知名度
この事件で迷惑被ったはずのVチューバーグループ「黄金騎士団」は名前をメジャーに覚えてもらう機会になったようだ。事務所がすぐに誹謗中傷対策を発表したので炎上などはしなかった。
「伽椰子の行く所に必ず死体ができる!」とかサキとユウにからかわれました!」と伽椰子のラインがミー子に届く。
被害者女性がゲーム配信アプリの配信者な事はアッと言う間に広まった。ただのOLではなかったと面白おかしく画像や動画が流れ出す。
配信者 樹莉の際どい服装や投げ銭の収入などがどんどん暴露される。
新宿の動画配信者殺人が、まだ記憶に新しいので課金してる人達などがネットに晒される。軒並み中年から高齢者男性ばかりだった。世間では犯人探しゲームが始まる。
「相互コミュニケーションに引っ掛かった孤独な高齢者達!」と題してコメンテーターがしたり顔で解説する。
「配信者は絶対に決まった日時場所特定される情報は流すと危ない!」とか解説されている。
「バーロー、そんなのは配信者の基本中の基本だよ!
全て事後報告が基本だよ〜」とミー子の飼い猫クロと遊びながらテレビに平間くんが悪態ついてる。
「ねえ〜やっぱり配信者と会話とか出来ると惚れてしまうものなの?お年寄りって?」平間くんがニヤニヤしながら聞いてくる。
「温泉アイドルとか売れるから、やっぱり会話できてハグとかされるとのぼせちゃうお年寄り多いんじゃない?」ミー子が絵を描きながら返事する。
「じゃあさ、ミー子さんもコメント書き込みなよ〜俺、即答しちゃうよ!」と平間くんがウインクする。
「なんで会話するのに1度ネット通す必要あるの?」ミー子が呆れた顔で聞く。
「クソ〜ッ!初見間違えたか!」平間くんがむくれる。
「イヤイヤ、私が水餓鬼さんの動画見ることなんか絶対無いから。最初あった日に探したけど、全然分かんなかったもん。」ミー子が苦笑する。
「殺された人は元々ゲーム好きで、これ儲かるんじゃない?と気付いたんだよ、きっと。
でも投げ銭する人は、やっぱり期待してる訳じゃん?
水餓鬼さんもちゃんとお礼言ってるじゃん?コメントも読むし。」今は結構見ている。ゲームは分からないが、人がしてるの見る分には楽しい。
「投げ銭しても良いんだよ?」平間くんがニヤニヤしながら言う。「ミー子さんのはサービス回数増やすし。特別♪ 」とかちょっと気色悪く言われる。
「いや、イイよ。今で充分です!」と断る。
いつまで付き合うが分からないが、元夫の時は30でガクンとペースが落ちた。なので平間くんもその位には落ち着くだろう。今は盛りである。
「子供とか欲しくないの?お金もあるし作って育てるなら今だよ?」やはり元夫の事もあったし気になる。
「30後半から40なると、急に家庭や子供欲しくなるんだよ。その時後悔しても遅いよ?」と忠告する。
「ふん、俺の娘か孫がお袋みたいな女だったら、どうすんだよ?そんなの絶対見たくない!」平間くんがプリプリする。
確かに平間くんソックリな女の子生まれたら大変な気がする。
「それは奥さんの選び方だと思うよ。チャンとした人選べば…」と言ったら、急に席を立つ。
「別れたいなら遠回しはヤメてくれ!」とミー子の部屋を出て行ってしまった。
「あ〜ッ、地雷踏んだか?」ミー子は頭を抱える。平間くんには、いくつか地雷がある。
別れたいとか離れたいとか言われると急に心のシャッターを下ろすのだ。
そりゃ、何度も母親に捨てられた子だから。
「老婆心は災いの元だな。」とミー子は苦笑いする。




