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帝国に裏切られた最強魔導士は、異界の銃で反逆する  作者: Wahrheit2026


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第35話 隠れ家への招かれざる客

お読みいただきありがとうございます。


執筆の励みになりますので、よろしければブックマーク、評価、ポイントをよろしくお願いいたします。

あれから早馬を飛ばした。

5時間も歩いてギルドに戻ったばっかりで疲れていたが、それでもあの国を早く離れたかった。


偶然ではあったがアリスと再会できた。

けれど明らかにおかしかった。

まさか帝国貴族か大神官どもに何かされたんじゃ!?

いやきっとそうだ!!

マリエッタが色々探ってくれてるって言っても帝国貴族は狡猾で質が悪いからそうそう尻尾を見せる存在じゃない。

大神官どもも神々を祭るとか言って裏で何をやっているか分かったもんじゃない!

何とかしてアリスを助け出さないと!

けど、どうやって……。


エリカの葛藤は馬上でも続いた。


途中、モンスターや人気のないところを選んで仮眠をとる。

手にはウージーを持ち、腰からもCZ75をいつでも抜けるようにしておく。


翌日、さらに早馬を飛ばして昼頃にようやく隠れ家の近くまで来た。

馬を目立たない林の中につないだ。

周囲に何かの気配がないか意識を集中して警戒する。

しばらく歩くとようやく隠れ家が見えてきた。

そのまま近づく。


中に人の気配!?


私はウージーの安全装置と呼ばれるレバーを連続で矢が放てる位置にした。

右手だけで操作できるのは楽でいい。

すでに矢が32個入るマガジンという箱は柄の中の空洞に差し込んである。

この“さぶましんがん”と呼ばれる銃は“けんじゅう”とよばれるCZ75などと同様に握る柄の中が空洞になっていて、その中に矢を込めたマガジンという箱を差し込むようになっている。

そして、上部に付いたコッキングレバーと呼ばれるレバーを手前に引いて離した。


ダンッ!!!!!

ドアを蹴って内部に突入した!


!?


部屋は真っ暗。


誰もいない……。


そんなはずは……。


大幅に封じられているとはいえ、かすかに魔力の反応と人の気配を感じた。


魔導士だった勘からほぼ間違いなくどこかの魔導士の気配だ。


「おかえりなさい、ずいぶん荒っぽい帰宅だね」


後頭部に固いものが押し当てられた。


間違いなく魔法の杖だ。


今、攻撃魔法をこの至近距離から撃ち込まれたら間違いなく私は絶命するだろう。


だが、なぜか後頭部からその違和感がすぐに消えた。


魔法の杖の持ち主がそれをひっこめたからだ。


「君の家に勝手に上がり込んだ無礼をお詫びする。けれど我々は戦争中なのだから、これくらいは非礼にならないだろう」


私は顔を横に向けた。


そこには、白い魔女帽子にローブ、ブーツと白一色の魔導士が私がいつも座っている椅子に足を組んで座っていた。

暗くてもその真っ白な服装で部屋は不自然に明るい感じがする。


白い魔導士は右手の指をパチンと鳴らした。


すべての照明用ロウソクとたいまつに一瞬で火がともった。


「……お前はまさか!?」

目に飛び込んできたのは見覚えのある顔。

私は最大級の警戒態勢に入る。


忘れるに忘れられない……。目の前にいたのは数多くの第一級魔導士の仲間を屠り、捕虜にしたカーツ共和国の白き魔女!

我々の宿敵として帝国の魔導士が血眼になってその首を狙う大魔女!


「お前はカーツ共和国の白き魔女・エレン・ウィラード!?」


「その名は好きじゃないな~。カーツ共和国第一級魔導士エレン・ウィラード魔導大尉と呼んでくれたまえ、ヴァーンズハイト魔導帝国第一級魔導士エリカ・ヴァールハイト君」

「魔女なんてのは第一級魔導士にとって最大級の侮蔑用語だよ。まあお互い相手をそう罵り合うのが戦争だから仕方ないけどね」



「なぜ、おまえがここに!?」


「いやね、君とちょっと……」


私は手にしていたウージーの柄を握りこんだ。

握ると同時にグリップセイフティと呼ばれる誤って矢を発射するのを防ぐ安全装置が解除された。

そのまま“とりがー”というレバーに指をかけ、それを絞ろうとした。



ダッ!!


しばしの静寂。


私の喉笛に突き付けられた彼女の手刀。


貫手の先には強大な攻撃魔法が込められている。


電撃系のかなり強力な魔力を貫手の指先に凝縮している。

もしこれに貫かれれば喉を貫通するのみならずそのまま全身黒焦げになって灰と化すだろう。

格闘技と攻撃魔法を組み合わせた極めて高度な魔導武術の達人と見た。

「ゆっくりと、そのみたこともないけれど多分殺傷力に優れた武器をこっちに渡すんだ。さもないとどうなるかは君も魔導士ならわかるはずだ」


私は言う通りに従った。


ゆっくりとウージーを彼女に手渡す。


それを受け取ると白い魔女は瞬時にバックステップして元の椅子に座った。

ウージーをそのまま机の上にゆっくり置いた。


「やれやれ待ってくれよ、今日は戦いに来たんじゃない。君らとお話に来たんだ」


こいつはカーツの魔導士だ。

絶対に帝国から逃げてきたことをしゃべるわけにはいかない。


「黙れ!我々はお前たちと戦争中なのだぞ!話などと!?」


「君、どうも帝国から逃げてきたようだね?」


!?


必死で動揺を隠す。

だが、白き魔女は全く意に返さない。

「約2週間ほど前、帝国首都リヒテンブルク近郊の厳重な帝国軍の監獄に北方魍魎国のアンデッド軍団が奇襲をかけたという情報が私の耳に入ってね。その際にどうもそこに囚われていた魔導士が脱走したと聞いたんだ」


「エリカ・ヴァールハイト君。君に提案したい。我が共和国に来ないかい?」



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