第52話 ウィラードの提案と追跡するルナ・クロムシュタット
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6階の廊下、そして大きなホールを私たちは走る!
既にこのホテルの間取りはある程度把握済みだ。
この先に別のVIP専用の非常階段がある。
「おっ、おいここはVIP章を見せてくだ・・・・・・」
マリエッタが瞬間的に催眠魔法でポーターを眠らせた。
先ほどの銃撃音や攻撃魔法の派手な炸裂音にもひるまずVIPフロアへの入り口を守り続けている所はプロ意識が高い。
この先に行けば……!?
曲がり角を曲がったその先に先ほどいた白い魔女帽子がいた!
「おっ、おまえはウィラード!?いつの間にここまで!?」
「ここに来ると思ったよ、帝国の魔導士さんたち。君たちがなぜ同じ帝国の魔導士に追われているのかはまああえてここで聞くのは止めておこう」
「また性懲りもなく私たちの前に現れるとは、ここで成敗する!」
マリエッタが襲い掛かろうとした時、ウィラードは初めて懐から伸縮式の杖を取り出した。
それを鋭くマリエッタに向ける。
「おいおい、命の恩人にその態度はないだろう。今言ったように君たちは同じ帝国の魔導士に追われている。しかも君ら分からないかい?」
「このホテルには結界を張った。まず外部への通信魔法をすることは不可能な状態だ。しかも、ドアも完全に封印した。あらゆる攻撃呪文でも壁やドアをこじ開けることはクラス15以上の魔法でもない限り不可能だ。そして、この国の治安警察や傭兵魔女たち、さらには見た所君らの味方のはずの帝国魔導士の連中も第2級魔導士が主力だし、第一級魔導士もあのルナって子が一人みたいでそこまでのクラスではない。つまり君たちの存在をはっきり見た連中は今このホテルの中に閉じ込められてるってわけさ」
「……要は私たちを助けたってわけ?」
エリカの冷静な声にウィラードは笑みを浮かべた。
「そう解釈していただいて結構」
「理由は?私たちに何を望んでいるの?」
「私にご同行願いたい。君に我が共和国の旗の下で働いてほしいってわけだ」
「ふざけるな白い魔女!」
マリエッタが憤怒の形相で怒鳴る。
「とはいえ君たちは私のおかげで助かったわけだ」
「そ、それは……」
「君たち、どうやら帝国軍の癖に帝国軍に追われているようだね?それじゃあここから脱出する点においては共闘できる理由くらいにはなるんじゃないかい?」
「あなたはあなた一人で脱出すればいいでしょ白い魔女!私たちと日々死闘をしていたあなたが弱者の振りしても説得力などない!」
マリエッタが啖呵を切る。
「いやいや、そうしたいのは山々だけど、私もあのクロムシュタットって子はちょっと厄介でね。いろいろ彼女のことも調べたんだけど、どうも私でも手こずりそうなところがあってねえ……」
あの白き魔女がルナ・クロムシュタットに手こずるだと!?
エリカはいぶかしげに思った。
ルナ・クロムシュタットはたしかに戦闘力・魔法力は優秀だ。
けれど兵学校や私のいた課程より傍流で平均値的には私たちより低い。
たしかに裏で何かをしているという噂は聞いたけど、最後に魔力を測定した時は私よりも低かったし……。
「おっともう来たよ。ここは3人で協力しないと厄介かな?」
私とマリエッタがウィラードの言葉にハッとして後ろを振り返ると、そこには部下5人ほどをひきつれたルナ・クロムシュタットが息を切らしながらすさまじい形相でこちらを庭見つけていた!
「はあ、はあ、はあ!!!!姑息な逃げ方をしやがって逃亡魔女がああ!!!!」
ルナ・クロムシュタットの表情に何か獣じみた狂気の影が宿っていた。
廊下での対峙。
距離100メートル!
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