第33話 カーツ共和国偵察飛行隊の報告
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アポログラス共和国首都上空付近での傭兵集団と領空侵犯したカーツ共和国魔導士飛行隊との激戦の後、約2時間後。
カーツ共和国魔導士飛行隊は既にアポログラスの領空を離脱し、その他の国を経て母国カーツ共和国領空内に入った。
「全員通信魔法封鎖を解除!話していいぞ」
先頭を飛ぶ偵察飛行隊隊長・カーツ共和国マロリー魔導大尉は言った。
「ふうっ!思った通り帝国軍は中立国に潜んでいたな!ヒギンズ少尉、証拠写真は撮れたか?」
金髪のロングヘアをたなびかせてマロリー大尉は言った。
年はかなり若く、その美貌は部下にも非常に人気が高い。
「ばっちしですマロリー大尉!これでマクリーン局長もお喜びになるでしょう!」
マロリーの副官ヒギンズ少尉は赤髪のショートヘア。
魔導映写機を片手ににやける。
マロリー大尉は箒に跨りながらポケットから干し肉を取り出してかじる。
ウイスキーを入れた小型のボトルも開けて飲んだ。
ヒギンズ少尉が神妙な面持ちになった。
「局長の指摘通り、帝国軍はアポログラス近郊に秘密工場を持っていましたね。今日は航空写真だけですが」
「それを撮りに行っただけでわざわざ魔導士の飛行戦隊がお出ましとは色々面倒な感じだな。だがこれでアポログラスの中立違反が明らかになった以上、我々の戦略は大きく前進するぞ」
「それだけではありませんマロリー大尉」
「何だヒギンズ少尉。率直に言ってくれ」
「傭兵集団の中にかすかですが妙な魔力周波数のする奴がいました」
「妙な周波数?そういえば何か違和感があるのがいたな。傭兵は魔導士上がりの年金の足しにするために働く奴か、在野のゴロツキみたいなのがほとんどのはずだが、一人妙に周波数を隠しているのが確かにいた。最も昔魔導士だったのが在野に堕ちてロクなことをしていないのはごまんといるから不思議ではないが、にしても妙な違和感はした」
「それが我が軍のデータベースと照合したところ、帝国軍の魔導士に一致する可能性のあるのがいたのです」
「……、気になるな。とりあえず統合情報局に転送しておけ。何かの役に立つかもしれん。マクリーン局長もウィラード魔導大尉も帝国の魔導士に関する情報はどんな些細なことも教えろと言ってたからな。帰ったら報告書も書かんとならんからしんどいな……」
ヒギンズ少尉は飛行しながら到着に先駆け、統合情報局マクリーン局長へと不審な魔導士の詳細な情報を通信魔法で送った。
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