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ミニ四駆に悔いを残していたら過去に飛ばされたの巻  作者: さかざき


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映画館6

各チームから1番手を任された3人が集まる。


スタートポジションに立つ。

3人はシグナルを見つめていた。


中村ゆうじの

「用意…スタート!!」

の声で、3台が一斉にスタートした。


先頭に立ったのは関西チーム。


「これは速い関西チーム!」

「他のチームに差をつけどんどん進んでいく!」


「初っ端から勝負決めるんやー!」


関西チームは高さ2メートル以上の上り坂に差し掛かる。

そのまま勢いよく登り始めた。


登り切る頃には、かなりの失速が見られる。

ようやく登れた。

そんな走りだった。


(だいぶスピード重視で組んできたな。

長くは持ちそうにない。

敢えて先行して有利な状況を作っているのか……)


ユウは作業を続けていた。

意識の半分はレースを追っている。


ユリは2番手につけている。

走りは安定していた。


上り坂も小径タイヤの利を活かす。

危なげなく登っていく。


3番手は東京チーム。


スピードは、他の2台に比べると遅れていた。

上り坂に差し掛かる。


「東京チーム、上り坂で減速がほとんど見られないで登り切ったーー!」


(恐らく標準ギアだ。

上り坂と耐久を強く意識したセッティング。

……だけど、それでは…)


ユウは頭の中で、レースを分析していた。


「あーーっと!関西チーム。ここでコースアウトだ!!」


スピード任せで走っていた関西チームは、ついにコースアウトした。


コースアウトした場合、待機場所から自分でマシンを取りに行く。

そして、コースアウトした地点から再スタートしなければならない。


慌てて再スタートに向かう関西チーム。


東京チームは上り坂では減速しない。

だが、それ以外のセクションでは差を広げられていた。


「ああ!また関西チームがコースアウト!!」


スピードで差をつけても、コースアウトを繰り返す。

なかなかリードを築けない関西チーム。


(いい流れだ。

バッテリー消費の激しい関西チームは、度重なるコースアウトでリードを広げられない。

一方、ユリ先輩は耐久レース用のセッティング。

バッテリーを温存しながらトップとの差を保っている)


5周を終えたところで、関西チームがフラッグを上げる。

交代要請だ。


東京チームも同様だった。

スピードが伸び悩み、差をつけられている状況で交代を選ぶ。


レース中、レーサーは待機場所でマシンの動きを見守る。

交代の合図が出ると、そこでマシンを止め、交代スペースまで移動し、次のレーサーとバトンタッチする。


交代回数に制限はない。

その分、ロスタイムが生じる。


選手たちは、そのリスクを理解していた。


ここでユリがトップに立つ。

そのまま周回を重ねていく!!


「ユウ!終わりそう?」


コウスケが作業を続けながら、ユウに尋ねた。


「あと少しで終わる。ユリ先輩順調だからこのまま任せよう」


2チームがレースに復帰する。

ユリを追走し始めた。


どちらも先発の欠点を修正している。

安定した走りで戻ってきた。


ユリは黙ってレースを見つめていた。


勝つために何が求められているのか。

自分は何をすべきなのか。

冷静に見極めている。


走っていない選手たちは、それぞれの持ち場にいた。


交代スペースでレースを見守る者。

作業台でマシンを調整する者。


コウスケは、ちらりと東京チームの作業台を見る。


そこには、ストレートバトルで惜敗したあのS選手。

トムゴディを調整していた。


(今度は俺が勝つ!)


コウスケは、静かに闘志を燃やす。


「よし!出来た!!」


ユウがマシンを完成させる。

交代スペースへ向かった。


(……今の経過時間は8分か)

「ユリ先輩!あと2分経ったらフラッグ上げます!!」


「やっとできたのね。まったく、どれだけ待たせる気よ、バカユウ!」


(アスカになりきってる……?)


バッテリーの電圧が下がっていた。

モーターの温度も上昇している。


その影響で速度が落ち、ユリは2番手に後退していた。

ここで交代だ。


「ユウ!頼んだわよ!!」


ユリの檄を背に、ユウはマシンをコースへ送り出した。

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