地方出身です♬」


「前から知ってはいたけれど、カーツはあなたのような異種族でも魔導士になれるのかしら?」


「もちろんですよ♬我がカーツ共和国は実力があって我が旗のもとに忠誠を誓う者ならば種族なんて関係ありませんから♬」


心に違和感があった。


戦闘の時や情報部からの書類、写真を見て時々感じてはいたが、よくカーツは異種族を“正規軍”に迎え入れられるな、と。


他種族などいつ裏切るか分かったものではないのに……。


私がそう思ったのと同じ時に、一瞬だけ、エルミアの笑顔の奥に冷たい光が走った気がした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日の昼食後。


「ちょっとこの病院内を見学しませんか?何日もベッドの上じゃしんどいでしょう♬」


エルミアの突然の提案。


丁度体も回復してきた感じだし、この病院の内部を探る絶好の機会だ。

私はエルミアの提案を受け入れて、2人でこのカーツの病院内を見学することになった。


建物はかなり頑丈な雰囲気で、攻撃魔法の爆撃などにも耐えられる様子であることは柱の構造などから分かった。


階段などに地下には防空壕があることも明記されているのを確認できた。


すれ違う看護師や医師には人間種の他にエルフ、ウンディーネ、セイレーン、果てはゴブリンやアンデッド系の奴までいる。


「ねえあなたたちカーツはこんなに異種族を入れて大丈夫なの?」


「何を言っているんですか?優秀な存在に種族なんて関係ありませんよお~♬個人の存在が肝要なのですよ~♬」


「………」

“……帝国では、こんな光景は絶対に見られない”


気持ちを切り替えて病棟を見たいと言うとエルミアは快く応じた。

病室にはけがをした者が多く入院しているがこれまた種族は様々だ。


「あの者たちはあなたの国の兵士とか魔導士なの?」


「はい、帝国軍やその他の国、または野盗集団との戦いで負傷した者たちです。」


「本当に色んな種族がいるのね、看護師もエルフからセイレーンまでいるし」


「我が軍は味方の兵士を決して見捨てませんから♬それに戦火に追われてきた難民たちも受け入れているんですよ♬」


「………」


“帝国ではまず考えられない”

“そんなことをしていて帝国に勝てると思っているの?”


ふとエリカの心に無意識の声が響いた。


情報部の報告である程度は知っていたが、これほどまで雑多な存在を取り込んで敵ながら大丈夫なのか?


エリカはふと思った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・


さらに翌日。


コンコンコンッ!


ノックの後でゆっくりと開くドア。


「入っていいかな」


ベッドで新聞を読んでいた私は思わず身構える。


聞き覚えのある声。


白き魔女・エレン・ウィラードだ!


エレノアは即座に立ち上がって共和国式敬礼をウィラードにする。


ウィラードも神妙な面持ちでエレノアに敬礼する。


「エレノア魔導中尉、エリカ君の状態はどうだね?」


「はい♬私の看病のおかげでだ~いぶ良くなりました♬でもエリカさん、いつまでもムス~としたまんまで親しくお話してくれないんです~♬」


「そろそろ回復してきたかな、エリカ君」


「……なぜ私をここに連れてきたの?」


「前から言っている通りさ。けれど私は事実を君に明らかにしたい」


「というわけで君の体力も回復してきたところだし、今日は私とエレノアで我が国の首都ルースの観光案内をしようと思って来たんだ」


「観光?私を尋問するために来たの間違いじゃないの?」


「もちろん深いお話をしたいのは山々さ。だがその前に君を信頼している証として、お話をじっくりする前にこの国をご案内しようと思う。もう歩けるだろう?ついてきたまえ」



ウィラードがそう言うと、私はエレノアの強制的に私服に着替えさせられて、病院前に止まっている馬車に乗せられた。

ウィラードの横顔は、どこか観察者のようだった。


ウィラードは統合情報局マクリーン大佐と極小魔法力を用いた秘密通信魔法で脳内で会話する。


「ウィラード、エリカの状態はどうだ?」


「順調に回復しています。このまま頃合いを見計らって尋問の時には亡命者の彼女も併せて引き合わせましょう」


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