第42話 カイザーノート脱出への手引き
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「エリカ、話があるの」
マリエッタの神妙な面持ちにエリカは緊張する。
“まさかウィラードとのことがばれた!?”
「昨日父上とお話しして、あなたを早めにより安全な中立国へ逃がそうということになったの」
エリカは恐る恐る聞く。
「……それはどこに……?」
「カイザーノート共和国。あなたも知ってると思うけど、アポログラスに隣接する中立国で、アポログラス以上に政情が安定しているところよ」
「父が円卓会議の情報を教えてくれたの。どうもあなたとあなたの家をを陥れているのはレンゲンカンプの仕業だと父は断言していたわ」
マリエッタの口から出てきた男の名前に一瞬エリカは背筋が緊張した。
慌てて平静を装う。
エリカはレンゲンカンプのことを詳しく知らないふりをする。
「レンゲンカンプってあの円卓会議の議長をやっている帝国貴族筆頭の?」
「そう、けれどあの人は貴族の中でも黒いうわさが多いのよ。私の家の情報部もあの人の裏の顔を探ってみているんだけどいまだ分からないことが多い。けれど確かなことはあなたとその家のヴァールハイト家を目障りな存在として潰す気でいるということはたしかよ」
「カイザーノートはアポログラスより安全だと父上は言っていたわ。大至急別人の身分証明書を手配するからエリカもいつでもここを出れる準備をしておいて!」
「エリカ、それはそうとエリカ、それらは何?見たこともない物だけど……」
マリエッタは私が机の上に置いていたモーゼルなどへ視線を向けていた。
「実は……」
私はこの隠れ家にあった異世界の武器を見せ、事情を説明した。
「へえー。異世界の特殊武器みたいのものなのね?ううっ!結構重い!」
マリエッタは召喚した物の内、MG42と呼ばれる大型の物を手に取った。
どうやらウージーと同じく連射ができる銃らしい。
しかも、矢はモーゼルと同じ大きさの物を使う。
「その魔導書の魔法は読んだ者の危機を打破する物を召喚するやつよ。これらはエリカの望みにしてあなたの危機を打ち破る力だということだわ」
マリエッタは特に問題視する気配を見せない。
何故かそれ以上聞くこともなかった。
マリエッタはその日一旦実家に戻り、それから2日後に再びやってきた。
荷物は異世界の武器を含めて魔法箱のより大容量の物をマリエッタが用意してくれたのでそれに詰めた。
ブルーメントリット侯爵が作らせた身分証明書を私にくれた。
マリエッタはへんげの魔法でお互いの顔や魔法周波数を偽造する。
2人は隠れ家を引き払い、中立国カイザーノート共和国を目指す。
だが、カイザーノートへはアポログラス共和国を横断する必要があるため、敵との会敵も予想されるリスクありなルートを通らざるを得ないのが心配だ。
ウィラードのところへは行くことはないだろう。
アポログラス内を通過するのは心配だが、これだけ身なりを偽れば大丈夫だろうマリエッタの魔法は一流だし。
この楽観的な見立てはこの後、無残に崩れ去ることになる。
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