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アリーナ殺人事件  作者: たま


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9/16

樹莉

「あんまり評判良くないね、樹莉さん。」ミー子が平間くんに話す。「ああ、アイツの客は分かりやすくお色気に弱い奴だから。スケベしか寄り付かないよ。

キャンサーの騎士ってのは、お色気に弱いんだろ。少年には、ありがち。」とフムフムと知ったかしてる。

「本当にスケベな女は色気振りまかないんだけどね。」とチラッとミー子を見る。

「色気振りまく奴は、金好きで依存体質の奴なんだよ。さつきの奴、年上だしシッカリしてるしイッコー味だけど男気強いじゃん。決断早くて。」平間くんが説明する。

「ああ言う断定的に話す男に依存体質の女は弱いんだよ。お袋がそうだったから分かるよ。色気振りまくのはスケベだからじゃない、愛情不足を色気をエサに解消しょうとしてるだけ。」平間くんが少し悲しい顔になる。

ミー子は人目のない場所で、そっと手を握る。

「ありがとう。いい情報手に入ったよ。彼女の事務所行こうよ。話せるかどうか分からないけど。ねっ」平間くんが少し元気になった。

「おう、メールしたげるよ。水餓鬼だと名乗ったら会ってくれると思うよ。アイツの事務所、弱小だし。」と悪そうに笑った。

本当に事務所にメールを水餓鬼アドレスから送ったら、すぐに折り返しが来た。本当にこの業界では、水餓鬼のブランドは強い!

樹莉の所属事務所はマンションの1室だった。

「本当に大事な大事なタレントだったんです。」と社長は憔悴( しょうすい)していた。ミー子から見たらまだ若いお兄さんだ。人生をはかなむ年かと思うが、本人はもう終わりだと嘆いている。

水餓鬼は横で今度はほとんど話さない。

やはりジェミニの騎士は客だったから話したが、普通の大人とは距離置いてる。ピーターパンだなあ〜と思う。

「僕らは池袋のゲーセンで遊ぶ仲間だったんです。

彼女はゲーム上手くていつもギャラリー出来てた。

見かけはもうモロオタク女子で体重も100kg近かったんですよ。そこから僕が彼女のために事務所起こしてダイエットしてプロのメイクやスタイリスト付けて撮影も全部僕がしてました。

水餓鬼さんに顔覚えて貰うくらいまで行けて嬉しいですよ。」とうるうるしてる。

ストリーミングではイケイケのギャルに見えたが、そんな舞台裏があったとは…

「今は他にもギャル部隊作ってますから、細々やっていきますよ。やっぱ彼女ほど花がある子はいないですけどね。良かったら…」とミー子に断って水餓鬼に名刺を渡していた。

「あれ?私、マネージャーと思われた?」と貰った名刺見ながら聞く。

「フフッ、絶対社長と思われてたよ。俺、個人勢だけど事務所にしてるから。税金対策でね。名刺返さないから不思議がってたよ。」平間くんがクスクス笑う。

関係者2人から話が聞けた。かなりの収穫だ。

「おっ、ジェミニ君がキャンサーの騎士に繋いでくれたよ。本人はもう噂になっただけで迷惑だから辞める気満々みたいだけど。」平間くんの携帯に知らせが来たようだ。

伽椰子には内緒でとにかく本人の口から話を聞きたい。

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