第30話 ”親友”との再会
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“まずいな、魔法玉の消耗が予想より早い。早くここを離脱しないと!撃墜されたフリでもするか……”
エリカが考えていた時、別方向から新手が来たという他の連中からの知らせが入った。
「帝国軍だ!!帝国軍の魔導士部隊が・・、ぎゅわ!!!」
“帝国軍だと!?”
“そういえばさっきから共和国の魔導士ばかり。町の上空でいた帝国の魔導士は一体どこから出てきたんだ?”
私は急いでいて出撃直前の帝国軍魔導士が上空を通過していったことで見落としていた。
<一体、帝国軍魔導士部隊はどこから来たのか?>
警報が鳴り始めてから共和国の魔導士が侵入してくるまでしばらく時間があった。
だが、帝国の魔導士たちはいきなり首都上空を飛んでいた。
おまけに……。
帝国軍魔導士の侵入をさっきのギルドでは係員の誰も言っていなかった……。
悪寒がしたエリカはとっさに懐から酸味のきついベアベリーの実を口に放り込む。
第一級魔導士になる前から悪寒がするときは大抵かなり良くないことが多いとエリカは直感していた。
考えながら箒を飛ばす!
魔法力を制御しないとまずくなると分かっていても、何か嫌な予感がする!
“見えた!?“
敵との距離約3キロ!
他の魔法使い、在野たちも既にエリカの前方を飛んでいたが、エリカは迷わず彼女たちを追いこして飛ぶ。
既に一部の在野たちは帝国軍魔導士たちと交戦していた。
だが、そのほぼすべては帝国軍側の重火力になすすべもなく墜とされていく。
燃えながら落ちる魔女帽子や箒の横を黒焦げや氷の矢が深々と突き刺さった在野の死体が先に落ちていく。
空中には燃えたり、破れた主人のいない魔女帽子がひらひらと飛ぶ。
帝国軍や共和国の魔導士たちは自身に勝負を挑んで撃墜されていく在野の魔法使い、魔女の帽子が舞う光景を俗に“紅葉狩り”と呼んでいる。
そして。
エリカには見えた。
帝国軍魔導士の中に見覚えのある顔を。
「あれは……!?」
「アリス!!!」
アリス・デーレンフェルト。
エリカの学校の同期。
マリエッタと並ぶ彼女の唯一無二の親友。
その姿をエリカはすぐに分かった。
アリスは空を飛ぶとき、微妙に癖のある飛行をする特徴がある。
「おっおいちょとまてお嬢ちゃん!!!!!」
ルスベルクの在野の声がしたが無視する。
アリス、無事だったんだ……。
今は正体を隠しているけど何とかコンタクトを取って……。
私は彼女が交戦中に一人になる瞬間を狙った。
通信魔法を切る。
「アリス!」
私は戦闘中のセオリーを無視して彼女に話しかけた。
並行して飛ぶ。
彼女は魔女帽子を深めにかぶって半ば顔を隠していた。
「アリス!私よ!!聞こえてる!」
エリカの言葉に返ってきたものは。
「誰ダ、オ前ハ!」
「ああ、今のままじゃだめか!?」
私は身バレする危険も顧みず、懐に仕舞ったへんげの石に念じて変装を解いた。
私の顔が元の顔に戻っていく。
「私よアリス!!エリカ・ヴァールハイト」
アリスの目に光がない。
表情は無表情のままだ。
「アリス!?私が分からないの?一緒に卒業した……」
「帝国ノ敵!コロス!」
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