第58話 灰となって散るルナ
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「そ‥…、それは……言えない!」
「なぜだ!」
私はエリクサーを懐に仕舞い、バーレットの銃口をルナの顔に向けた。
弱弱しい暗い顔。
だが戦場で油断したら負けだ。
舐められるよりも恐れられよ。
この言葉を私は心の中で繰り返す。
「レンゲンカンプとお前の関係は?」
「……」
ルナは答えない。
私はバーレットを左手で抱えつつ、右手を腰に回した。
タンッッッッッッッ!!!!!
「ぐわっっっ!!!」
エリカは腰のホルスターから抜いたCZ75の引き金を即座に絞り、破裂するような乾いた音を立てて9mmパラベラムがルナの右足に食い込んだ。
血が流れるがルナは動けない。
魔法力が急激に減少し、彼女の体からデーモンの皮膚や形態は完全にリセットされていた。
「あなたは私を執拗に追い詰めた。“高度な尋問”をされても文句は言えないはずだ」
「あなたとレンゲンカンプの関係は?」
「れ、レンゲンカンプ様には……孤児院でスカウトされた……」
「レンゲンカンプ侯爵は魔界とのつながりがあると聞いたことがあるわ。知っていることを話なさい」
マリエッタが尋問に加わる。
「魔界のことは……、レンゲンカンプ様が人間やエルフなどの若い娘などを……狩り集めて引き渡している……。私は何度か魔界国境のバアルシュタットに行っただけで・・・・・・、」
「ヴァールハイトの一族……、それが生み出したラグナロク鋼は……、特別なものであるということしか聞いていなかった……。こんな……第一級魔導士の防御魔法をも破る力があるなんて……聞いてない……」
「おまけに私の魔界の力のコントロールは完璧であるとレンゲンカンプ様直々に言っていただいていたのに……。魔装薬の純度は高かったのに……。お前のラグナロク鋼に魔界の魔力すら解除する力があるなんて聞いていない……」
「私を投獄したのは誰なんだ!?」
「レンゲンカンプ様だ……。理由は……ただお前が危険だと。それ以外は私たちも知らされていない……。私たちはランクが低いから……、エーデル様あたりなら知っているかもしれない……」
「うぐはっ!」
ルナは大量の血を吐き出し、体が急激に干からび始めた!
魔族の死の直前に似ている!
いや、もしかしたら都合が悪いことを言うと自動で死ぬようにプログラムされている呪詛魔法が発動したか!?
どちらかは分からないが、私は急いでエリクサーをルナの口に入れる。
マリエッタも最高位の治癒魔法を全開にした。
呪いの解除魔法もマリエッタは可能な限り施す。
だが、異常なうめき声をあげた後、ルナは骨と皮だけの状態と化し、やがて全身が白い灰になって舞い散った。
その光景を見ていたウィラードは密かに結界を部分解除し、2人に気づかれないように緊急通信魔法を発信した。
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