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アリーナ殺人事件  作者: たま


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3/16

アプリの女

雑踏殺人も密室殺人並みに面倒臭いのだ。

案の定、彼女のカバン携帯からは大量の指紋が見つかった。ライブ会場で落ちてるカバンや携帯見たら拾う人は多いだろう。目につく所へ誰かが置けば触って確認する人も多くなる。犯人に繋がる証拠は分からなくなってしまう。刺された女性が誰かと揉めてる様子も目撃者も居なかった。

会場入りの時は、結構周りを見てるが帰る時は帰りの電車が気になって1分1秒でも早く出たくて周りを見る余裕がない。花火大会の後と一緒だ。

人が一気に押し寄せて団子状態で身体も密着してるので視界も効かないし声も届かない。実際、刺された女性も刺された場所からかなり離れた所まで群衆に運ばれていた。血で足が滑った人達が大騒ぎしてやっと刺されて運ばれている彼女に気付いたのだ。

でも、彼女はその相手に気付いたのだろう。だから群衆の中でも手を前に出して身体を守ろうとした。

出口の手前なのでスタッフに紛れ込んでいたのかもしれない。

警察は当日スタッフや設営会社も調査しているようだった。


「姪っ子さん、せっかくの推しライブだったのに大変だね〜てか、なんで動画配信者がライブしてんの?

俺にはそれが謎だ。」ソロのゲーム配信者の水餓鬼こと平間くんはミー子の横に座って首をひねる。

「フフ、平間くんも歌って踊ってみたら?Vチューバースゴかったよ。歌、めちゃくちゃ上手かったし衣装とか歌いながら光に包まれて変身してたよ。」と言うと顔を歪める。

「俺はゲーム配信者なの!歌なんかカラオケすら行ったことないよ〜だいたい、この顔だぜ?客も男ばっかだよ、女なんか居ない!」憮然とした顔で腕を組む。

確かにお肌はツルツルピカピカだが、イケメンとかそんな感じでは無い。目つきが悪くて猫背で口が悪い。

ミー子から見ると母性本能くすぐる悪ガキみたいな可愛さだが、それが若い女性にアピールするかは確かに疑問だ。

だいたいお母さんが男にうつつ抜かしていたケバい女だったせいで恋愛脳の女性にはスゴい攻撃的になる。

そこも女性と縁ないネット男性に圧倒的支持される部分らしい。

それにミー子は顔出ししたことないが、50すぎのおばあちゃんみたいな彼女居ることを隠しもしないで公表してる。

そこもネット民には、成金成功者のルート外れてて良いらしい。「金、女、ギャンブル」と無縁にゲーム三昧な姿勢が、今時の男に受けるようだ。

本当に悪ガキ達が集まって友達家でワイワイとゲームしてる空気感が水餓鬼スタイルらしい。

確かにミー子と平間くんが出会った川崎の多摩川沿いマンションは、競馬場とパチンコ屋とソープのど真ん中に立っていた。が、平間くんには全く興味が湧かなかったようだ。

『永遠のガキンチョ』それがゲーム配信者水餓鬼だ。

「でも確かに変な男や女が部屋の前で怒鳴ったり暴れるのは恐いよな〜アイツらは俺に何を求めてるんだろ?」平間くんにもガチ恋勢が付いているらしい。

「…かわいそうに」ミー子は目を伏せて呟く。

本物のピーターパンなのだ。恋なんて分からないのだ。20代前半だから性欲はあるが、心は小中学生のままなのだ。

多分お母さんが出て行った辺りで彼の成長は止まっているのだ。


「どう、これ犯人見つかるかな?」テレビを見ながら平間くんが聞く。

「まず、殺された女性の身辺を徹底的に洗うしかないと思うよ。今はネットのせいで交友関係とかも多岐に渡るし。OLさんしてても他に副業あるかもしれないしね。

Vチューバー推してたから、ネットに詳しい人だと思うから。」とミー子が言うと平間くんが手を打つ。

「そうだよ!この顔、どっかで見たと思ったらスイッチアプリだよ。ストリーミングのゲーム交流アプリだよ!ゲーム画面より顔のアップの方がデカい女!

ゲーム業界はネカマが多いから、女がゲームやってます!ってハッキリ声出して顔出してるとそれだけで投げ銭スゴいんだよ。

コイツ大した事無いけど服装が肌色多いの!」と平間君が言う。

「なんだあ〜同業者なの?」ミー子が言うと、思いっきり舌打ちする。

「あのさあ〜一緒にしないでくれる?俺、お水の女が1番キライなんだよ!オカンもほとんど隠してなかったからな!おっぱい底上げしてもろだししてたから!

乳首見えてるって何回注意しても隠さねえの!ムカつく!」平間くんが本当にキライなようだ。

「お母さん、大きくなって口うるさくなったアナタが鬱陶しくて逃げたんだね〜」とミー子は納得する。

「俺は顔出ししてやってるから、あっちが本気で探せば俺に連絡来るはずなんだ。無いってことは会いたくないんだろう。」平間君が目を伏せる。

「良いことだよ。大人になれば独立するのが親子なんだから。平間くんが金持ちだと知ってても連絡来ないって事は、お母さん、ちゃんと暮らせてるって事だし。安心じゃん。」ミー子が言うと膝に頭を乗せてきた。

「そうか、ちゃんと暮らせてるんだな。たったら、良いけど。とっくに殺されて山か海に捨てられてたりな…」ミー子は思わず平間くんの頭を撫でる。

「良い子じやん!良い息子だよ!平間くん。

それに平間くんのお母さんだからね〜大人しく殺されてはいない気がするよ。」ミー子は経験から話す。

「ヘヘッ、声もデカいし態度もデカいから男に惚れっぽいけど、すぐ捨てられるんだよなあ〜お袋。生きてたら絶対金せびると思うけどな。」平間くんはミー子の膝枕で腕組み足組み高笑いしてる。

本当にデカいピーターパンだ。


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