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ミニ四駆に悔いを残していたら過去に飛ばされたの巻  作者: さかざき


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52/54

臨戦

予選が終わったのは夕方だった。


東京ビッグサイトの外に出ると、空はまだ明るさを残している。

だが、ユウの中では一日が終わった感覚がはっきりあった。


スピンコブラは速かった。

スピンアックスよりも速かった。


予選1、予選2、予選決勝。

どのレースも、主導権を一度も渡さなかった。

競り合いになる前に前へ出て、

そのまま差を広げて終わる。


歓声が上がるたび、ユウは少しだけ距離を感じていた。

自分の走りが会場の熱より先へ行っている感覚。


(今年も、問題ない)


そう思えた。


会場を出たユウは、電車に乗り、家へ帰った。


玄関で靴を脱ぎ、自分の部屋へ向かう。

レーサーズBOXを机に置き、スピンコブラを確認する。


異常なし。


簡単なクリーニングを済ませる。


布団に横になり目を閉じる。


今日、コウスケの姿は見ていない。

だが不安はなかった。


スプリングカップ。

春の大会で結果を出し、

今年はユウより速いだろうと言われている。


あいつが決勝に来ないはずがない。


そう確信したまま、ユウは眠りに落ちた。



翌朝。


ユウは一人で、会場へ向かった。


昨日と同じ建物。

だが、入口付近の空気は明らかに違う。


決勝の日。


ピットに向かう途中、視線を感じる。


「あれ……」

「TVチャンピオンの……」

「優勝チームだよな?」


小声が、背中を追ってくる。


「あの女の子は?」

「今日はいないのか?」

「来てないみたいだな……」


残念そうな声。

期待する声。

写真を撮ろうとする者までいる。


ユウは足を止めない。


ピットに着いた、その時。


「……やっぱり来たか」


声をかけられ振り向く。


コウスケだった。

少し遅れてジョンも現れる。


3人は別々に来た。

だが、ここで揃うのは自然だった。


「予選、圧勝だったらしいな」

コウスケが言う。


「そっちもでしょ」

ユウが返す。


「スプリングカップ優勝者だぞ」

周囲の誰かが、はっきり聞こえる声で言った。


「今年はコウスケの方が仕上がってるって話だ」

「ユウは新型用意してるってさ」


ざわめきが広がる。


2人の視線が、一瞬だけ交わる。


「流石、スプリングカップチャンピオン」


ユウがコウスケを持ち上げる。


「新型?マジ?」


コウスケが一瞬驚いた素振りを見せた。


「相変わらず、注目度が高いでござるな」

「ユリちゃんがいないのが、不思議なくらいでござる」


「あの人がいたらこんなもんじゃないでしょ」

ユウが言う。


「同感だ」

コウスケが笑ってうなずく。


ユウとコウスケは、それぞれのピットへ散った。


今日で、すべてが決まる。

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