第60話 カーツ共和国軍病院での目覚め
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“う……、こっ……ここは……!?”
まぶたをゆっくり開けていくと目の前に見えたのは真っ白な光景。
私は死んだのか……!?
たしか、マリエッタとカイザーノートへ亡命するためにアポログラスで……。
それで確かルナ・クロムシュタットと戦って……。
うまく思い出せない。
頭がフラフラして回らない……。
「よかった、意識が戻られたんですね~!」
誰かの声がする。
聞いたことのない女性の声。
声からして少女の声とは分かった。
一体誰?
そうこうしているうちに私は声の主に背中に手を回されて抱き起こされた。
しばらく彼女に支えられて半分起き上がった状態のままでいると、ぼんやりした眼がはっきりしてきた。
そこはどこかの建物の一室だった。
壁一面真っ白で、私はそこのベッドに寝かされていた。
ベッドは私が寝ている一つのみ。
隅に瀟洒な木の机といすが置かれている所や、本棚が2つ置かれ、すべての棚に何かの書類のファイルが置かれている。
私は自分を抱き起してくれた人物の顔を見た。
それはエルフだった。
透き通るように肌が白く、エルフ族特有の長くとがった耳。
そして、魔女帽子は被っていないが、彼女は全身白いローブにブーツを履いた姿だった。
カーツ共和国の魔導士!?
私は飛び起きてベッドから降りようとした!
「待ってください!!まだあなたの体は!」
ごきっ!!!
「いーーーーーーーっっっっ!!!!!!!」
着地に失敗して私は足をぐねってしまった!
「あなたは大尉が調合した魔導睡眠薬で3日間眠っていたんです。大尉の魔法薬は強力ですからまだ寝てないとダメですよ~」
魔法箱!?
どこだ!?
…ない!?
銃を収納してある魔法箱がない!・
服は病院の患者が着るような真っ白な服に着替えさせられていた!
私の装備はどこにも見当たらない!
CZ75もない!
また周囲を見渡すと、どういうわけか、壁に打ち付けられたフックには白い魔女帽子がひっかけられており、白いローブがハンガーにかけてあった。
その真下の床には白いブーツもあった。
「あっ、着替えは私が担当いたしました~♬。同じ女の子同士ですから大丈夫ですよ~♬」
「そういう問題じゃない!ここはどこ!?私の装備は!?」
「ここはカーツ共和国首都ルース、第1魔導軍病院です」
「紹介が遅れました。私はエルミア・ガントレットと申します~♬」
「あなたは……、カーツの魔導士!?」
「ええ、カーツ共和国第一級魔導士ですよ~♬」
エルミアと名乗った少女は胸に着いたカーツ共和国の第一級魔導士記章を自慢げに見せる。
「あっ、身の回りのことは何でも私にお申し付けくださいね、帝国軍第一級魔導士エリカ・ヴァールハイト魔導大尉殿♬」
「なぜ、私の名前を!?」
「あなたは大切な捕虜なんですから。間違ってもここから逃げ出そうなんて考えないでくださいね~♬」
屈託のないウブなエルフの少女の笑顔。
そのほほえみはエリカにしかし、底知れぬプレッシャーを与えた。
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