第39話 ブルーメントリット家の憂鬱
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「失礼します」
「マリエッタか。入れ」
首都郊外にあるマリエッタの実家・ブルーメントリット家の宮殿。
重厚な彫刻が施されたドアが開き、魔導士の姿をした少女・マリエッタ・ブルーメントリットがその部屋に入ってきた。
向かい合うはマリエッタの父・ブルーメントリット侯爵。
「父上……」
マリエッタの不安げな声にブルーメントリット侯爵はすぐに察する。
「言うまでもなくここは強固な魔術結界を張ってある。誰にも盗聴盗撮される恐れはない」
「父上。円卓会議の様子はいかがでしたでしょうか?」
「うむ、レンゲンカンプは肝心なところでシッポを出さん」
「だがマリエッタ。そろそろ彼女を隠れ家から別の中立国へ移した方がいいかもしれん」
「何かあったのですか?」
「レンゲンカンプの一味がルナ・クロムシュタットに彼女の捜索を命じたそうだ。すぐには発見されないだろうが、奴らはあらゆる非合法手段を用いる。おまけに奴は本来禁忌である
魔界とのつながりがあるとも言われている。エリカ君の居場所がばれるのは正直時間の問題かもしれん」
「では?」
「レンゲンカンプの一味に突き止められる前にエリカ君を逃がすんだ。場所は中立国のカイザーノート共和国がいい。身分証などは手配する」
「隣国のアポログラスはダメなのですか?」
「前から薄々気づいていたが、今回の会議でアポログラス上層部とレンゲンカンプは結託していることがはっきりした。先日カーツの魔導士がアポログラス上空を威力偵察した際、本来中立国であるアポログラスに存在しないはずの帝国軍魔導士部隊が迎撃したとのことだ。要はワルキューレXがアポログラスにいたことはほぼ確定した」
「分かりました父上。」
「くれぐれも感づかれないようにな」
マリエッタは一礼し、部屋から退出する。
ブルーメントリット侯爵は窓から外を見て、苦虫をかみつぶしたような表情をした。
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